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怖い映画 ~背筋が凍てつく最狂恐怖映画20選~

どうも皆さん、YU-TOです。

夏の到来を予感させる気候となってきたが、今年も夏のレジャーはお預けといった空気が漂っていて、寂しいを通り越してもはや白けてしまう。

夏といえば"屋外レジャーの季節"といっても過言ではなく、俗に言う"パリピ"の部類には決して入らない自分でも、これからの季節は無条件で胸踊る気持ちにさせられるものだ。

しかしながら、ここ最近はレジャーに出掛ける事はおろか、外で酒を飲む事すら困難な世の中になってしまい、「何だかなー。」と感じる日々を過ごしている。

だが、夏の風物詩で在宅でも酒を片手に楽しめるたった1つのレジャーがこの世にあるではないか。

そう、ホラー映画だ。

「いや、ホラーなんて大嫌いだし!!。」

と思ってしまった方、申し訳ない。

「怖い映画など絶対に観たくない!。」という、"アンチホラー"な人は意外と多くいて、自分の周りでもそこまで熱心にホラー映画を観ている友人は少ないように思う。

だが、自分は小さい頃からホラー映画が大好きなのだ。

好きとは言っても、小さい頃は怖い映画を観た日にはやっぱりトイレにいけなくなっていたし、グロテスクなシーンには未だに目を背けるくらいなのだが、、、。

でも、何故だかホラー映画は観たい。

「幽霊に会いたい!。」などこれっぽっちも思った事は無いし(幸いな事に霊感は0だ 笑)、心霊スポットなんて死んでも行きたくない。

でも、何故だかホラー映画だけは熱心に観てしまう。

本当に、子供の頃から"恐怖"という感情を扱った作品は大好きで、"トラウマ映画"、"胸糞悪くなる"、"映倫震撼のR-18指定!!"みたいな謳い文句の映画にはすぐに「観た〜い!。」と飛びつく好き物この上ない性質を自分は持っている(笑)。

何故、自分はこんなにも"恐怖"という感情に取り憑かれているのだろうか?。

そんな疑問をずっと前から自分自身に対して抱いていたのだが、去年読んだ本でその答えのような事が書いてあった。

どうやら、ホラー映画には"幸せホルモン"と呼ばれるセロトニンを分泌させる効果があるそうだ。

↓の記事にも書いてある通り、脳は恐怖や不快感を感じると、それを抑制する為にセロトニンを分泌し、不安や恐怖を和らげるようにするのだと言う。

「ああー、なるほど。要は脳内麻薬の中毒になっていた訳か!。」と合点がいったのだが、そのような観点からホラー映画を観るのは健康に良く、幸福度の上昇に効果的との意見もある。

確かに、ホラー映画に見入っている時の集中力は世に言う"ゾーンに入った"感覚に似ていると個人的には感じていて、雑多な考えや不安を取り去るのに効果があるとは以前から思っていた。

また、概ねホラー映画というのは登場人物達が最悪な体験をしてしまうというシナリオが用意されているので、「どうやったらこんな状況にならずに済んだか?。」みたいなリスク回避を考える練習にもなる。

「いやー、ここは自分ならちゃんと真っ直ぐ家に帰るなぁ!。」とか「今逃げろよ!。」など、当事者で無い無責任な立場に立った上でツッコミを入れながら観れるホラー映画は、スポーツ観戦さながらの興奮を与えてくれて、とても良い酒のつまみになるものだ(笑)。

