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メタルドラマーが真面目に教える8分音符と8ビート

どうも皆さん、YU-TOです。本日もレッスン記事を配信します。

今回は8分音符と8ビートです。もう言わずもがな、ドラムにおいての基礎の定番ですね。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、わたくしYU-TO、ヘヴィメタル、それも中々激しい部類に属するデスメタル、メタルコアなどのエクストリームメタルと総称される音楽をプレイしておりまして、、、

そんな音楽のドラムといったもう”高速2バス” ”超絶ブラストビート” ”ハイパーフィルイン” ”高速ポリリズムチャグ”  なんていう名前からしておっかないフレーズのオンパレードなわけでございますが、、

そんなとこに属しているドラマーなものだから当然の如くそれらの超絶フレーズのレクチャーを求められる事が多いですがはっきり言いますと

基礎に裏打ちされてない超絶フレーズほどカッコ悪いモノはない

ですね。

もちろん、基礎的な事より派手な事に目がいってしまうのは非常にわかります。エクストリームメタルの派手なフレーズは人に凄さが伝わりやすく、ある種の感動を与えやすいフレーズで、それがこの手の音楽の美学だったりもします。

しかし、世界で活躍するエクストリームドラマーはド派手なフレーズを繰り出すだけでなく、必ず土台を支える基礎的なテクニックがしっかりしています。

ドラマーというのは楽曲の土台を支え、他メンバーを"ノラせて"しっかりとその楽曲を聴いてる人に届けるという役割があります。

これは全てのジャンルで共通するドラマーの原則です。

その原則を忘れて"ただ凄い派手な事をやる"のに偏ってしまうとそれはもうドラマーではなく、曲芸師です。

超絶なフレーズを繰り出してもリズムがブレず、しっかりと一つ一つの音を発音し、他メンバーが拍を見失う事の無いように楽曲を支える、、、

これが出来て初めてエクストリームドラマーと言えます。

その為にはドラムにおいての基礎を徹底的に見直し、自分の血肉にしていく必要があります。

そんな感じで今日はドラムの基本中の基本、8分音符、そして8ビートのレッスンをやっていきたいと思います。

Lesson1.8分音符とは何か?

8分音符とは1拍の半分の長さの音符、つまりは1拍の中に二つ入る長さの音符です。

8ビート-1のコピー

譜面では上の写真のようにつなげて記される事が多いです。

4分音符を1、2、3、4(ワン、ツー、スリー、フォー)とカウントしたとすると8分音符は1en2en3en4en(ワンエンツーエンスリーエンフォーエン)とカウントします。

この"en"の部分は8分ウラと呼ばれ、ここをしっかりと感じ取れるかどうかでこの後出て来る8ビートのクオリティが変わってきます。

Lesson2.8分音符を叩いてみよう

では、早速8分音符を叩いてみましょう。

と、その前にここで前回のレッスン「ドラミングを構成する4つのストローク」をまだチェックしていない方はチェックしておいてください!

この4つのストロークの中のダウンストロークとタップストロークを使って8分音符を叩いて見ましょう。

8ビート-1

※テンポはゆっくりと60BPMくらいで

EX1の1小節目は8分音符のオモテにアクセントのついたもので、手順は右(R)左(L)交互に叩き、下に記してあるDはダウンストロークTはタップストロークになります。

2小節目はアクセントが8分ウラになったもので、手順は変わりませんがダウンストロークとタップストロークの順番が逆になっています。

このEX1の大事なポイントは、1小節目は左手のタップストロークと同時に右手を上げ2小節目は右手のタップストロークと同時に左手を上げるという事です。

もしかしたらそんな事を意識しなくてもそういう動きになっているかもしれませんが敢えてスティックを上げるタイミングをしっかりと意識してみましょう。

加えて自分で1en2en3en4enとカウントを言いながら叩ける様にしましょう。

テンポが速くなってくるとダウンストローク部分はフルストロークで叩いた方がより効率的に叩けます。※下動画参照

2.4分音符で鳴ってるクリックを8分ウラで聴こう

クリック(メトロノーム)の"カッカッカッカッ"という音は一般的には4分音符で聴くものですが聴き方を変えて8分ウラ(1en2en~の"en"の部分)で聴いてみましょう。

