ボストンのロボットレストランは素晴らしいエンタメ体験だった
先日、私が滞在しているアメリカのボストンで、マサチューセッツ州工科大学(MIT)の卒業生の開発したロボットが調理するレストラン「SPYCE」がオープンした。お店のHPを見てみると、目新しい調理ロボットに興味をそそられるのはもちろんのこと、グラフィックやインテリアのデザインもかっこいい。Google Mapの口コミも星5つと超高評価で、さっそく行ってみることに。そこに待っていたのは、想像以上のエンターテインメントだった。
お店はオフィス街に位置していて、ランチタイムに訪れると激混み。時間かかりそうだな……と思いながらとりあえず並んだ。
メニューは具やソースの組み合わせで味が異なる7種類のボウル。どれも野菜がたくさん入っていてヘルシー。具を変更したり、好きな具を追加することも可能。ベジタリアン、グルテンフリー、ヴィーガンにも対応しているところはさすがアメリカ。
メニューはフランス料理界の有名シェフ・Daniel Boulud氏が監修しているそうで、味も期待できそうだ。価格はロボットを採用することで人件費カット・作業効率アップが図れ、1つ7.5ドル(約820円)とボストンにしては比較的安い設定になっている。
注文はタッチパネルで行い、私はTHAIを注文した。現金払いもできるが、見ている限りほとんどの人がカード払いで、お店の方に話を聞いてみると「90%の人はカード払い」とのことだった。
キッチン前に移動すると、7台のロボットがテキパキと調理を進めている。簡単に動画を作ったので見てみてほしい。
まずキッチン裏から鍋に具が投入、その後すぐにオレンジ色の箱のようなロボットからソースが注入され、回転しながら調理が始まる。調理中はロボットの上部にあるスクリーンに注文者の名前が表示され、見ていてワクワクする。調理が完了すると鍋が傾き、手前の皿に盛り付けられ、ロボットはそのまま下を向き洗浄へと移る。ロボットのムダのない動きに惚れ惚れする。
皿に、残りの具を盛り付け(これは人が担当)完成。注文から完成までたったの5分足らず。
かわいらしい名前シールが貼られていてテンションが上がる。さて、いただきます!
このボウルは、チキンカレー味の玄米ご飯に玉ねぎと人参のマリネ、ハーブサラダ、フライドオニオンとココナッツ、パクチー(追加)がトッピングされている。初めて口にする味だったが、エスニックな香りとトッピングの食感が楽しく、私はとても好きだった。
ファストフードの三拍子「うまい、やすい、はやい」に「楽しい」も加わり、ファストフードの進化を感じる。
このお店では調理はロボットが担当し、メニューの相談に乗るなどのコミュニケーションは人間が担当する。テックなロボット調理とフレンドリーな接客のコントラストが、新しい体験を作り出していた。
サンフランシスコのEatsaなど無人レストランも誕生してはいるが、私はSPYCEの「テクノロジーと人間のいいとこどりのスタイル」がいいなと感じた。
お店の人に話を聞いてみると、オープンして2週間しか経ってないが、おかげさまでずっと忙しくしているとのこと。UberEATSはやらないのかと聞いてみると「このボウルは出来立てを食べてほしいのと、なにより調理ロボットを見にきて体験してほしいからあまり検討していない」とのこと。
他店舗展開も検討中だそうで、これは流行りそうな予感!
PR動画もかっこよくておすすめ。気になった方はぜひ。
みなさんのサポートが励みになります。 「おいしい」の入り口を開拓すべく、精進します!