0009すれ違いと試合観戦

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起稿20240306
改稿20240609

0009すれ違いと試合観戦
2月13日火曜日 帰宅後
結果としてヒカクさんの会議参加により、不明な点は残るものの、運営のメカニカルアーマー協議会の回答をヒカクさんがしてくれたお蔭で、多少なりとも不明点が拭われた。
今日の会議で伝えられた日程を確認しよう。

明後日2月15日の木曜日。東京にあるというメカニカルアーマー協議会の事務所いや支部だったか。そこにお邪魔する。主に身体測定と体力や身体能力測定という話。
来週の2月20日火曜日に、訓練場の見学とメンテナンス担当の方々との初対面。場所は同じ東京支部で、この日は訓練場の宿泊施設に泊まって、翌21日にまた見学。だが内容については、まだ開示出来ないということ。

それで再来週の2月26日から2週間3月8日まで、いよいよ免許。ライセンスを取るための教習が始まる。午前を座学で、午後を訓練に割り当てる予定らしい。ちなみにだが、座学が片付けば、訓練をそこに追加するらしい。訓練内容はカリキュラムがあるそうだが、教えてはもらえなかった。

ここから先については、状況に合わせるので予定に幅が出るので未定らしいが、3月中にメカニカルアーマーの操作ライセンス(免許)を獲得する方向でいて、ライセンス獲得後に月の訓練スケジュールパターンやメカニカルアーマーリーグへの初参加をいつに設定するかを決めるらしい。
結構忙しいが、何週目は訓練とか決められていると確かに予定は立て易いかなとも思う。
ただ、長期連休は訓練優先のため、長期連休をずらす形になるそうだ。意味合いは色々あるそうだが、決まりだとされれば仕方ない。

今日の会議で話した内容は、俺達が質問した部分も含めて清書され、いつでも確認できる形にしてくれるらしい。議事録は、録画していたそうなので、なんとも用意周到だと感じた。まぁグウゼン部長も証拠と証人とか話していたし、ごねたときの裁判資料にでもするのかもしれないが、なんにせよ、用意が良いのは、ごねた人がいたんだろうなと妄想してしまう自分がいた。

「さて、ログインするかな」
なんとなく気怠いと感じつつ、グローブコントローラーをはめて、机の上にあるヘッドセットをかぶる。
「アクセスログイン。」
「音声確認、認証クリア、網膜確認、認証クリア、コントローラー接続確認、クリア。お帰りなさい。リカイ。」
VRセットの女性音声が流れる。
「サバイバルネット、オープン。ログイン。」
「サバイバルネット、オープン。ログイン…。クリア」
俺が呟くと、VRセットの女性の音声が復唱し、目の前にゲームの世界が現れる。
「ようこそ、お帰りなさいませバウト様。」
今度はゲームの女性音声が入り、大勢の人が行き交う街中に視界が変わるが、いつもよりもなんとなくだが少ない気がする。
「ギルドアイテム ワープゲート 帰還」
そんな違和感を感じつつも、いつものように視界が街中からギルドルームに切り替わると、とても静かで誰もいなかった。
そこそこ遅くなったからともに思ったが、いつもよりも遅いが、いなくなるほどの時間でもない。
まぁそんな日もあるよねと気を取り直して、ミッションをこなしてから、今日は上がることにした。まぁ、みんながログインしたらしたで考えればいいだろう。

「さて、何をやろうか」
一人でミッションをするのは、だいぶ久々な気がする。
定例ミッションを眺めつつ、殲滅ミッションで場所を市街地、他のプレーヤーの乱入は無しを選択。NPCを相手にして難度を上げておく。
装備は近距離戦を想定しているけれど、主武器をスナイパーライフルにして、サブにグレネードランチャー。後はいつも通りの装備。