そんな、実は心身の健康にも繋がるという(?)ホラー映画。

本日は自分が今まで観てきた中で、最も怖かった最狂のホラー(恐怖)映画20本をご紹介していきたいと思う。

中にはホラーの部類に入らない映画もあるが、"恐怖を感じさせる"といった点から選ばせてもらった作品もいくつかある。

今年の夏はこの20本を観て、脳内にセロトニンを分泌させまくろう!。

ただし、、、、

1つだけ注意しておきたい事がある。

自分の友人で、毎日朝から晩までノンストップでホラー映画を観続けていたら、本当に怪奇現象に襲われるようになってしまったという人がいる。

家でDVD観ている時に"ラップ現象"と呼ばれるような音が鳴り続け、DVDを止めようとした瞬間に"ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ!!!"と常軌を逸した音が鳴りはじめ、流石に恐れ慄いたと語っていた(苦笑)。

だから、あまり観過ぎは良くないかもしれない、、、。

信じるか信じないかはあなた次第だが、、、、、。

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1.呪怨(東映Vシネマ Ver)

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国内ホラーといえば『リング』か『呪怨』かという感じであるが、この『呪怨』に関してはシリーズが出過ぎていて、もはやどれが本家なのか分からないほど。

去年はNetflixで呪怨のドラマが公開されていたし、ハリウッドリメイク版や、『白い老女』、『黒い少女』などのスピンオフも数多くリリースされていて、「もうこれ別物やんけ!」と感じてしまう作品も多々ある。

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そんな多くの作品が出ている『呪怨』だが、この作品の恐怖を1番よく表現出来ているのは、何だかんだ言っても1番最初の『Vシネ版 呪怨』であると思う。

かなり昔の作品であるし、低予算で制作されているため映像のクオリティは低いのだが、それが逆に不安感を煽り立て、より一層の恐怖を鑑賞者に与える。

『呪怨』の何が1番怖いかって、その徹底した"リアル感"。

『リング』は"テレビから飛び出してくる"という少しSF的な部分があったり、現代においては非現実的な"井戸"というものが物語のキーになっていたりするが、『呪怨』は「もはや自分の家なのでは無いか?。」と感じさせる、どこにでもあるような民家が舞台だ。

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他にも"天井裏"や"ゴミ袋"など、自分達の生活に馴染みがある場所やアイテムが描写のアクセントとして使われている事も、恐怖感を煽るのに一役買っている。

一時期ブームにもなった伽耶子の「あ”あ”あ”」という不快感マックスのガテラルヴォイス(笑?)も「良くこんな不快な声を出させよう!。」と思いついたなと、妙に感心させられてしまう(笑)。

しかし、このVシネ版で最も怖い存在は伽耶子よりも、劇中で描かれる呪いの連鎖の元凶を作った佐伯 剛雄である。

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この男が嫉妬に駆られて犯す凶行こそが『呪怨』という作品の核であり、その狂気が1番滲み出ているのがこのVシネ版であると感じるのだ。

映画を観ただけでは分からないのだが、実は『呪怨』の登場人物達の背景や設定はなかなか面白い。

映画を観た後でWikipediaを観ると「ああ、そういう事だったのか!。」と合点がいく部分もあり、良く練られた人物像は非常に興味深い。

小説版には様々な登場人物の心情が詳しく描かれているらしいので、今度読んで見ようと思う。

とりあえず、観たら必ず"階段"が怖くなるので注意して下さい(笑)。

2.鬼談百景

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『残穢』でお馴染み、小野不由美原作のオムニバスホラーを映像化した作品。

