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「今年は季節がおかしい」ってみんな毎年言ってる ◆ 水曜日の湯葉94[9/20-25]

秋である。夏アンチ過激派たる自分にとって秋は「夏でない」という点で最高の季節だ。これから地球の夏はもっと最悪になっていくから、相対的に秋の最高度が高まっていくに違いない。

彼岸花を見るのが好きで、毎年この時期になるとどこかしらに見に行く。「これが咲いたらもう暑くない」という勝利確定演出として好感度が持てるし、毒性にもかかわらず救荒作物として植えられた、という物語性にも惹かれるところがある。

川沿いとかあぜ道とかいったロケーションもいい。あまり大勢が集まれる場所ではないので、見る人も散歩のついでにちらっと見る程度だ。そういうさり気なさが季節の風物詩として良い。


9月20日 水

RTA in Japan の動画をいくつか見る。RTA の面白さには単に超人的なプレイだけでなく「ゲームの内部構造が理解できる」というのがある。特にファミコン時代は容量節約のための妙な仕様が多く、RTA ではそうした仕様の隙を時間短縮の技として使うことが当然視されている。

いってみれば RTA は「その世界の創造主」である製作者と、人間であるプレイヤーが同じ立場で対峙しているのだ。神と人の直接対決である。コメント欄を見たら「すごい! こんなに速いの他に製作者だけなんじゃないの?」とあったが、たぶん製作者そんなに速くない。

最近人気の GeoGuessr のプレイ動画も見る。カナダとアメリカは区別が難しく、熟練のプレイヤーでも間違えるらしい。その「熟練のプレイヤー」の多くはアメリカ人だろうけれど、自国と外国の区別ができないってちょっと不思議な感覚だ。2国が似すぎるというよりも、州ごとの差が大きくて国内が国内っぽくない、という面もあるのだろう。

日本だと、人工物のない田舎を除いて「日本かどうか」の区別がつかないことはまずない。ためしに手元の写真フォルダから日本っぽい海外写真を探してみると、中国の都市部は比較的それっぽいが、道路が右側通行なのですぐにわかる。

中国では世界各地のチャイナタウンとの区別が難しいかもしれない。聞いた話では、中国映画で警察を無能に描くと検閲にひっかかるので、そういう時は「外国のチャイナタウン」という設定にしたりするらしい。


9月21日 木

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