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デイヴ・ロンバード VS ポール・ボスタフ ~結局どっちが凄いのか??~

どうも皆さん、YU-TOです。

「世界で1番好きなバンドは誰?」と聞かれたら、「まあ、SLAYERになるんじゃないかなぁ」と毎回答える。

2001年に開催された "Beast Feast 2001" で初めて彼らのライブを目の当たりにし、"強い衝撃を受けた" というありがちな慣用句では表現しきれない、もはや "トラウマ" と呼んで良いほどの爪痕を心の中に残されて、そこから20年以上もの間 "人生を狂わされた存在" として自分の中に降臨しているバンド。

それが、自分にとってのSLAYERだ。

そんな彼らも、2019年に引退。
(彼らの場合、"解散" という表現は似つかわしくない)。

だからもう既に、SLAYERという存在はメタルシーンにおいて過去の存在となっているわけだが、その存在感は自分の中でも、そして世界中のメタルヘッズ達の中においても変わることはなく、未だ彼らからの影響を口にする若いメタルミュージシャン達も数多くいる。

さてここからが、この記事の本題なのだが、、、。

皆さんもご存知の通り、大まかに見ると(※注.1)SLAYERというバンドの歴史には、デイヴ・ロンバードポール・ボスタフという、2人のドラマーが存在している。

デイヴ・ロンバード
ポール・ボスタフ

※注.1
何故 "大まかに見ると" という言葉を付けたのかというと、ジョン・デッティという2人の代役を務めた存在もいるから。しかし彼はツアーの代役のみで加入はしておらず(多分、、、)、作品のレコーディングには未参加な為、自分は "SLAYERのドラマー"として彼をみていない。

今でこそ、この2人を比べてあーだこーだ言われることは少なくなったが、やはりSLAYERが現役の頃は、派閥のような感覚でこの2人のプレイはよく比較されていたものだった。

デイヴ・ロンバードは、結成当初から在籍し、他メンバーと共に "SLAYER" という唯一無二のエクストリームメタルサウンドを築き上げたオリジナルメンバー。

「何だかんだ言っても、やっぱりオリジナルメンバーが1番!」みたいな定説がバンド界隈ではあるものだが、それは確かにそうで、そのバンドの歴史を0から作り上げたメンバーが、そのバンドの音楽性に1番適した存在であるのは至極当たり前なことだ。

第ー、デイヴ・ロンバードは "エクストリームドラミング" というスタイルをこの世に生み出した存在と言っても過言ではなく、ローリングストーンズ誌選出の【歴史上最も偉大な100人のドラマー】2010年版で、第12位を獲得しているほどのレジェンド的存在として、ドラム界で認知されている。

かのデイヴ・ムステイン(MEGADETH)も、デイヴが最初にSLAYERを脱退した際、「デイヴの居ないSLAYERなんて、スープが入っていないスープみたいなものだ!」という発言をしたとも言われており、他ミュージシャンもそれを認める程に、デイヴはSLAYERの音楽性の根底を担う存在としてバンドに貢献していたのだ。

では、ポール・ボスタフはどうだろうか?。

個人的な意見かつ、極端なことを言わせてもらおう。

ポールは "デイヴの後釜" ではない。SLAYERの "もう1人のオリジナルドラマー" だ。

ただ単に、デイヴの方が他メンバーたちと"出会う時期が早かった" というだけで、もし運命のイタズラ的な何かが作用して、ポールと他メンバーの方が早く出会っていたのなら、年もデイヴとほぼ同い年であるし、ポールこそがSLAYERのオリジナルメンバーになっていた事だろう。

そんな "タラレバ論" を展開したところで歴史はひっくり返らないことは百も承知だが、そんなくだらない事を言い切ってしまいたくなるほどに、ポールはSLAYERの音楽性の発展と向上に貢献した偉大なドラマーなのだ。

そもそも、自分が初めて目の当たりにしたSLAYERのドラマーはポールだった。

その時期のSLAYERが放っていた "現役の暴虐感" は凄まじいものがあり、2001年にリリースされた『God Hates Us All』は、音楽にしろジャケットにしろ歌詞にしろ、エクストリームメタルのカッコ良さの全てを封じ込めたような大名盤である。