この手のオムニバス系作品は、とっ散らかってしまって詰めが甘いパターンが多いのだが、この作品に至っては1話1話のクオリティが非常に高い。

思わず身震いしてしまうくらいに怖い話も多々あり、久々にオムニバス系で唸らされた作品だった。

中でも印象に残っているのが『尾けてくる』。

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これを観た後、しばらく家に帰るのが怖くなった(笑)。

またこれ、外がまだ明るい時間を舞台にしているというのも嫌な感じで、"幽霊は暗くなってから出る"という世間の常識を見事に覆してしまったと思う(笑)。

他には『続きをしよう』という作品もかなり良く出来ていて、地味に痛々しい描写がジリジリと精神を痛みつけてくる。

軽い気持ちで鑑賞出来るというのがオムニバスホラー作品の良いところだが、こればっかりはあまり気軽に観れない。

何だか、不気味でイヤ〜な観後感が残る作品だった。

そんな事を言っておいてなんですが、、、、かなりのおすすめです(笑)。

少なくとも、ホラー好きは確実に楽しめるであろう1作。

3.ファニーゲーム

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胸糞悪くなる映画の代名詞ですね。

もう、とにかくひたすらにサイコパス。

簡単に痛ぶる、簡単に殺す。

笑って痛ぶる、笑って殺す。

その応酬なので、観ていて"正常な感覚"というのが何なのか分からなくなる。

かなり型破りな演出もされており、観ていて置いてけぼりにされることもしばしば。

紹介しておいて何だが、、正直、具体的な内容はほとんど覚えていない(笑)。

ただ、とにかく不快感マックスかつ「何じゃこりゃ?。」と呆気に取られて、「噂に違わぬ胸糞の悪さだな、、」と思った事だけは覚えている。

あと、この作品はBGMが一切無いのだが、唯一音楽が流れるのはオープニングと劇中でサイコパス野郎が子供を追いかける時に音楽を流すシーンのみ。

そして、その音楽は何とNaked City。

完全に狂っている(笑)。

この作品に関しては、正直オススメ出来ません(笑)。

怖いもの見たさの感情が人一倍強い人は、是非どうぞ。

4.HAZE

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起きたら身動きの取れない密室で、抜け出そうと必死にもがいて進み出すも、様々な拷問に近い道を通らなければならないという地獄のソリッドシチュエーションホラー。

とにかく嫌。

"悪夢"なシチュエーションの応酬で、観ていて痛々しい事この上ない。

コンクリートで出来た無機質で暗い空間の描写が、海外映画のような現実離れした空気感を醸し出していて非常に良かった。

"トラウマ映画"の代表作として語られる事が多いこの作品。

内容的な面白さはあまり無いのだが、観ていて思わず身体が硬直してしまうくらいの閉塞感がある映像は今でも脳裏に焼き付いている。

この作品、もう10年以上前に自分の家で友人と観たのだが、「あの時観た狭いところに閉じ込められる映画なんだっけ?。」と、ここ最近その友人から問い合わせが来た(笑)。

その友人も、この映画の痛々しい描写が頭に鮮明に焼き付いていると語っており、トラウマ映画の名に恥じない爪痕を、この作品は彼の中にも残したらしい(笑)。

しかしこの『HAZE』、恐らくもうメジャーなレンタルショップには置いていないし、動画配信なども一切されていないので、観るとしたら購入になってしまうかもしれない。

もしかしたら、マニアックなものを取り扱ってるレンタルショップにはまだ置いてあるかもしれないので、そのようなお店が近所にある人は是非探してみて欲しい。

5.REC

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全て手持ちカメラで撮影されたPOVはホラー映画の代表的撮影手法だが、この『REC』は今までみたPOV作品の中でも群を抜いて良かった。

パニック感が伝わりやすいのがPOV作品の魅力だが、『REC』はその魅力が余す事なく凝縮された力作だ。

全体的にダレる事なく緊張感があり、グロテスクな化け物達の姿もバッチリと収めてくれてるので、恐怖の伝わり方が半端じゃない。

個人的ベストは、物語の舞台となるマンションの最上階に潜入するシーン。

もうこの部屋の禍々しい雰囲気が堪らなく好き

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壁中に貼られた不気味な絵や並んだ用途不明な薬品瓶、暗くて狭いその空間は怖いというより、自分は「カッコ良い!。」と感じてしまった。

