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私はこれを“ひと夏”と呼びます

 押し入れから引っ張り出した扇風機はこの夏乗り越えたらもうサヨナラかもな、なんてユチャンに思わせました。

羽根はホコリを被って、弱・中・強のボタンは陥没。「使えんのこれ?」とか思いながら、唯一生き残ってる入のボタンを押すとユチャンの顔にホコリを勢いよく飛ばしてきやがりました。これ絶対あれだよ、強だよこれ。

「くそ!首振りも使えちゃうのね!!来年の夏もまたヨロシクだわ!」

強の風はまだ涼しすぎるけど、キタコレ!夏!って叫びたいくらい嬉しい気持ちになりました。

サヨナラがヨロシクに変わったんですよ。夏、いいね。





「寒くね?」と小声で呟くと前の席から「ガチ寒すぎる」と小声で反応がありました。

『山月記』を学んで、考えたことを自由に書く3限目の現代文の時間。
室温が23℃になるように設定されたクーラーは真下にいるユチャンを懲らしめにきやがりました。
何度も26℃に戻すのに、気づけば23℃に変わっているのです。
おかげで(確かではない)早くも夏バテ気味です。外の気温に耐えられなくなっているのがとても悲しいです。

「席替えで一番後ろの席を勝ち取った奴は我慢しろや」
そういうことなんですかね。前の席の方、いわゆるハズレの席の人たちはクーラーがマジで当たらないので。

「くそ!来年はもうコイツらとクーラー温度調節戦争はできないのね!!」


気づけばサヨナラの季節だってすぐそこなんですよね。






今までもずっとこの季節がめぐってきて、ヨロシクもサヨナラもヤンチャも勉強もきっと知らないうちに沢山やってきたんですよね。ちゃんとやってきたんですよ。

こんなこと書いてるから17年を思い出してみようと頭をぐるぐるさせているんですけど、最初に思い出すのは大きな出来事(例えば、初ディズニーだったり両親の離婚、好きなアーティストのイベント、クジが当たって10本のボトルコーヒーを勝ち取った地元の夏祭り)ばかりです。

些細な幸せまで全てを頭の中のいつでも取り出せるところに置いといて、いつまでも大切に愛でるなんてことはできない。そうなんですよね~。

だからこそユチャンは今、ここに書くわけです。

期末テスト初日を今週木曜日に控えています。
ということは今からいろいろと詰め込むわけですよ。
ホコリを顔面に飛ばしてきた扇風機の事も友達との「寒くね?」の会話も忘れちゃいます。

強の風で飛んでけ~!脳が陥没した強ボタンを一生懸命押します、きっと。

古語の意味とか偉人の名前とか公式とか詰め込ませてると、どこか行っちゃいます。

なら、ここにひとつ残そうか~。


ここまで読んでくださった皆さんの幸せもぜひ教えてください。


最後まで読んでくれてありがとうございました!

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