翌年の2002年にポールがSLAYERから脱退し、デイヴがSLAYERに復帰した際は自分も含めてメタルシーンが湧きに湧いたが、デイヴ復帰後のSLAYERの作品はどれも "過去の焼き回し感" が強くて、正直自分はそこまで好きになれず、、、。

復帰直後のライブも観に行ったのだが、何だかキレのないイマイチなプレイで、「何だよ、デイヴ・ロンバードってこんなもんかよ?」と生意気にもガッカリしてしまった。

だから、自分にとっての "リアルタイムなSLAYERのドラマー" はポール・ボスタフに他ならず、デイヴに至っては、自分の中では長年に渡り "偉大だとは思うけど別に好きではないドラマー" という、失礼かつ微妙な位置付けであったのだ。

だが、それが最近大きく変わってきてしまい、、、。

今年の3月、デイヴがTESTAMENTに再加入したというニュースがメタル界を騒がせた。

https://www.barks.jp/news/?id=1000216016

デイヴは現在57歳。

メタルドラムを叩く上では、"決して若くない" を通り越して、もう大部分の人は引退しているであろう年齢。

このニュースを観た時、「この人、まだメタル叩くつもりなんかいwww」という、これまた失礼な気持ちを感じてしまったのだが、「今のデイヴってどんなドラミングなんだろう?」と俄然彼に対しての興味が湧いてきた。

「久々に映像でも観てみるか〜」と色々YouTubeを漁ってみたのだが、これがまた衝撃的で、、、。

「デイヴって、やっぱり凄いな、、、」と、今更ながも感心させられてしまった。

確かに、相変わらずリズムの揺れは激しいし、お世辞にも "巧い" とは言い難いドラミングなのだけど、その激しい揺れが生み出すグルーヴと、グイグイと曲を引っ張って突進するようなビート感が凄まじい。

正直、ポールの引退前のドラミングは勢いもグルーヴも失った、いつ破綻してもおかしくない程に危ういものになっていたのだが(それでも彼へのリスペクトは変わらない)、デイヴは今でもほぼ往年期と変わらないドラミングを披露している。

「この人って、一体何者なんだ!?」と思ってしまう程に、生々しい生命エネルギーに溢れた強靭なドラミングをこの年齢になっても披露するその姿に、「すいません、完全にナメてました、、、」と、過去の自分を悔いる程ほどに反省してしまった。

長年 "ポール派" を叫んできた自分ではあるが、これをきっかけにして、デイヴに対するリスペクトがグイグイと上昇してきてしまい、もはや自分が "どっち派" であるのかすら分からなくなってきている。

果たしてデイヴ・ロンバードとポール・ボスタフ、どちらがドラマーとして優れているのだろうか?。

もちろん、「どっちも凄い!」とは言いたいし、この記事を読んでくれている方々も、きっとそう思っている事だろう。

しかし、今回はそんな綺麗事は要らない。

物事には無理矢理にでも白黒を付けさせた方が良いこともある。というか、白黒を付けさせた方が面白いこともある。

だから今回は、デイヴ・ロンバードとポール・ボスタフという2人のドラマーを様々な観点から比べてみて勝敗を決め(※完全なる個人の主観での判断)、最終的にどちらが優れたエクストリームドラマーなのかの決着を付けてみようと思う。

最初に断っておくが、半分真剣、半分冗談みたいな企画記事なので、どうかシリアスにならず、寛大な心を持って読んでみて欲しい。

まあ、最終的な結論は自分の中でもう出ているのだけど(元も子もねぇー 笑)。

さて、偉大なエクストリームドラマー2人の一騎打ち、スタート!。


第1ラウンド スピード対決
勝者:ポール・ボスタフ

これは、もう明らかでしょう。

何故ならば、ポールには天下の "Dittohead" という名曲があるのだから。

BPM的な速さでいったら、確実にSLAYERの歴史上最速BPMのこちらの曲。しかも、見事に2バス連打までしているのだからポールの圧勝。

単純なBPMのスピードというだけではなく、一聴した際に「速い!」と感じさせる瞬間最風速的なスピード感も、ポールの方が上な気がする。

例えば、『Divine Intervention』収録の "Sex.Murder.Art" のイントロに鳴り響く無理矢理捩じ込むように入れてくる2バス連打と、そこから一気にスラッシュビートへ移行した際の切れ味鋭いスピード感。