「いつかこの部屋でMVを撮りたい!」なんて事も思ってたり、、(笑)。

劇中ではあまり観れない部屋中にとっ散らかった資料なんかもじっくり見てみたいと思うのだが、それは多分叶わぬ夢だろう(笑)。

またこの部屋で最後にご対面する化け物が恐ろしい事恐ろしい事、、、。

絶対に会いたくない化け物の第1位に君臨するであろう素晴らし過ぎる容姿で、もはや3周回って"造形美"とも捉えられるくらいの怖すぎる見た目。

精神的にくるというよりは、グロテスクながらもおっかなびっくり楽しく観れる作品であるので、お酒片手に観るのにお勧めです。

6.グロテスク

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もう名前の通りの映画。

兎にも角にもグロい。怖いというか、グロい。

スプラッター映画の残酷描写が優しめなのが国内映画の特徴であるが、この作品はかなり振り切っている。

中でも男性ならば思わず悲鳴をあげてしまうシーンもあり、そこは「邦画にしてはなかなか気合い入ってるじゃねーか、、。」と思わず目を背けてしまった(苦笑)。

若い時に友人達数名と観て全員で悲鳴を上げていたのを思い出すが、映像がリアルに出来ているので、痛みが存分に伝わってくる。

観終わったあと、友人達から「何ちゅーもん観せるんだ、お前は!。」と責め立てられたのは言うまでも無い(笑)。

グロに耐性が無い人は絶対に観ない方が良いです。

7.オーディション

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これは個人的に外せない1本

国内ホラーの中でも、群を抜いて怖い映画だと思う。

最初はごく普通の恋愛映画のようなストーリーなのだが、そこから一気にホラーに転落していくジェットコースター的展開はかなり斬新だった。

中でもこの家でのシーンは、邦画ホラーならではのジメッとした不穏な空気感に溢れていて、頭の中に痛烈に刻み込まれている。

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拷問シーンばかりが注目されるこの作品だが、日常が段々と狂気に犯されていくストーリー展開が秀逸で、物語前半と後半のギャップが生み出す絶望感は若干引いてしまうレベルだ。

決して気軽に観れるような作品では無いが、ホラー好きならば1度は観ておいて損は無い傑作だと思う。

8.レクイエム•フォー・ドリーム

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全く持ってホラー映画ではないこちらの作品だが、恐怖映画と言う点で今回名前を挙げさせてもらった。

ドラッグにのめり込む人達の話なのだが、これがまためちゃくちゃ怖い。

ドラッグによってもたらされる気持ちの高揚感や、幻覚によって見える美しい景色やポジティブな心の変化も躊躇なく再現し、それが切れた時の激しい渇望感と倦怠感も分かりやすく描写したかなり"ガチな"ドラッグ映画だ。

例えば『トレインスポッティング』などもドラッグ映画であるが、エンターテイメント性に溢れ、"希望"のようなものも感じさせてくれる作品ではある。

しかし『レクイエム・フォー・ドリーム』は、美しい映像と共に絶望感を全面的に映し出す完璧なまでの鬱作品。

ドラッグというものに対して「ダメ!絶対!人生壊す!」と言う1点ばりで、それが何故だかをまともに説明しないのが日本というお国柄だが、これを観ればドラッグがどうやって人の生活を蝕んでいくのかが良く分かるだろう。

中でも最後の方でヒロインがドラッグを入手する為に選ぶ選択は、思わず目を背けたくなる。

本当に、ここまで観た後に気分が沈む映画はそう無い。

閲覧注意です。

9.無垢の祈り

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公開直後から話題になっていた作品で、ここ最近の邦画の中では一番の"胸糞映画"だと話題になっていた作品。

