【153】3分ドラマ脚本「みそじ婚」53話

3分の脚本です。
ぜひ、演技の稽古などに使ってください!
映像化したい場合はお問合せください。

登場人物

・新山亜希(30)…会社員
・石島裕(30)…亜希の幼馴染み
・飯田美南(29)…亜希の同期
・同僚1
・医師
・矢部(50)…編集長
・新山真美(59)…亜希の母
・松野桃子(20)…モデル
・二宮(40)…桃子の事務所の社長
・佐藤…同僚1
・飯田…同僚2

▼台本

▼本文

〇オフィス・中
席で仕事をしている亜希。
佐藤が矢部と会議室から出てくる。
佐藤がやってくる。
佐藤「新山さん」
亜希「話せた?」
佐藤「はい。それで…一旦休むことにしました」
亜希「うん」
佐藤「本当に本当にごめんなさい」
亜希「まずは自分のプライベートも大事にして」
佐藤「私、どうするか決めてないけど、でも何があっても絶対戻ってきます。やっぱり好きなんで。この仕事」
亜希「まずは身体大事にして。あ、飯田さんにはどうする?私から言った方がいい?」
佐藤「引継ぎもあるんで、ちゃんと責任持って私から話します」
亜希「わかった。じゃあ休み入るまで、引継ぎとか色々あると思うけど、無理しないでね」
佐藤「ほんとすいません。ありがとうございます」
亜希「うん…」
×   ×   ×
辺りは夜になっている。仕事をしている亜希。
矢部が鞄を持ち通りかかる。
矢部「まだ居たの」
亜希「あ、お疲れ様です」
矢部「佐藤さん本人が話に来たわ。妊娠のこと」
亜希「そうですか。よかったです。でも編集長も気付いてたんですよね?」
矢部「そうね。いろんな部下を見てきたからね。だから今あなたが考えてることもなんとなくわかるわ」
亜希「え…」
矢部「私、子どもいるのよ」
亜希「…え?!え、そうなんですか?!」
矢部「ちょうどあなたくらいの時かしら。仕事が楽しくて楽しくて仕方ない時に妊娠がわかってね。今の佐藤の気持ちもよくわかるの。でもあなたの気持ちもわかる。部下が妊娠して、私もこの先ずっとそうなのか、女として生きていくことも考えるべきかとかね」
亜希「…はい。子宮のことがわかってから、なんか色々考えちゃって…」
矢部「女になんか生まれなきゃよかったって思うわよね」
亜希「はい…」
矢部「でも、女に生まれなかったらこんなにファッションを楽しめなかったって思わない?あなたの人生。欲しいものは全部手に入れなさい。欲張れるほどいいことはないんだから。じゃ、お先に」
亜希「…」

(つづく)

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