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松井優征を読むだけの週 ◆ 水曜日の湯葉70 [4/5-4/11]

地域の清掃活動に参加する夢を見た。ゴミが燃えやすさに応じて4段階(激しく燃える、よく燃える、あまり燃えない、まったく燃えない)あって、側溝にたまっている電池をどれに分類すればいいか後輩と話し合った。ゴミは実写なのに、後輩は漫画の絵だった。

↑というメモを目覚めの直後に書いたが、今(夕方18時)読み返してもまったく映像が浮かばない。印象的な夢をメモしておこうと何度も試みているのだが、メモ帳を起動したらもう忘れていることも多い。夢というのは脳の短期記憶にしか書き込まれない形をしているのではないか、と思う。

こういう体験から推測するに、「短期記憶」の一部が要約・取捨選択されて「長期記憶」に保存されてるわけではなさそうだ。多分その両者は直接つながってはいないし、おそらく前者は神経の興奮、後者は遺伝子の発現を用いた現象である。いずれ研究が進めば「構造も機能もまったく違うものをひとくくりにして『記憶』と読んでいた」ということが明らかになるかもしれない。


4月5日 水

文美保険に加入するために住民票を取りに行く。「マイナンバーカードがあればコンビニでプリントできる」ということで行ってみたら手数料が高くてびっくりした。いや市役所で取ったらもっと高いが、住民票の発行といういかにも「人権」な近い行為に3桁円取られるのか。というか確定申告みたいに自宅でできんのか。

住民票とか銀行とかいうのは「普通のインターネット」とは別系統のネットが張られていて、日々スマホを使っている時には想像できないような面倒や手数料がかかる。立派な大人が議論して作った仕組みは大体こういう感じになる。もしインターネットの普及以前に匿名性の問題が十分に議論されていたら、スマホを使うたびにマイナカードで認証するような世界になっていただろう。

Netflix で『星の子』を見た。宗教二世をテーマにした映画で、両親が新興宗教に入信している中学生の話。あまり宗教の悪さを強調する感じではなく、主人公も教団が販売している水を常時携帯している以外は普通の中学生である。教団側に「信者を監禁して催眠術をかけている」という話が出てくる一方で、世俗サイドである数学教師には「女子生徒に手を出している」という話が出て、どちらも疑惑レベルで詳細は触れられない。ただ冒頭で裕福そうだった主人公の家がボロ家になり、親戚づきあいは断絶、姉は行方不明といった実情はきちんと描かれていて、かなりバランス感覚のある映画だった。

『逃げ上手の若君』10巻を読む。意外なことに諏訪頼重の存在感がだんだん減ってきて、「北条時行の周りにいるヤバい大人たち」の1人になりつつある。最初はてっきりこいつが殺せんせーやネウロみたいな「作中1人だけいる人外」ポジションだと思っていた(神だし)が、なんかもう人外が多すぎて関東平野がネウロの語る魔界みたいになっている。そしてバサバサ死ぬ。「史実だとこいつもうすぐ死ぬけど、この後もっとヤバいやつが供給されるんだろうな」という屈折した安心感がある。


4月6日 木

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