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#おばあちゃんのまかないメシ 熊本編

あなたは「おばあちゃん料理」と聞いて、何を想像しますか?

時間をかけた煮物料理や、手間暇かけて作る梅干しや漬物など、手仕事を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

けれどおばあちゃん(つまり主婦)は、今まで家事や子育てに大忙しな生活を送ってきた人なのです。そんな忙しい合間をぬって、ちゃちゃっと作って食べている料理もきっとあるはず

時間や手間をかけず、ベテラン主婦であるおばあちゃんの知恵が詰まった、おおらかな料理。本に載るような立派な料理ではなく、日々の工夫から生み出された派手ではない料理。それはきっと都会で暮らす私たちにとって、実はとても役に立つ料理のあり方なのかもしれません

そんな料理を発掘するべく、全国各地を巡りおばあちゃんから「まかないメシ」を直伝してもらう試みを始めます。名付けて「おばあちゃんのまかないメシ」。第一弾は熊本から!

有機農家・森田さんの「セロリの葉の甘辛炒め」

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熊本県宇城市で42年前から有機農業を営む森田さんご夫婦。奥さんが朝採れの新鮮なセロリを花束のように抱えてご登場。むせかえるようなセロリの青い香りに、目が覚めました。さっそく車に乗って山のてっぺんの畑へ。

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山々に囲まれた気持ちいい場所で、のびのび育つ稲や季節の野菜。「鹿や猪と戦いながら、雑草と遊びながら農業しています」と楽しそうに話さていて、たくましさに惚れ惚れしました。実際、雑草は邪魔者ではなく野菜を寒さから守る役割を果たしてくれるのだとか(写真下・雑草に囲まれるニラ)。

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いま畑に植わっているのは「かぶ、大根、紅色の大根、ほうれん草、春菊、セロリ、スイスチャード」などなど。畑を案内してもらいながら「ちょっとずつ持って行ってね」と野菜を引っこ抜いて、持たせてくれました

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森田さんから教わったまかないメシは、「セロリの葉の甘辛炒め」。作り方は、セロリの葉を摘んでさっと湯がき、細かく刻んでから「オリーブオイル、(九州の甘い)醤油、酒」で炒めて、最後にかつお節をかける。私がいつもカブ菜や大根菜で作っている甘辛炒めとほぼ同じ味付けで、和食の基本の味付けなのだなと再認識。

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レシピがとてもシンプルなレシピだったので、さっそく試してみました。セロリの青さが和らぎ、醤油の甘さとかつお節の旨みが加わってとても食べやすい一品に。ご飯との相性抜群!下ゆでしているので水っぽさがなく、お弁当にも良いおかずになりました。

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クセが強く、捨ててしまう人も少なくないセロリの葉。新しい使い方だけれど、馴れ親しんだ味。ぜひお試しください!

ちなみに夜は全て森田さんのお野菜でこんなお料理を作りました。


食の名人・蔵原さんの「こんにゃくのたこ焼き風」

もうお一人、お料理を教えていただいたのは蔵原せつやさん。県が認定した「くまもとふるさと食の名人」に選ばれた方でもあります。自宅の裏庭で育てている野菜を使って料理してくれました。

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蔵原さんは地元でもお料理上手で知られていて、よく人がやってきてご飯を食べていくそう。食いしん坊(私)がやってくると聞いて、たくさんおかずを作ってくださいました。こちらがこの日のお品書き。

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れんこんの甘酢漬けとカブの甘酢漬けはいつも作り置きしていて、食べきれなかったら食べに来た人におすそ分けするそう。この日の様子を2分の動画にしてみたので、よかったら見てみてください。

たくさん作ってくださった中でも、特にまかないメシらしいものは「こんにゃくのたこ焼き風」。作り方はスプーンでちぎったこんにゃくをフライパンで乾煎りし、焼肉のたれ:中濃ソース=1:1で味をつけた簡単料理

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こんにゃくなのにこってりした味付けで食べ応えがあります。こんにゃくはお肉に比べて安く手に入るので、お財布にも優しい。そして子供も好きそうな料理でした。

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蔵原さんのたくさん食べてほしい気持ちがあたたかくて、うれしくて。本当に尊い時間でした。こういうおばあちゃんの優しい気持ちを、ちゃんと継いでいきたいと思いました。

来月は沖縄編をお届けします!

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