配信はおろかレンタルもされておらず、そもそもDVD化も結構な年月されてなかった作品なのだが、1つだけ配信をしているサイトがあり、やっと観る事が出来た。

とにかく暗い。1mmの救いも無い鬱々しさの極みである。

この映画には、"良い大人"が1人も出てこない。

どの人物も自分勝手で、何もしてくれず、主人公の少女を虐げる。

このような現実が世の中にない事を祈りたいが、それは理想論なのだろうか?。

義父が風呂に入りながら少女に語りかける言葉、母親を殴りながら語りかける言葉、その全てが痛々しく、全力で否定したい事ばかり。

流石に、ここまで現実が酷いとは思わないが、似たような事がそんなに遠くない場所で起きていると思うとゾッとする。

劇中に出てくる猟奇殺人犯は少女にとってはヒーローであり、彼女の唯一の救いだった。

それが、この映画の一番怖いところであると思う。

10.エスター

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いわゆる"衝撃のラスト"系で有名な作品。

確かにこの映画に関しては、ネタバレするまで展開が読めなかった。

最初は"呪われた系"の話かと思って観たのだが、実際は全然違くてどちらかといえば"人間系"の怖さが際立った作品で、なかなかゾクゾクさせられる展開を見せてくれる。

ただ、最後のネタバレ以外の部分が印象に残ってるかと聞かれたらそうでも無い(笑)。

しかし、それは要するに鬱系な作品ではなく、誰もが楽しめるようなエンターテインメント性がある作品という事であると思うので、幅広い層の人達におすすめ出来る1作ではあるかもしれない。

11.放送禁止シリーズ

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ごく平凡な大家族を取材したドキュメンタリーや、宗教団体を取材した映像の裏にある隠れた恐怖の真実を探し出すという、フェイクドキュメンタリーシリーズ。

全く期待せずに観たのだが、これが結構良く作られていて数年前に割とどっぷりハマった。

カメラに一瞬映し出されるものや、登場人物の言動から見えてくる隠された事実が分かった時、「おおっ、、!。」と感動すると同時に、ブルっと寒気がしたりも。

最初のシリーズは難易度が高かったのだが、シリーズを追うごとに伏線の張り方が分かりやすくなっており、後々考えないでも裏の真実が見えるような展開になっている。

そこまで重たい作品ではないので気軽に観れるのと、少し頭を使って張られた伏線を見つけていくような鑑賞の仕方が斬新で、これがなかなか観ていて楽しい。

どうしても分からなかった部分は後からネタバレサイトを見て、「なるほど!!。」と腑に落ちたりすることが出来て、謎解き的楽しみ方が出来るのも、この作品の特徴の1つだ。

どうやら新シリーズも出てるみたいなので、今度また観てみようかと思う。

12.奇妙なサーカス

奇妙なサーカス

園子温ホラーは『自殺サークル』が有名であるけども、この『奇妙なサーカス』も中々良い作品。

退廃的なストーリーとメルヘンチックな映像の対比が印象的で、最後の結末も無理矢理ながらも中々驚かされるものだった。

エログロシーンが多数あるので好き嫌いが分かれるであろう作品だが、映像美というか、悪趣味ながらも面白い表現も多くあって飽きずに観れる。

ただ、ストーリーは中々にエグい。

嫉妬、情念、色欲、憎悪、欲望、、、人間の汚い部分を全て抉り出したかのような話の内容は、人によってはぐったりしてしまうだろう。

近年の園子温シリーズはあまり好きになれないのだが、この『奇妙なサーカス』や『紀子の食卓』などの一昔前の作品は、普通の人間が触れてほしくない部分にあっさり手を入れて掻き乱すような内容の物語で、「よくこんな悪趣味な話を、、。」と半ば呆れに近い感心を抱いてしまう。

ホラー映画という感じではないかもしれないが、なかなかぶっ飛んだ恐怖映画ではある。

13.マーターズ

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とてつもない位の"胸糞映画"として語り継がれている悪名高きスプラッター映画。

常軌を逸した拷問の嵐で、全1時間43分が5時間くらいに感じる程に精神を踏みにじってくる作品である。

最初観た時は物語のオチが何なのかよく分からず、「なんだこの気色悪いだけなのに気取った雰囲気の駄作は?。」と怒りすら湧いたのだが、今は何となくこの映画が伝えたい事が分かるようになってきた。