この一気にエンジンを全開にして雪崩れ込む勢いがあるフィーリングは、BPM以上の "速さ" を存分に感じさせてくれる。

一方で、デイヴのドラミングには少々落ち着いたフィーリングがあり、ライブにおいてポールが叩いていた時代の曲を彼が叩くと、「何かちょっと遅くない?」と感じてしまうことも多々あった。

また、『Undisputed Attitude』で聴かせるパンキッシュなビートには、どのデイヴ時代のSLAYERをも上回る勢いの "暴れさせる" 要素が満載。

https://www.youtube.com/watch?v=RgzkKAb1LNE

ポールのドラミングには、とにかく他を圧倒させる瞬間的爆発力があるのだ。

その "殺気" のようなものすら感じさせる尖ったフィーリングが込められたビートには、実際のテンポ以上のスピード感を聴き手に与える切れ味があるように思う。

よって、スピード対決の勝者はポール・ボスタフ!。

第2ラウンド グルーヴ対決
勝者:デイヴ・ロンバード

"グルーヴ"  という観点から勝敗を決めるのは、スピード以上に感覚的なことでもあるから非常に難しいのだけど、ここはやはりデイヴの方が1枚上手かなと個人的には思う。

少なくとも、「どちらの方が他の楽器が合わせやすいか?」ということだったら、恐らくデイヴのドラミングの方が合わせやすい。

デイヴのドラミングは意外なほどに滑らかで、懐が深いグルーヴがある。

音と音の隙間の取り方がメタルドラマーにしては長く、リズムを "点" ではなくて "線" で捉えているようなドラミングで、聴いていてとにかく気持ちが良い。

決して正確なリズムを叩くタイプのドラマーではなく、テンポの揺れも1曲を通してかなりあるのだけれど、その "揺れ" ですらも "ノリ" に変えてしまう筋の通った歌心みたいなものが、デイヴのドラミングにはあるのだ。

スラッシュビートが疾走しつつもスネアの1打1打がポケットにハマっている感覚があって、最初はそれがモタついているように感じたりもするのだが、これがなかなか聴いているうちクセになってきたりする。

https://www.youtube.com/watch?v=6XlguKEh3LQ

そういったことから、多分デイヴのドラムって1回ノリを掴めてしまえば、バンド側はかなり合わせやすいドラムなんじゃないかと思う。

一方でポールのドラミングは、どちらかといえば "硬い" ドラミング。

それが独自のグルーヴに繋がっている部分もあるとは思うのだけど、どこか流れが分断されてしまっているフィーリングがあるのも否めない。

ポールのドラミングは1音1音が "点" で、その点の1つ1つが重い、みたいなイメージなのだけど、デイヴのドラミングは全ての音が "線" で繋がっているようなフィーリングがあり、ドラミングが丸く、滞らないでずっと循環しているようなイメージ。

ドラムという楽器を演奏するにあたって、1度進んでも元の場所に戻ってくるみたいな "サイクルを作っていく感覚" ってすごく大事で、そういう感覚を "グルーヴ" と呼んだりするのだけど、恐らくデイヴの方がそんな感覚を聴き手に強く抱かせてくれているような気がする。

表現がどうしても抽象的になってしまいざるを得ないが、"グルーヴ" という分野においては、そんな感覚を強く抱かせてくれるデイブが勝ちなのかなと、自分は思っている次第。

第3ラウンド 独創性対決
勝者:ポール・ボスタフ

次は "ドラミングの独創性" という観点での勝負であるけれど、これはポールの勝利。

ポールのドラミングって、本当に真似することが出来ない。

"0からエクストリームドラムを作り上げた" という点ではデイヴの方が創造的だとは思うけど、ポールは「よくこんなフレーズ思いつくよな、、、」と感じさせる変態フレーズの応酬で、完コピ不可能なフレーズも割とあったりもする

やはり代表的なのは、『Divine Intervention』の1曲目を飾る "Killing Field" の冒頭のドラムソロ。

これは、本当に未だ正確に何を演っているのかが分からない名(迷?)フレーズ。

手足のコンビネーションフレーズであることは間違いないのだけど、1つ1つの音が独立しないで、全体が塊になって襲い掛かってくるようなフレーズになっているから、"とにかく凄いことをしている" という情報しか耳に入ってこない(笑)。