視界が変わって曇天の空の下、2階建てくらいの家が立ち並ぶ路地になった。
味方無し。1対20。雨は降ってないので視界の妨げは壁や家。包囲されればひとたまりも無い。
時間をかけるほど、包囲される可能性が上がり、状況の打開が難しくなる。
俺の位置は、フィールドの左下。中心からみて南西にいる。ここは住宅街らしく家が密集していて道もやや複雑。
現在の敵の位置は、俺を中心に扇状に並んでいる。扇状の中央突破するのは、北と東に展開している敵に包囲される確立が高く、少なくとも同時に相手をする人数が多くなり易い。能力差が大きい場合はゴリ押しも出来るかもしれないが作戦としては避けたい。相手の人数が多い場合、出来る範囲ではあれ、各個撃破を優先することで人数差による不利を軽減したい。

選択肢として今思いつくのは2つ。北に行くか東に行くか。
北にはフィールドの中央で真っ直ぐに横切る道路を越えれば、ショッピングモールやビルがある。広い場所がある。ショッピングモールは比較的隠れる場所が多くて移動もしやすい。
東はずっと住宅街が続く、細い道も多く、そこに集まってくれれば隠れる場所も少なくて各個撃破し易い。ただ、フレンドリーファイア、味方の攻撃が無効化されるので、反撃の手数が多くなり易い。

スタート。敵も一斉に動き出した。迷うことなく俺を目指して包囲が縮まる。俺は一路北に進み始めた。
とりあえず武器をグレネードランチャーに変更しておく、中央を横断する道路辺りでこのまま行けば少なからず接敵するはずだ。着弾で破裂するグレネードランチャーなら、範囲で敵を攻撃出来る分優位だろう。
後もう少しで横断する道路というところで、敵が見えてグレネードランチャーをぶっ放す。キルカウントは上がって1。巻き添え狙いで撃ったが一人止まり、もう2発放ってもう1人も落とす。残り18。
やばいな。相手の方が足が早いかもしれない。脇道にはまだ敵が見えない。レーダーでは3人。地図を横断する道路からこちらに向かってくる。
思い切って横断する道路に踏み出して、走りながら敵に向かってグレネードランチャーを放ち、2人仕留めた。残り16。視認出来ている数が増えて7。
ここで迎え撃つのも悪くは無いが、スナイパーライフルの命中率はシクミに比べて劣る。数はそこそこ減らせるだろうと武器を持ち替えスナイパーライフルで攻めつつ北へ。。撃つ要領は、この前の狩猟採集ミッションと同じ。視認してから構えて撃つ。
スコープ越しに探せば、視界の狭さで攻撃をくらう。もっと良い方法があればとは思うけど、思い浮かばないものはしょうがない。今は多少でも隠れることの出来る街路樹まで、遮蔽物の無い道路上は早く通り過ぎたい。
ガンガン攻められてはいるが、幸いにしてまだ当たってない。敵の命中精度が悪い気もするが有り難い。あと少しで街路樹で一息出来そうになったとき足に被弾した。
街路樹にたどり着いて回復薬のリカバリーを使って事なきを得ているが、足の怪我は移動速度が落ちる。具体的には走ることが出来なくなるから、放置すると囲まれ易くなる。
応戦したいが、更に敵が到着している。視認出来ている数は10。まだ6人は視認さえ出来ていない状況。ここでの応戦は諦めよう。
レーダーでは、幸いにして北側に回り込まれてはいない。タイミングを計って街路樹からビル街に入った。
横断する道路から来る敵を視認次第迎撃するため、グレネードランチャーに持ち替え直して後ろ向きに歩く。射線確保できるビルはショッピングモールよりも遠い。現状ではショッピングモールに逃げ込むのがベストだろうが、まだ残念ながら距離がある。
横断する道からビル街の細い路地に入ったおかげで、当初の敵側の包囲網からは抜けた。
レーダーでは、12人が横断する道にいて、その内5人が俺の後を追い、俺の進む路地に向かっている。もう少しこちらに来てくれれば各個撃破で稼げたのだけれども仕方ない。
少し待ち状態になって5人を待ち構えて処理。残り11。
俺の後を追わず、他の道を進んでいるのが9。横断する道にいるのが2。
スナイパーライフルに持ち替えて、路地の交差点で待ち伏せ、胸を狙って撃つ。
相手がNPC。待ち伏せで狙い撃ちなら、余程のことが無い限り、これなら外さない。向こうが撃つ前ならば尚のことで、ここで2つキルカウントを上げる。残り9。
このまま集まってこちらに近付いてくれるなら、ここで応戦しよう。
敵は仲間がやられているが隠れることの出来ない路地のため、ビルに入るか、こちらが外さない限り回避出来ない。相手も撃ってきたが、合間をみて応戦する。
今が稼ぎ時とせっせと狙い撃ち何発か外しつつ、キルカウントを7つ上げ、残り2。何発か攻撃を受けたが、リカバリーで対処可能の範囲。このまま合流するとみて粘りながら回復させるとして、距離が遠い。視認出来た数は1。
敵のスコープでも狙える距離。他と同じように胸を狙い撃ち抜く。残り1。
路地の手前で、もたついているのか出てこようとしない。
こちらも迂闊には出られない。距離が遠すぎてグレネードランチャーでは届くか判らない。射程距離ってどのぐらいだったろうか。
そんなことを考えていたら向こうが出てきた。壁沿いに歩いてくるが、恰好の的。じっくり狙って仕留めると、ミッション終了のアナウンスが始まった。
久々の個人戦。NPC相手の多対一。たまには自分で攻めるのも悪くない。そんなことを思いながらギルドルームに戻ったが、ギルドルームにもいないし、ログインもしていないようで、こんな日もあるかとログアウトした。

