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引き合うものはあるのだと

またしても映画を観た。すっかり現地を満喫するエネルギーがない。

映画 ファーストラブ

先週観た太宰治のもよかったけど、こちらの映画は泣いた。何度も泣いた。演技に引っ張られて泣いた場面もあるし、内容的にもどこか自分を重ねてしまって考える場面もあり泣いた。

北川景子って美人だとつくづく思った。若い時の彼女はそんなに好きじゃなかったけど、結婚して子ども産んで、そのあたりからの彼女はすごく好きである。この作品、私は彼女がここまで激しい演技をしているのを観たことがなかったので正直びっくりした。感情に飲み込まれるようなシーンで泣き叫んだり、取り乱している姿って生々しくも痛々しくもあり、すごく惹きつけられた。

そして芳根京子。この子、顔がとても好き。もちろん演技も好き。この役ってすごく難しいと思うけど、すごく役に融合している感じがした。もともと私が彼女に持っているイメージとこの役は合わないけど、すごく役に合っていた、というか彼女とこの役が合わさっていた感じだった。そして北川景子の役と同じかそれ以上に感情を乱すシーンも多くて、特に涙を流すシーンは本当にもらい泣きした。

脇役だけど重要な役で窪塚洋介。めっちゃよい。最初、オズワルドの人かと思ってしまったが(ヒゲとメガネ見て)、若い頃ってこういう感じの役多かったような気がするなどと勝手に思いながら見てしまった。やっぱりかっこいいなと思う。写真家という役も合っていたと思うし。

この話って、親に対してのネガティブな思考から逃れられなかった人にとってはちょっと救いの物語だと思った。少しずつ謎が解かれていく過程で、子どもの頃や大人になってからの親との関係が明らかになっていって、その時の感情や恐怖がフラッシュバックしたり、心のどこかでずっと縛られていたり、そういうものが私も少なからずあるから、見ててどんどんと引き込まれていった。

登場人物がどこかしらの共通点を持っていて、不思議と引き合っているように感じた。それってある意味必然だし、ある意味自分から(もしかしたら互いに)引き合っているからなのかもしれない。同じ苦しみや痛みを知っている者同士が引き合うのは私は必ずしもいいことではないと思っているけど、でもこの物語ではそれを良い面も悪い面もどちらも丁寧に描いていたと思う。だからリアルだし、琴線に触れるのだと思う。

ネタバレになってないことを祈る。

明日は外出できるエネルギーがあるといいな。とかいいつつ、眺めのいい部屋で引きこもるのもまた良い。

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