見出し画像

ムーンタイム🌙月経の豊かさを受け取る

先日、ムーンタイム(月経)と同時に
今年玄関先に植えた蓮の花が初めて花を咲かせた。

「おめでとう」と祝福を送ってくれているかのようだった。

ここ数年、生理を迎えると、とても幸せな気持ちになる。
心も体も完全にオフになって、安心してただ自分であることに深く身を任せられる日がまたやってくるから。

体が新しく生まれ変わっている。
そのことに女性としての喜びと感謝が沸き起こる。

月経に対してそんな風に思えるようになったのは、実はここ数年の話。

若い頃はちょっとした環境の変化とストレスで生理が止まることもしばしば、ひどい時はホルモン注射を打って無理やり排卵させていたこともある。

生理はどこか暗くて重たいもののように感じていた。

薬局やコンビニでナプキンを買うと、茶色の紙袋に入れられて、なにか「イケナイ」ものや「見られてはダメなもの」のように扱われる。

どんなにたくさん月経血が流れていようとも、超吸収力のあるナプキンで、いつもと同じように動ける、働ける、なんならスキップしちゃいますよ♪といった爽やかささえ感じるCMを見て育っていることも影響しているのか、
生理で休むことに対しての後ろめたさや、いつもと同じようにはできない自分への罪悪感もどこかで感じていた。

今思えば、生理のことを「ちょっとめんどくさいやつ」
と軽視していたように思う。


そんな私が生理の楽しさを憶えるようになったきっかけは、
20代で布ナプキンに出会ったこと、
それから30代でネイティブアメリカンの生理の過ごし方を知ったことが大きな転機となった。

ネイティブアメリカンの教えによると、
月経は「ムーンタイム」と言われていて、浄化の時ととらえられている。
その間の女性たちは、もっとも受容性が高く、強い神聖なパワーが体に宿る。
そのため、祈ったり断食をしたり、大地とつながる必要すらなく、一切の家事や心配事から解放され、ただひたすらに自分の内側とつながる時間になっていた。
感覚が研ぎ澄まされている時なので、神のお告げやメッセージを受け取りやすく、それが夢となって表れやすくなる時。
その力が部族全体を助け、また他者を癒す力があるので、みんなに
大切にされていたそうです。

生理になることは宇宙が決めていて、
その間は全てをオフにして、ひたすら自分の浄化やビジョンを受け取ることに集中する。

これこそ本当の生理の過ごし方なのかもしれない。
そう気づいた時に私の頭の中でファンファーレが鳴った。

生理はバカンスだと思ってとにかくゆっくりしよう!!!

、、、そうはいっても最初は休むことへの抵抗感がありまくりだった。

あぁ、仕事のメールが来ているから、約束していたから、やらないといけないからetc...
頭は休まないですむ理由をあれこれ考える。

休んでいても、休んでいたらなんだか悪いことをしているような気持ちになって落ち着かない。

でも少しずつ、少しずつ、
休むこと、ゆっくりすることを
自分に許す。

少しずつ変えていったら、
ここのところは
月経が来たら一切の家事から離れ、
仕事はどんなにいそがしくても休む、
SNSや携帯、パソコンからも極力離れ、
自分の体が心地よいリズムでいられるように整えられるようになってきた。

ついつい動きたくなってしまうところを
「なんにもしない努力」に変えていく。

ハンモックに揺られ、庭を散歩し、
好きな本を読んだり、夜は月を眺めて静かに過ごす。
ネガティブな気持ちが溢れてきたら、ジャッジをせずに子宮に手をあてて、じっくり味わう。ひたすら自分を感じて愛でる。

そうすると普段は気づけなかったことがすとんと体に入ってきたり、
自分の心や体の状況に驚くほどに敏感になる。

生理が終わるととても清々しい気持ちで、
リフレッシュしたスタートができるし、日常生活の中で、必要以上に無理したりがんばったりすることがなくなり、自然とブレーキがかかるのだ。

生理をただゆっくり過ごす、それだけで、住む世界が違うなと思った。

すべての女性にとってムーンタイムは健康の基盤となるもの、
生理=生きる理(ことわり)なのだ。

どの人ももれなく生まれてくる子宮の
基盤となる生理を大事にしないことは、命を軽視することに繋がるし、
大事にすることで、命はさらに輝きを増してゆく☆

もし生理がつらい、めんどくさい
生理だけど休めないと感じている方がいたら、
自分の内側とつながる時間だということを少しでも意識して過ごすだけで、
ぜ〜んぜん違ってくると思います。優しい世界は自分で作っていけるから。

これから生理を迎える女の子たちは
生理ってこんなに神秘的で素晴らしいものなんだよ、ということを知れたらきっと一生の宝物になるよ。
最初から知っていたら、
女性としての人生はさらに豊かなものになってゆく。
そんな子がたくさん増えたら素敵だね。

そして、男性にもこの命の営みを理解してもらえたら、パートナーや周りの女性たちとさらなる調和の世界を築いていけて、間違いなく優しい世界が広がってゆくよね。

すべての生命は祝福されて生まれてきている。

社会全体が生理に優しくなって、みんなの命が益々輝きますように。

女性の浄化の時(月経)をムーン・タイムと呼ぶ。
というのは、私たちの部族では、グランマザー・ムーン(月)が地球上の
生きとし生きるものの種まき(生殖)の時期を決めるからなのだ。

女たちの種まきのサイクルを決めるのもグラン・マザー・ムーンの役割だ。
すべての女性の浄化の時期もグラン・マザー・ムーンが決める。

ムーン・タイムの女性には、強いパワーが宿る。
すべての生命力が、この時期の女性のパワーのもとに集まる。
雷や稲妻よりも、強いパワーを宿す。

このパワーゆえに、ムーン・タイムの女たちのために
特別なロッジ(小屋)が作られる。
それが、ムーン・ロッジ。
その特別なパワーが損なわれたり、盗まれたりすることのないように
女たちは「ムーン・ロッジ」で過ごす。

ムーンの女たちに災いをもたらす者を遠ざけるためにもムーン・ロッジはある。男たちは、いっさいムーン・ロッジには近寄れない。
クラン・マザー(氏族の女リーダー)と他の女たちがムーン・タイムの女のために食事を作り、食器洗いも洗濯も代わって行う。

ムーン・タイムの女は、いっさい仕事をしない。
ムーン・ロッジには、悪いニュースや悪い話も届かない。
ロッジにいる女たちの所へは、邪念が入ってこないように、守られている。

女たちは、いっさいの心配ごとから解放されて、ゆっくりと自分の内に向かう。グラン・マザー・ムーンは、ムーンの女に生きることのヒントを語ってくれる。

そして、星々に、ムーンの女の悩みや迷いについて伝えるのだ。
それを聞いて、宇宙が、ムーンの女に問いの答えを示してくれる。
そしてムーンが終わると、クラン・マザーが彼女に聞く。

どんな夢を見たか、どんな思いがやって来たか。どんなことが起きたか。

クラン・マザーは、彼女の話にもとづいて、宇宙が示した答えを解釈して聞かせる。女たちは、このようにして、ムーン・タイムをとりわけ大切に過ごすのだ。


☆ムーン・ロッジ(The Moon Lodge)☆
by  デニス・バンクス(アニシナベ族)


画像1

illustrated by yucariño

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?