2月14日水曜日 体力作りの時間
明日は朝早くから会社の車で出張先に向かうこともあり、なんだかんだバタバタとしながら、作業をしたり、明日いない分の引き継ぎやらをしたりして過ごし、定時を迎えると、すでに定例となった体力作りを1時間ほど行うために正門でみんなが来るのを待っていると、トウハがやってきた。
「おつかれ」
「おつかれ。なかなかの迫力だったな」
「ん?何のこと?」
特別思い当たるモノも無くて聞き返すと、トウハが渋い顔をする。
「観てないか」
「なんかあった?」
「昨日の夜、あれの個人競技の決勝があってな。なかなかの迫力だった」
「あれってあれか」
メカニカルアーマーリーグのことだろう。トウハが名前を伏せるようなものは、他に心当たりがない。
「シコウの説明だがな。偶数月があれのやる時期らしい。予選なんかは、今月の頭から始まっていたとか言ってたぞ。見てなかったのか?」
「そうなのか?全然気にしてなかった」
「はぁ、一番気にしていそうなのになぁ」
「元々そこまで興味が無かったからなぁ」
「おつかれ。リカイ達は昨日の観た?」
スンカが珍しく早くやってきて、声をかけてきた。
「なかなかの迫力だったな」
「トウハはどっち観た?グラディエイト?ファイティング?」
「両方。派手さはグラディエイトだな」
「かなり激しく動けるのね。リカイは?」
「うっ、すまん観てない。今日観るよ」
「せっかくシコウが連絡してくれたのに」
「悪い悪い。全然気付けなくてさ」
「おつかれ」
シコウ、シクミ、ケンザンがやってきた。時間としてもそろそろだ。
「みんなも観ましたか?」
「リーグね」
「うん。観た」
「大手のチームは強いね」
シコウが挨拶もそこそこに聞いてきて、スンカ達が答えていく。
「俺は今日観るよ」
「あぁ、それで。大丈夫大丈夫。公式のところでも予選から試合が撮られているから、いつでも観れるよ」
「ありがと」
その後もワイワイとウォーキングしながら、準決勝から始まった試合の内容を教えてもらいながら、ウォーキングを進め、また後でと解散になった。
教訓。もう少しスマホを気にしよう。

