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【ALGS OT4】日本大会結果分析【Apex Legends】

注意
統計の知識に自信のない人はまず用語解説記事を見ることをお勧めします

Apex Legends Global Series Online Tournament 第4回 (ALGS OT4) 日本大会の結果を分析します。以下ではグループをGと略します。予選では上位チームは決勝出場チームを示し、決勝では上位チームは上位10チームを示します。

予選

予選結果分析

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縦軸は得点を表しています。予選敗退チームはどのグループも同じ得点域に居ますがそれぞれ特徴があります。
G1は下位チームの中でも最低順位の方は点数が詰まっていますが、高順位のチームは点差が離れています。
G2は下位チームの中でも特に点数が取れなかったチームは他の下位チームと点差をつけられています。また上髭がつぶれていることから下位チームの5位~7位(決勝出場圏内)争いが熾烈であったことが分かります。
G3は下位チームの得点の幅が広く得点差が他のグループよりも疎になっています。しかし下位の高順位チームは、SunSister GODを除く全決勝出場チームの得点に約10点以内に迫っています。

上位チームはG3のみ大きな特徴があります。
上位G1、G2ともにある程度同じ点域におり、G2の方が各チームの点差は開いているものの箱ひげ図の傾向はよく似ています。
G3チームは上位チームの間の点差は密に詰まっており上髭が完全につぶれています。しかし1チーム突出して高得点を取っているチーム(SST.God)がおり、他のグループでは見られない特徴です。

全体としては、G1は上位も下位も点差が各チームある程度開いており、G2は下位チームの5位~7位争い(決勝出場圏内)がとても熾烈で上位チームは点差が開いており、G3は決勝出場をギリギリで逃したチームも上位チームも点差が少なく、1試合分の得点が変わればSST.Godを除き、全く異なるチームが決勝出場枠を占めていたほどできたほど接戦だったことが分かります。

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 黒い点線は得点合計が24ポイントとなる位置を示しています。
このグラフから分かるように今回大会G1、G2予選は24ポイント以上を取れば決勝に出場できたようです。
箱ひげ図で見たようにG2は7位争いはとても熾烈であることが分かります。
G3にいたっては(SST.Godを除く)上位チームと下位チームのトップ3チームが点差がとても近く、どのチームが決勝出場していてもおかしくありませんでした。またG3は多くのチームに点数が配分されたため決勝出場には28ポイント以上必要でした。

予選まとめ

予選敗退組はやはり点差が密になっており、1点が決勝出場を分けることが分かります。また1ポイント獲得することは他チームが1ポイント逃すことになるので、落ち着いて1ポイント1ポイント積み重ねることが重要です。特にG3では予選敗退組のみならず予選敗退組の高順位チームと決勝出場チームの点差が小さく1試合変われば決勝出場チームが5チーム入れ替わっていてもおかしくありませんでした。(G2も同様の少し弱い傾向)
また前回優勝で予選1位突破常連あったDeToNatorが予選敗退したことは、とても衝撃的な結果だったでしょう。
決勝出場チームは1度大量得点をしているチームも多くなっています。

決勝

決勝結果分析

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今回の決勝の上位チームは2チームの突出したチーム(LFTと Pro Gaming team Selector White)を除きとても点差が小さくなっています。実際3位から8位に至っては6点差になっています。下位チーム以上に上位チームの点差が詰まっているのはとても珍しいです。相当実力差や運の差が詰まっていたのでしょう。

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青い点線は縦線が順位得点の平均を表し、横線がキル得点の平均を表します。
黒い線は分布傾向を示す回帰直線で、
(キル得点総和)= 0.71×(順位得点総和)+ 4.53
(順位得点総和)= 1.40 ×(キル得点総和)- 6.34
の直線になっています。決定係数は0.7482です。
相関係数は0.864です。
今回はどのチームもこの直線から大幅に外れておらず、つまりLFTやPro Gaming team Selector Whiteも含めて毎試合全チーム同じように順位ポイントとキルポイントを重ねていったことが分かります。

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上位チームは得点が多いので標準偏差も大きくなりがちです。しかしながら今回上位4位から上位6位はとても得点標準偏差は小さくなっています。順位得点標準偏差も小さく、これらのチームは毎回同じ順位で終わっている中で互いに争っていたことが分かります。 しかしSZBは標準偏差が合計点の近いチームに比べて高く1試合大量に得点できた試合があったために、これらチームとの争いを勝ち抜けたことが分かります。LFTは順位得点標準偏差が3.2になっており、これは合計点と比較してとても小さい値になっています。安定して高順位であったということでしょう。(ちなみにTSMは第3回が合計点59点で順位得点標準偏差は0.98なので安定性が異次元です。)
下位チームは予選で飛びぬけていたSST.Godは下位に沈んでいる一方で、飛びぬけてはいなかったLFTが決勝で圧倒的な強さを見せています。予選では14チームスタートということもあり予選と決勝は全く異なるものであったことが分かります。

決勝まとめ

今回の決勝はものすごく上位チームの点差が密になっており、常に激しい賞金争いをしていたことが分かります。その中で1試合大量に得点できたSZBが3位をとれたので、前大会同様多く得点する試合が1試合あると結果が大きく好転するようです。順位得点の高いチームはキル得点も高いという傾向は前回と同様のようです。今回のLFTの決勝合計得点は日本リージョンにおいて過去最多点数でした。

参考サイト
liquipedia
battlefy

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