出来ればもう1回観直したいとも思っているのだが、それにも勇気がいるくらい重苦しい作品で、どうにも足が進まない。

何というか、全てを手に入れてしまった人達の身勝手な好奇心というか、"人間使って実験してみた"的な話の内容だったんだと思い返すと分かって、もしかした自分の知らないところでこういう事って実際に起きているのではないかとも感じてしまう。

未だ見つかっていない行方不明者は数多くいるらしいし、「もしかしたら、、?。」みたいに考えると、背筋が凍りつく。

まあ、もし自分が物語最後の主人公みたいな状態にさせられたら、かなり早い段階でショック死すると思うけど(苦笑)。

14.屋敷女

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「この邦題、もう少し何とかならなかったのか?。」というツッコミどころはあるが、数多くあるスプラッター系の中でも群を抜いて良かった作品。

スプラッター系はどうにも"おバカ"というか、全体的にわちゃわちゃした雰囲気があるのが定番だが、この『屋敷女』に関しては全体的に静けさというか、フランス映画特有のアンニョイな雰囲気が漂っている。

それが何とも不思議な感覚で、グロテスクながらも美しさを感じさせるスプラッターは他に類を見ない。

途中、かなりぶっ飛んだ謎の展開が1つあるが、それはご愛嬌(笑)。

ただやっぱりこの作品、"ノーカット"とか"アンレイテッド"とか付いてしまうくらいだから、割と倫理的にマズい事にも踏み込んだ描写が出てくる。

これを「ただ残虐な事をして世間の注目を集めよう!。」みたいな安直な考えでやってしまっているのであれば、いくら"表現の自由"が認められているからといっても「どうなのよ?。」と眉をひそめられて然るべき。

しかし、この作品に関しては物語的に合点のいく説得力があるオチが用意されているので「ああ、なるほどな、、。」という妙な納得感がある。

グロテスクに耐性がある人にはおすすめ出来るが、そうでない人は絶対に観ない方が良い。

特に女性は(苦笑)。

15.凶悪

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ホラー映画ではないが、これも中々強烈な作品だった。

出ている俳優陣もメジャーな人達ばかりだし、結構話題にもなっていたので「何だかんだ言っても、メジャー映画特有のユルい感じなのだろう。」と気楽な気持ちで観てみたら、割とヘヴィでびっくりした覚えがある。

緊張感がある展開の速さでダレることが無いし、「どうなってしまうのだろう?。」と終始ドキドキしながら観続ける事が出来た。

リリーフランキー扮する"先生"の言動が強烈で面白く、しばらく友人との間で小さなブームになってしまったり(笑)。

「肉の焼ける良い匂いがするな〜。」や「よし、ぶっ込んじゃおう。」、「お酒飲ませて殺しちゃうから。」は普段使いしたらギャグにしかならないが(笑)、この映画では身も凍るほどの恐怖を掻き立ててくれる。

そんな先生が、無邪気で楽しそうに繰り広げる"スピリタス強制一気飲みシーン"は邦画史上に残る残虐シーンだと思う。

"ヤクザな世界"には一生関わりたくないなと思わせてくれる、ある種の教訓映画でもある(笑)。

16.インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~

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岩井志麻子著の原作をモチーフにしたホラー。

時代劇的な作風ながら、彩鮮やかな映像美が際立った作品で、残虐シーンが多いながらも、そこまで強烈なグロさは無い。

しかし、"人をじわじわと苦しめる為の工夫"というか、遊郭が舞台という事ならではの身体が傷付かないように苦しめる拷問描写は、ある意味スプラッター的拷問よりも観ていてキツい。

DVDでは監督である三池崇史氏のスペシャルインタビューが特典映像として付いているのだが、そこで彼が語る拷問についての哲学が非常に興味深かった。

三池氏は、拷問というのは"愛"なんだと語っていて、「どうやってこいつを苦しめてやろうか?。」「どうやったらもっとこいつに痛みを与えられるか?。」、それを考えるという事はつまり、"相手の事を考えている"という事なのだと。

