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意思決定支援について

 夏だけど毎日雨ですね。。みなさんの地域は大雨の被害は大丈夫でしたか。コロナに大雨に…早く穏やかな日々が戻ってきてほしいものです。

 私は今、社会福祉士の基礎研修Ⅲを受講中です。自己研鑽のため、数年後に成年後見人の仕事もしてみたい、認定社会福祉士もとれたらいいなぁっていう気持ちで数年前から受講しています。毎月2-3回は研修・レポートがあり大変ですが、実践につながるものなのでとても勉強になります。

 今回は、権利擁護の科目で「意思決定支援の必要性について」というテーマでホームレスを例にあげて考えをまとめるという課題がありましたので、記事に残しておこうと思います。ホームレス問題は、個人の問題ではなく社会の問題。生活困窮の状態は誰もが陥る可能性があります。だからこそ、他人事ではないし、社会全体で正しい理解を深め、ホームレス状態になった方がどうやったらまた社会参加していけるのか、自立していけるのかを考えていくことが大切だと思っています。大阪の支援団体の理念で、「私たちはホームレスをゼロにすることを目指すのではなく、もしホームレス状態になっても、誰でも何度でもやりなおせる社会をつくることを目指す」という考え方がとても印象的で共感しました。私もコロナがおさまったら、炊き出しなどに参加して実際の現場で勉強したいです。

「意思決定支援について」(レポート)

 ホームレスの定義として、「ホームレスの自立の支援などに関する特別措置法」の第2条に「都市公園、河川、道路、駅舎、そのほかの施設を故なく起居の場所として日常生活を営んでいる者」と規定されている。ホームレスとは、家やお金がないだけでなく社会的に孤立し、生きる意欲や希望を失っている状態と言われており、判断能力がありながらも様々な要因が重なり合い、健康で文化的な生活を送ることが困難な状態にある人が多いと言われている。
 ホームレス問題は、「仕事の問題」「家族・家庭の問題」「住居の問題」の3つが主たる原因である。①「仕事の問題」については、会社の倒産などによる安定職からの失職、日雇いや住み込みなど不安定職からの失職、②「家族・家庭の問題」については、離婚や実家とのトラブル、虐待、家出など、③「住居の問題」については、家賃滞納などによる立ち退き、住み込み先の喪失など、があげられる。厚生労働省のホームレス実態調査では、倒産・失業、仕事の減少、病気・ケガ・高齢で仕事ができない状態になった、労働環境が悪く辞職、人間関係で辞職、収入減、借金、立ち退き、ローンの支払い不可、家賃滞納、病院から退院後の行き先なし、飲酒、ギャンブルなどの理由があがっており、一番多いのは仕事面での問題であり、加えて、病気やアルコール依存症やうつ病などの精神疾患、借金などが絡み合って、ホームレス状態になっているという調査結果が出ている。
 ホームレスの支援をするにあたり、支援者として、住居の確保や就業機会の確保を急いでしてしまいがちだが、まずはホームレス状態になっている方との信頼関係づくりやアセスメントが重要になってくる。アセスメントとは、ご本人のADLやIADLの状態はもちろん、ご本人の気持ち、ホームレス状態になった過去の背景、今の心の状態、望む暮らし、などについて色々な視点から把握する必要がある。そのためには、炊き出しやお弁当を配って一言声をかけるなどの地道な活動を通して、ご本人との信頼関係を作ることが大前提だ。お腹が満たされると自分が困っていることを少しだけ話してくれるかもしれない。ホームレスの方が「この人になら話してもいいかも」「この人なら頼っていいかも」と安心感を得た上で、様々な対話を重ね、しっかりとアセスメントした上で、支援の手立てを考え、ご本人に必要な情報を提供し、その中からご本人が意思決定していくというプロセスが望ましい。
 また、ご本人が意思決定した後は、ハローワークや病院、役所、相談機関などに一緒に同行したり、相談にのるなど継続的に関わっていき、ご本人ができることはご自分でできるよう促したり、できない部分は手伝うなどその方の個別性に合わせた伴走型支援が求められる。ご本人の問題解決能力を高めると共に、過去の仕事や様々な経験を活かし、ご本人が元々持っている力を活かせるようエンパワメントしていく視点を忘れずに支援していきたい。

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