帰宅後、流石にあれだけ話を聞いて観ないのもどうかと思い立って、公式の動画をチェック。
昨日の試合がアップされているのを確認して、準決勝から観ることにした。
どうせなので、夕飯を食べながら。
動画は実況付きで、解説の人までいる。
リングというよりは、四角いグラウンドの中に2体のメカニカルアーマーが向かい合っている。
メカニカルアーマーは、こうやって映像で観るとシルエットはまんま鎧を着た人。
フェイスガードと思われる透明のカバーを顔に取り付け、アンテナらしきモノは無い。ロボットに表情というのもおかしいけれど、目の部分はサングラスをかけているような感じ。この映像だと、坊主頭にサングラスをかけているように見える。
首回りに学ランのような立った襟がついているのは首への攻撃に対する保護かもしれない。
体の方はなんというか2体とも西洋甲冑のようなツルッとした表面で、関節ごとに分けられているように見える。アーマーという名称がしっくりくるシルエット。ハンマーを持った機体は、関節の繋ぎ部分が海老の甲殻のように鉄板を重ねた感じになっていて、棒を持っている機体は肘パッドや膝パッドのような感じになっているのは、個人の好みだろうか?関節部分に対する攻撃への防護なのだろうことは解る。
印象的には線の細い感じに見えるが実際はどうなんだろう。
たしか2.5mくらいの身長だったはずだから、普通の人に比べるとかなり大きいはずなんだけれども、比較対象がないから、そこら辺はよく判らない。
機体の色は、ハンマーの方が迷彩。棒の方がグラウンドの色に近い黄土色。ここら辺も好みかもしれないし、作戦によって塗り替えるのだろうか。
前にトレジャーハントを観たときも思ったけど、ゲームでなれているせいか、迷彩柄の西洋甲冑風味に、それ程違和感を感じていない。

さて、この2体の周りは、どのぐらい離れているのか定かではないものの、遠くの方にかなりの数の観客がいる。空席は探さなければ見つからない感じだ。
トウハが推奨していたグラディエイトの試合だが、これだけ観客で埋まることを考えても、かなり人気なのは確かなようだ。

選手の方をカメラが映す。
以前に観た試合は、トレジャーハンティングという競技だったからか、グラディエイトの試合のルールかは判らないけれども、盾は2体とも装備していない。
片方が準備運動をしていて、もう片方は微動だにしない。準備運動している方がハンマーで、微動だにしない方が長めの棒をを持っている。

「相性としては如何でしょう」
「なかなか甲乙つけがたいですね。一撃の重みに関してハンマーは有能ですが、どうしても振り回される傾向にありますから、動きが大きくなりがちです。取り回しの巧みな選手ですから、相手に合わせられるかが鍵と言えるでしょう。一方、長い警棒を巧みに操る彼は、機動力の高さを活かし、細かな動きを行いながらメインカメラの破壊などで、制御不能や行動不能に追い込むことを得意としていますから、ハンマーの一撃をもらわない慎重さを大切にして欲しいと感じます。」
「なるほど、さて。そろそろ定刻になります。始まりの空砲が、鳴らされました。両者一斉に動き出します。」
ハンマーを一歩前に踏み出しながら、下から振り上げ、もう一歩踏み出しながら振り下ろすハンマー使い。
遠心力を活かしながら、まるで餅つきのようにハンマーを振り降ろす。
一方、相手の棒使いは、振り上げられたハンマーを後ろに引くことで避け、振り下ろすハンマーを回り込んで避け、肩に向けて棒を突き出すが、ハンマー使いは、ハンマーを振り抜きながら体を捻り棒を避け、互いに半歩引いて間合いをあける。
微妙に届かない距離を保ちながら、牽制し合う二体。
小刻みに移動しながら牽制する棒使い、それに対するハンマー使いは間合いを詰めすぎない限り、いつでも振り上げられる態勢で静かに構える。
このまま試合が膠着するかと思われたが、棒使いが動いた。
小刻みの一歩で牽制していた足の下がった瞬間に大きな一歩を踏み出し、胴腹を狙う一閃する。
大きく踏み込んだことでハンマー使いが多少下がった程度では棒を避けられない。
ハンマー使いは半歩引いて体を捻り突っ込んできた棒使いの体、腰骨辺りにハンマーを捻じ込んだ。
初めての両者のヒット。だが、衝撃はあからさまに異なる。
棒使いの打ち込みは確かにハンマー使いの体を捉えたが刃物ではないし、衝撃勝負の意味合いが強いこの状況。衝撃という意味では、ハンマーの衝撃と比べると明らかに棒は弱い。少なくとも見た目では弱く見える。
ここからハンマー使いの攻撃が始まった。
振り上げ、振り下ろす縦の線での攻撃。棒使いはなんとか避けているが、機体の損傷か操縦者に影響があったのかは判断出来ないが、ハンマーで受けた衝撃からか動きがぎこちない。
このままハンマー使いがたたみ込んで終わるかと思われたが、棒使いの棒がハンマー使いの足の合間に差し込まれ、倒れ込むようにして棒を動かしたことでハンマー使いを転ばせて、抜き取った棒を素早くハンマー使いの首の部分に突っ込んで試合が止められた。
勝者は棒使い。観衆の歓声や拍手で讃えられ動画が終了した。

