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“足る”ことを知る、この頃

外出自粛が緩和されて街に出ると、もうSummer Saleが始まっていた。(雪国風にね)

ネットショッピングも便利だけど、やっぱりお店で実際に商品を見るのは楽しい。ボーナス支給を念頭についつい購入したくなるが、特に洋服については購入をグッと我慢している。在宅勤務がまだ続くので、仕事着などを新たに調達する必要がないからだ。

「グッと我慢している」と書いたが、実はそうでもない。仕事着購入のニーズだけでなく、物欲もなくなってきていることに気づき始めている。

4年前、クローゼットの片付けサポートを外注し、合わせて自分の体型に合う洋服を見つけるベースとなる“骨格診断”を行った時、「一軍選手でクローゼットをいっぱいにする」ことを学んだ。「一軍選手」は、つまり「着ない洋服ではなく、自分に似合う大好きな洋服」のことで、その表現に100%納得したはずなのに、この4年間でクローゼットは洋服でギチギチに詰まっていた。外出自粛期間に、私も例にもれず断捨離に着手しましたよ。

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昨年、離婚する友人の荷物を実家に運ぶのを手伝った。約90㎡の高級マンションは、2人暮らしだというのに荷物があふれていた。キャパが大きければ大きいほど、モノを入れたくなるという典型例。大家族並みに食器がギッシリ詰まっているキッチンの棚が圧巻だった。彼女の洋服を中心に、実家に持ち帰るモノだけを選択するのに、どれだけ衣装ケースやタンスから洋服を取り出したことか。心身ともに疲れ切っていた彼女を「ここにはもう、2度と戻ってこれないのだから」と叱咤激励しながら、大量のモノと約3時間ほど格闘した結果、洋服も食器類もそのほとんどが「いらない」という結論に。ううううむ。私は疲労困憊したが、彼女は離婚も無事成立して本当の意味で身軽になった。

先日、「クリーニング・パーティ」なるものに初めて参加した。参加者が不要品(主に洋服、靴、キッチン用品、書籍、小さめの雑貨など)を持ち寄り、欲しいものを好きなだけ持って帰っていいというもの。余った品はバザー用品として特定の施設に寄付。当日の飲み物代と寄付の宅配料金などが参加費として徴収されるという、とてもシンプルな仕組み。もう着ない衣服を何点かと、昨年のフリマで売れ残ったキッチン雑貨などを詰め込んだ大きな荷物を4つも持ち込む私を見て、他の参加者から「楽しみ~」と、声をかけられた。

出品した品物を誰かがもらってくれると素直に嬉しくなり、残っている品物の様子を見ると、購入した時の金額などを思い出して心がザワつく。もう不要だから持ち込んだはずなのに、「誰にも必要とされない物を長く持っていたのか?」なんて思ったりもして。とにかく手放す時に感じる痛みこそが、ムダな買い物の抑止力となるのだよね。

残った品物を参加者と一緒に宅急便に出す手配をして終了。持ち込まれた大量のモノを見る中で私が本当に欲しかったものはなかったのだが、付き合いで少ーしだけもらって帰宅した。しばらくは何もいらない心境。

欲しいモノを得るのは楽しいことだし、ブランド物も嫌いじゃない。管理できない物量を持つのがしんどくなっているのは、年齢を重ねて体力が落ちたせいだと思っていたけど、社会が変わって、自分の価値観も変わってきたんだなー。






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