見出し画像

視床の核と脳画像の見方~感覚に関与する核~

みなさま、はじめまして
見て頂いてありがとうございます🙇

さて、今回は
【視床の核と脳画像】についてまとめていきたいと思います。

※できるだけ正しい情報の発信に努めていますが、あくまで個人のまとめ、私の臨床経験や考えも含みますので、より正確な情報を知りたい方は、原著論文や書籍の確認をお願いします。

視床と聞くとみなさんはどんなイメージですか?

おそらく、「感覚障害」と初めにイメージされる方が多いのではないでしょうか?

実際に感覚障害がある方は臨床上多いですが、感覚障害だけが症状としてでるかと言うと、それは違います。

実は、視床出血などで視床が損傷すると
運動麻痺、記憶の障害、視覚、聴覚、情動、覚醒などの問題が起きてきます。

なぜそのような多彩な症状がでるのでしょうか?

今回はその理由について視床の核と脳画像を交えながら説明していきたいと思います

まずは、脳画像での視床を見つける所からやっていきましょう。

スライド1-1-1024x576

視床はどのスライスで見えるかわかりますか?

視床はこのスライスで見ることができます👇

スライド2-3-1024x576

視床は〇で囲んでいる【側脳室前角・後角】のレベルで確認することができます。

では、この画像スライスから実際に視床を見つけていきましょう

視床の見つけ方

スライド3

まず、側脳室前角に点をつけます
次に下角部分に点をつけます

スライド4

三角の頂点から下のほうに卵のような形が見えてきます。
これが視床です。

では、視床の核を見ていきましょう👇

視床の核の名称と脳画像

スライド6

えっ!?こんなにあるの?
と思いますよね。

実はこれで全てではないんです。
今回は主要な核を主に載せています。

さぁ、核の機能に行く前に、なぜ視床出血と聞くと
【感覚障害】
というイメージが強いのかを説明していきます。

簡単に言うと、出血を起こす部位が関係しています

それはどこなのか
☑視床穿通動脈
☑視床膝状体動脈
という所から出血することが多く、この部位に感覚に関係する核が存在する為、視床出血と聞くと感覚障害というイメージがどうしても強くなります。

感覚障害だけに捉われて他の評価を疎かにしてしまわないことが大事なので、それぞれの核の機能をしっかり学ぶんでいきましょう。

視床の核の機能的区分

こちらの図は視床の主な核と、その機能を表した図になります👇

画像6

この中の

特異核(感覚)👇

画像7

・VPL
・VPM
・MG
・LG

これら感覚に関与する核からいきましょう🙆

VPL核とは?

スライド1

VPL核

機能:四肢・体幹の体性感覚

症状:四肢・体幹の表在・深部感覚の障害

VPM核とは?

スライド2

VPM核
機能:頭部・顔面の体性感覚

・VPL核付近から出血し、下方に及ぶとVPM核も影響を受けます。

・三叉神経が入力のため
・顔面の触圧
・顔面の温痛覚
・舌の感覚
が主に障害を受けます

MG核とは?

スライド3

・MG核
・機能:聴覚の中継地点
・症状:聴覚の低下

この核は聴神経に入力するため聴覚機能に関与します

画像を確認し、聴覚の評価も行っていきましょう
病前の聴力や他者とのコミュニケーション面の評価も本人やご家族に確認し、詳細な評価に繋げる事が大事です。

LG核とは?

スライド4

・LG核
・機能:視覚の中継地点
・症状:視覚の低下

この核は視神経に入力するため視覚機能に関与します

画像を確認し、視覚の評価も行っていきましょう
病前の視野や視力の評価も本人やご家族に確認し、詳細な評価に繋げる事が大事です。

以上となります。

次回は【運動核】
についてまとめていきます🙆

最後までみていただきありがとうございました。

【参考書籍】

[1]河田 光博、 稲瀬 正彦:カラー図解 人体の正常構造と機能〈8〉神経系1

[2]理学療法ジャーナル 2018年 5月号 特集 視床出血と理学療法 (日本語) 雑誌

[3]嘉戸 直樹:視床の機能とその臨床応用 関西理学療法

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?