「こりゃ、個人競技は不参加だな」
準決勝戦だからとか、実力者同士での戦闘だからというのもあるだろうけれども、レベルが違いすぎる。あれを見せられて、反応できるかが問題だ。
身体能力が操縦者に依存しているのなら尚のこと難しい。
トウハ達は、これを観て興奮して話をしてくれたわけだけれど、相対することを考えると、俺にはとても太刀打ち出来る気がしない。少なくとも同じフィールドで接近戦は避けたい。
接近戦対策は念入りにしないと混戦にでもなれば全滅しかねない。
「他も観てみるか」
その後、もう片方の準決勝戦と決勝戦と観戦してメカニカルアーマーの動きを観察し、その後にファイティングも同じように観戦してみたが、感想は変わらなかった。
接近戦は実力をつけるのは基より、そのスピードに反応できるようになってからでなければ、とても太刀打ち出来る見通しが立たない。
罠や目眩ましなどの一時的に距離をとる方法の確保。これは調べないと駄目になるな。
みんなの身体能力測定と剣道とか柔道の経験があるかの確認も必要かもしれない。
以前に観たトレジャーハンティングでは、近接戦闘がほとんど行われていなかったのか、あまり印象には残らなかったけれども、この振り抜く速度や体裁きを観ると、この答えを翻すのが難しいとしか思えない。

「もしもし。今電話大丈夫?」
「はいはい。大丈夫だけど」
シコウが電話をかけてきた。ログインしてなかったからだろうか
「明日の協議会までの移動、誰が運転する?」
「会社の車だったよなぁ~。俺やろうか?」
「そうしてくれれば助かるよ」
「明日の話をしてたのか?」
「うん。たぶんリカイは昨日の試合を観てるだろうから聞いてみるかって話になってね」
「あぁ。確かに観てた」
「どうだった?」
「接近戦対策どうするかなぁって感じかな。」
「お、勝つ見込みは?」
「全くない。対策っていっても、たぶん逃げる方法探しだよ。直接戦うとなると考えられないな」
「難しいかな」
「たぶんなぁ。あんなのに反応できるかが一番問題なんだけどさ。連携強化とかでなんとか出来るとは思えないんだよね」
「運動能力か~。そっちは自信ないなぁ。僕たちの操作の実力も見当がつかないし。今考えるのは難しいね」
「そうだな。」
話が一段落すると、ちょっとした空白時間が流れる。
「今日はログインするかい?」
「いや、今日はやめとくよ。ちょっと調べたいことも出来たし」
「接近戦対策?」
「だね。そっち方面で、また明日の道中にでも話すよ。」
「了解。んじゃ。明日よろしく」
「こっちこそ。ありがとう」
「んじゃ」
「じゃ」
電話を切って、動画リストを眺める。。
最近のおすすめ動画は、武術系やらサバイバルばかりなので、まぁ見つかるだろうという感覚で、適当に飽きたら、検索をかけ、その日を過ごした

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