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大豆で保険料大幅削減 福島県鮫川村のすごい話〈旅行記〉

1年ほど前、福島県鮫川村で耳にした、すごい話。聞いた時、かなり感動したんですけど、誰にも話す機会がなさすぎたので、ここに書き置きます。

まず始めに…鮫川村は、福島県白河駅から車で40分ほどのところにある、山間の小さな村です。私の滞在した範囲では、スーパーもコンビニも目にすることはなく、「手・まめ・館」という直売所的なところが、村の中核になっていました。

「手・まめ・館」には食堂もついていて、そこが村で人気の外食スポットになっているのだと、民宿のお母さんが教えてくれました。結構安いのに、小鉢が食べ放題。これはいい!と思った記憶があります。

そんな「手・まめ・館」、名前の由来になっているのが、村を代表する農産物 "大豆" です。
そこに、驚きのストーリーがありました。



当時、高齢化が進む鮫川村は、医療費の高騰に悩まされていました。
もちろん本当に体調を崩して病院にかかる人もいたのですが、その原因の1つに、病院が高齢者の溜まり場になっている、という実態がありました。

定期的に通院していると、待合室で顔見知りができて、病院が "友達と会える場所" になって行く。コミュニティはどんどん広がり "いつでも行けば誰かいる場所" へ。

「なんだか今日は時間があるな〜〜そうだ、病院に行こう!そういえば、体のこの辺も調子が良くない気がしてきたぞ!行ったら誰かいるに違いないから、お茶とお漬物も持っていかなくちゃ〜♪」

待合室は、もはや病院というよりお茶飲み場。
受診する人が増えるので、医者は多忙で医療費も高騰します。
具合が悪いところなんて、探そうと思えばいくらでも出てくるものです。

そんな中、当時の村長さんが打ち出したのが「鮫川村で大豆を作ろう!」という施策でした。

「この村では大豆を、一般的な価格より何倍も高い価格で買い取ることにします!時間のある方はどうぞみなさん、大豆を作りましょう!作り方は村が教えて支援もします!!」

なぜいきなり大豆なのか?民宿のお母さん曰く、大豆作りには実は、すごい手間がかかっています。体力仕事というよりは、ちょこちょこ見ては手を加える手作業。だからこそ、その手のかかる大豆づくりを推奨し、住民たちを忙しくした。土地ならいくらでもありました。

こうして村は、病院の待合室で漬物を食べながらおしゃべりする方たちを、大豆畑で協力して体を動かしながらおしゃべりする方たちへと、変化させたのです。

そうやってできた大豆製品が今、鮫川村の一大産業になっています。住民の手作業で作った大豆が豊かにした村=鮫川村。それが 「手・まめ・館」の由来でした。



docomo以外は電波のない村 鮫川村。
朝6時台に防災無線が鳴る村 鮫川村。
よそ者が歩いているとすぐ、「どこから来たの?」と聞かれる村 鮫川村。

時代の最先端とは程遠いこの村で出会った、この村なりの最先端。
豆の大きな納豆、濃厚な豆腐…素晴らしく美味しかったです🥹✨

注)裏どり試みましたが、ネットに情報なく。あくまでも口伝、私の旅行記という認識でご了承ください。
そして、これから鮫川村を訪れる方!ぜひ裏どりをお願いします🙏
手まめ館でご飯食べてたら村長がやってきて、知らない顔だねと名刺をくれるような村でした(名刺紛失🥲)きっとすぐアクセスできるはず!笑

休日は犬の散歩
「ご飯の後はこたつで寝ていいよ」というおもてなし
お世話になった酪農家 つばさファームのジャージ牛たち
これを機に畑にハマり今に至る

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