「愛の反対は"無関心"であり、相手の事を考えて行う拷問という行為には"愛"があるんだ。」というような事を語っていて、「なるほどなー。」と深く感心してしまった。

まあそんな愛、一生向けられたくは無いですけどね(笑)。

17.鬼畜大宴会

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全くもって人にオススメ出来ない、強烈な1本。

壊れた集団心理の暴走を描いた作品で、泥臭くてリアリティのある映像がそのグロテスクさを更に助長させている。

「そこまでやるか?。」という暴力描写と、"良い人間"が1人も出てこない救いのなさ、主演者に美男美女皆無な"華"の要素を一切排除した映像はストイックさすら感じるほど。

こんなどこまでもアングラで悪趣味な映画を、後に売れっ子となる熊切監督が撮ったという事実には驚かされる。

物語終盤に森や廃屋で繰り返される殺人、暴力、無意味なセックスは、人の精神を掻き乱す全てが詰まっていると思う。

何となく、また怖いもの見たさで再鑑賞したいとは思っているが、配信などはされて無い模様。

置いてあった近所のレンタルショップも潰れてしまったし、ある意味ではまた観なくて済むので一安心かもしれない(笑)。

18.ムカデ人間2

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少しばかり映画に詳しい方ならば、この『ムカデ人間シリーズ』を知らない人はいないだろう。

1作目が出た時、「ヤバい!!。」という評判はあったものの、「期待してたほどグロくないな。」みたいな評判も割と立ってしまったらしく、「だったらもっと強烈なのお見舞いしてやるよ!。」と放ったのがこの2作目だという(確か、、)。

もうその"アングラ根性"というか、攻めのエクストリームな姿勢は好感度マックスである(笑)。

この2作目は、"『ムカデ人間1』を観て強烈なファンになった男が実際に映画と同じ事をやっちゃった"という内容で、まずそのストーリー発想が自虐的で面白い。

またこの主人公の見た目が強烈な事(笑)。

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人を見た目だけで判断するのは良くないけれど、この異形の爬虫類じみたルックスは流石に近寄り難い(苦笑)。

全編白黒映像で構成されているのだが、そうじゃないと観れない程に気持ち悪い描写のオンパレード。

だがしかし、ある意味1番色を付けないで欲しい"アレ"に関してはしっかり色が付いているという悪趣味っぷりには、観ていて思わず吹き出してしまった(笑)。

もうジャケット写真に書いてある通り、余程の好きもの意外にはオススメ出来ません。

しかし、この『ムカデ人間シリーズ』のセンスというか、発想の捻り方は毎回「センス良いなぁ。」と感激させられる。

おバカ映画の部類には入るけども、「これ制作してる人達って多分頭良いんだろうな。」と感じさせられる遊び心が随所に散りばめられていて、観ていて思わずニヤニヤしてしまう。

"恐怖"というよりかは"度を超えたブラックジョーク"みたいな感覚がとても好きですね〜。

19.震える舌

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内容は全くホラー映画じゃないのに、何故かホラー界隈で有名という異色の名作。

幼い少女が破傷風という病気に掛かってしまい、その病気と対峙する家族の物語なのだが、もはや破傷風じゃなくて悪魔にでも取り憑かれたんじゃないかと思わせる少女の狂いっぷりが凄まじい。

「エクソシストかよっ!。」とツッコミを入れたくなるくらいの仰け反り方や、病魔に犯されてグロテスクに変容していく少女の顔は、その辺のホラー映画を余裕で凌駕するほどの恐怖っぷり。