また、『Diabolos In Musica』収録の"Stain Of Mind" の2回目サビへ移行する際に叩く3連フレーズは、シンプルながらも唸らせられる。

キックとスネアを3連符で交互に叩き、スネアがウラ2拍3連からオモテ2拍3連へと切り変わる形になっている少々トリッキーなフレーズで、ここで一瞬テンポを取れなくさせて "引っ張る" ことで、次に繋がるサビの爆発力を格段にアップさせているのだ。

重たい頭打ちハンマービートの間にぶち込まれる変則的キックパターンや、鋭いハイハットの開閉もセンス抜群で、曲の猟奇性を押し上げるのに一役買っている。

そんな曲の魅力を存分に引き出すドラミングでも、机上で考えられて作られた感じが全くしないことから、恐らくこれらのことをポールは全てごく自然にアドリブで演っていたのではないだろうか?。

こういうセンスは本当に真似したくて真似できるドラミングではなく、テクニックどうこうというよりは、"センス" がものをいうタイプのドラミング。

形だけをなぞったコピーであったのなら出来なくはないけれど、"ここにこのフレーズを入れようと思うセンス" を真似るのは相当難しい。

ドラムが際立ったプレイではあるものの、あくまでも楽曲に対して反応したアプローチになっていて、ドラムだけが浮いたプレイにはなっていないというのも特徴的。

テクニックと経験と、類まれな音楽センスが極まったハイセンスなエクストリームドラマーだ。

第4ラウンド フィルイン対決
勝者:デイブ・ロンバード


"デイブといったらフィルイン" とも言えるほどに、デイブが叩き出す独特のうねりがあるタム回しには他の追従を許さない個性がある。

特に小難しいことを叩いているわけでもなく、叩いていること自体はシンプルなのだけど、硬さのない流れるようなフィーリングと1打1打をきっちり鳴らし切るパワフルさは見事としか言いようがない。

https://www.youtube.com/watch?v=3ivOfkqFmxg

動画を見ても分かるように、デイブはタム類をかなり傾けてセッティングしているのが特徴的で、これによってスネアからタムの打面までの距離が少なくなり、高速でのフィルインが叩きやすくなる。

一般的なドラマーにとっては、腕が完全に伸び切る前にタムをヒットしてしまうので、大きな音が鳴らしにくいセッティングではあるが、デイヴほどフィルを連発させるドラマーにとっては、このくらいにしないと逆に叩きにくくなってしまうのだろう。

それでいて、またタムがデカいし深い。

1番大きいのものはスネアより大きいのではないかと思うほどの口径で、これを高速で叩いてここまで鳴らすのは至難の技。

ただ単に1拍4連打ずつ順番にタムを叩いているだけなのに、どうしてこうも歌心というか、抑揚を感じさせることが出来るのだろうか?。

デイブのタム回しには、微妙に音をクレッシェンド(音をだんだん大きくしていくこと)させているようなニュアンスがあって、それが独特のフィールに繋がっているとは思うのだけど、恐らく本人は無意識でこれを演っている。

スネアロールには16分ウラに少しだけアクセントを入れているようなニュアンスもあり、これによってリズムにウネリが出来て、硬くない柔らかで自然なフィーリングを曲に加えることが出来ていると思うのだが、恐らくこれも本人は無意識。

"フィルイン" の語源は "フィールイン" から来ているのだが、デイブのフィルインは正にこの語源通り、各セクションの節目に "フィール" を加え、曲をスムーズに流す役割を果たしている。

ポールのフィルインは独創的ながらも、やはり少々硬い印象があり、時として曲のノリをぶった斬ってしまうこともある印象(そこが彼の個性であったりもする)。

しかし、デイヴのフィルインはあくまでもセクションの変化を分かりやすく伝えるような、"合いの手" 的な分かりやすいフィルインで、聴き手の心を踊らせる躍動感に満ちている。

それは、"フィール"  が語源である "フィルイン" のあるべき姿とも言え、そのフィールを聴き手にもしっかりと伝えられる "暖かみあるエクストリームドラム" とでも呼ぶべきデイブのドラミングは、やはり唯一無二。

最終ラウンド 正確さ対決
勝者:どっちもどっち(笑)


最後は、"リズムの正確さ" での対決だが、これはもう引き分けというか、正直どっちも正確ではない(笑)。

これはライブだけではなく音源においてもそうで、2人とも恐らくレコーディングでもライブでもクリックを使っていないことから、曲の最初と最後で全然テンポが違うということもざらにある。

デイヴの方はスタートダッシュが速く、その後緩やかにテンポが下降していくタイプで、ポールは1曲の中で極端にダッシュと失速を繰り返すタイプ。

2バス連打に関しては、デイヴの方が粒立ちの安定した連打であるように感じるが、2バス連打になるとあからさまにテンポが落ちたりもする(笑)。

ポールはテンポこそ落とさないものの、「これ、踏めてなくない、、?」と感じてしまうほどのバラつきがある連打で(音質のせいもあると思うけど)、昨今のエクストリームドラムの価値観で聴いてしまうと、"下手くそ" の烙印さえ押されかねないほどの粗が目立つプレイ。

「何だ、お前は最後の最後にレジェンド達をディスるのか?」とも言われかねない問題発言を連発しているが(笑)、自分が言いたいのはそういうことではない。

じゃあ、そのプレイの荒っぽさが "カッコ悪い" に繋がっているのかといったら、全くもってそうではなく、むしろ逆なのだ。

お互いベクトルは違えど、この2人が叩きだす人間味に溢れた荒々しいプレイこそが、エクストリームドラミングの極みなのである。

ドラムのレコーディングでクリックを使うことが当たり前になり、もう初めからそれありきで話が進められるのが昨今のドラム界で、挙げ句の果てには音源のドラムは全て打ち込みというケースもかなり多くなってきた。

別にそれはそれで良さもあるのだが、やはりこの2人が人力で叩き切る真の意味でのエクストリームなドラミングの迫力には到底及ばない。

例えリズムが揺れようが、2バス踏めてなかろうが、関係なしに突っ走り、その揺れや気持ち悪さをも個性にしてしまうようなエグ味があるドラミングは、杓子定規的に整えられたエクストリームドラムに慣れてしまった自分の耳に、いつだって鉄槌を喰らわせてくれる。

もしかしたら、もう現代においてはこういうドラミングは表現出来ないかもしれないし、"この時代だからこれでよかった" みたいな部分もあるとは思うけれど、こういう "人間にしか表現できない過激さ" は、いちエクストリームドラマーとして忘れたくはない。

だから正確さにおいては、デイヴ、ポール共に優秀とは言えないが、"人力が出す得体の知れないエグいパワー" という観点では、2人は引き分け、100点満点だ。

結果発表

デイヴ・ロンバード:勝2負2引1
ポール・ボスタフ:勝2負2引1

同点引き分け


はい、すいません。
もう最初からそのつもりでした。

大体、この2人を比べてどっちが勝ちか負けかなんてあるわけがない(笑)。

ベクトルが違えど、やはり2人の凄さ、カッコ良さは名実ともにレジェンド級で、どちらも変わらない。

ただ、ポールはもう現役を引退しているみたいだけど、デイヴは未だ現役。

その点においては、もしかしたらデイヴの方が "勝ち" なのかもしれない。

だけど、"SLAYER" というバンドの有終の美を飾ったのは、結局はポールだったのだ。

この2つの事実を見比べてみても、「いや、どっちも凄いわ!」という考えしか結局自分には思い浮かばなかった。

デイヴもポールも、幾度となくSLAYERから離れているのに結局は呼び戻されてをお互いで繰り返していて、そんなことを繰り返すドラマー2人など、他に見たことが無い気がする。

2人の脱退後は、ケヴィン・ターリーやデイヴ・マクレインなどの強豪達もこぞってオーディションを受けていたらしいのだが、結局は「合わない」という理由で、どのドラマー達も加入には至らなかった。

サポートで参加していたジョン・デッティも、どんな理由があってなのかは分からないが、レコーディングに参加するまでには至らなかったし(実は、総合的なドラム技術は彼が1番高いのだが、、)、SLAYERの他メンバーも、自分達のドラマーはデイヴとポールしかいないということを分かっていたのだろう。

だからもう、"SLAYERにはオリジナルドラマーが2人いた" ということで、メタルの歴史に刻まれても何ら問題無いのではないだろうか?(笑)。

これからは、"どちらもオリジナルドラマー"、そういうことでよろしくお願いします(笑)。

そういう、無茶苦茶なことがあっても良いじゃないですか、だって無敵の帝王なんだから。



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