そんな少女の看病に疲れ果て、憔悴しきった家族の様子を観るのもなかなか辛いが、最後には救いがあるので割と感動出来る作品ではある。

ただ、圧倒的に精神崩壊系の要素が強いので、気の弱い方は観ない方が良いかもしれない。

そして、この映画の題材となっている"破傷風"は、実際にある病気。

かなり死亡率も高いらしく、サイトに載っている症状を見る限り、この映画で表現されている症状とそう変わらない事が分かる。

予防接種などもあるみたいだし、現代においてはどの程度この病気に侵されている人がいるのかは分からないが、"すぐそこにあるかもしれない恐怖"である事には間違いない。

土などをいじる時は、気をつけよう。

20.SALO ソドムの市

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悪趣味映画の金字塔的作品。

金持ちが町中の美男美女をかき集めて、変態行為の限りを尽くすといった内容で、"やってはいけない"のオンパレード状態。

倫理観を全て無視した悪行を、爽やかな笑顔と共にいとも簡単に実行してしまう登場人物達には清々しさを感じてしまう程で、もはやギャグにすら見えてしまうほど。

ただ、この映画の本当に怖い部分は、監督であるパゾリーニ氏がこの映画を完成させた後に惨殺されているという事実だろう。

その犯人とされたのは、この映画にも出演していた少年で、彼はパゾリーニ氏から性的暴行を受け、その報復として彼を殺害したという。

しかし、少年1人で実行したとはどうにも思えない程の惨殺っぷりで、陰謀論も囁かれたが真実を暴くことは出来ず、その少年が懲役刑を受けることで事件は当時解決した。

だが後に、犯人とされた少年は「ネオファシストの団体から家族に危害を加えると脅されて偽の証言をした。」と語っているらしく、この映画が持つ黒歴史の闇は相当深い。

上映前に映画のフィルムが盗まれるという事件も発生しているらしく、その犯行も実はネオファシストによる犯行との証言も出ていて、ただの悪趣味映画という観点からではなく、そのような目線でこの映画を観たら、何か違ったものが見えてくるかもしれない。

まあ、2度と観る気は起きないけども(苦笑)。

最後に

背筋が凍てつく最狂恐怖映画20選、如何だっただろうか?。

割とメジャーなものからマニアックなものまで幅広く紹介しようとしたら結構なボリュームになってしまい、本当は10選くらいで終わらせようと思っていたのが倍の20選になってしまった(笑)。

話題作ながらもまだ観れてない作品も多々あり、最近は映画を観ることから意図的に離れていたりもするので、ホラー好きからしたら「あれ紹介しないんかい!。」と思われる部分もあるかもしれないが、そこは寛大な目で見て欲しい。

今回はあくまで個人的主観で印象に残っている作品を取り上げさせてもらっていて、世間的に話題になっていた作品でも自分の印象には残ってないものは敢えて外させてもらった。

例えば、2019年公開の「ミッドサマー」なんかは公開当時かなり話題になり、通常版ではカットされたエクストリームな表現が付け加えられたR-18版を映画館まで観に行ったのだが、正直それほど印象には残らなかった。

もちろん、良い映画ではあったけれど。

だから、割と今回挙げさせてもらった作品は古いものが多く、新しめの作品は無いかもしれないが、どれも自分の脳裏には引っ掛かってるものばかりだ。

恐らく、一気に観てしまうと気が滅入ると思うので(笑)、1日1本程度の鑑賞をオススメするが、どれも映画としてのクオリティは高いものばかり。

Netflix等で配信されている作品も多々あるので、是非探してみて欲しい。

ただし、一生のトラウマを脳みそに刻まれる事になっても、責任は取りません。

本文中でも書いてありますが、中にはかなーーーりヘヴィな作品もあるので、鑑賞には十分な注意を払って下さい(苦笑)。

今回、結構「オススメ出来ません。」って言っていますけど、これ割と真面目に言ってますからね?。

恐怖映画は用法容量を守って正しく鑑賞して下さい(笑)。

さて、今日は久々に何か新しい作品を発掘しようかな、、、。


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