8ビート-2

初めはスティックを8分ウラで叩く感覚で叩き、そこからそのスティックの音を4分に感じれるようにしていくと良いです。

スティックを叩きながら自分で1en2en3en4enとクリックを8分ウラで聴きながらカウントを言えるようになれれば最高です。

慣れてきたらクリックを8分ウラで聴きながら先程のEX1を叩いてみましょう。

Lesson3.片手で8分音符を叩く練習をしよう

両手で8分音符が叩けるようになったら今度は片手で8分音符を叩いてみましょう。

8ビート-2

EX2の1小節目はオモテにアクセントがついており、ストロークはダウンストローク(D)→アップストローク(U)の順になります。

2小節目は8分ウラにアクセントがついており、ストロークはアップストローク(U)→ダウンストローク(D)の順になります。

各1小節を繰り返す場合はこのD→U、U→Dのストロークの繰り返しで良いのですがこれを2小節続けて叩く場合だと譜面下に記載してある通り、各小節最後の音のストロークに変化が生じます。

まず1小節目最後の8分ウラがタップストローク(T)になります。この音が前拍と同様にアップストロークになってしまうと、次の小節の最初のアップストロークとダブってしまい、非常に効率の悪い動きになってしまいます。

だからここはタップストロークで一度動きを止め、次のアップストロークに繋げる必要があります。

2小節目の最後のストロークに関しては2小節で完結する場合はこのままダウンストロークで終わる形で大丈夫ですが、もしまた1小節目のオモテのアクセントに戻る場合、最後の音は()に記したフルストローク(F)になります。

上の動画での動きを確認してゆっくりなテンポで一つ一つの動きを確認しながら確実にものにしていきましょう。

ダウンストロークはしっかりと低い位置で止め、タップストロークは上げずに低い位置からそのまま落とす、アップストロークは" 小さい1発と同時に上げる"という意識を忘れないようにしましょう。下の映像は一つ一つのストロークが曖昧になってしまっていて、動きと音にメリハリが無い悪い例です。

一つ一つのストロークの動きをハッキリとさせて、メリハリのある音で叩けるようにしましょう!

Lesson4.8ビート(バックビート)を叩いてみよう

8ビートとは8分音符を基調としたドラムのビートで、最もポピュラーなドラムビートの一つです。

基本的には4/4拍子でハイハットをチッチッチッチッと8分で刻み、2拍目と4拍目にスネアが入るパターンが多いです。

この2&4拍目にスネアが入るパターンをバックビートととも言います。

この8ビートですが、実は意外と定義が難しいです。

ハイハットを8分で刻んでるものが8ビートと称される事が多いのだけれども実はそのビートが何ビートかという事を決めるのはバスドラムであるという人もいます。

例えばハイハットは8分で刻んでなくともバスドラムが8分ウラに入ったりして"8分音符を強く感じさせるビート" だとしたらそれは8ビートであると定義出来るし、逆にハイハットが8分音符で刻まれていてもバスドラムが16分ウラなどに入ってきて"16分音符を強く感じさせるビート"になっていたとしたらそれは16ビートであると定義出来ます。

なので結局はどの音符を強く感じさせるかで何ビートかは決まるという事で、それを司っているのはビートの土台であるバスドラムという事なのだと思います。

とりあえず今回はハイハットを8分で刻み、2&4拍にスネアが入るバックビートのパターンの8ビートを練習してみましょう。

先ずは上半身のパターンのみで練習してみましょう。

よくある定番のパターンでハイハットをオモテにアクセントを付けて8分音符で刻み、スネアは2&4拍目に入ります。

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先ず右手は先程の片手で叩く8分音符と同じストロークでダウンストローク→アップストロークの順になります。

ダウンストロークは低い位置でしっかりと止め、次のアップストロークまで動かないようにしましょう。

叩く場所がハイハットになるとアップストロークの直前にスティックを手首で少し上げてしまう人が多いのですが、ダウンストロークで止めた位置からそのままアップストロークで腕を引き上げてスティックを当てるようにしましょう。アップの音が大きくならないように注意!

右手のアップストロークと同時に左手を上げると効率良く叩けます。

続いては8分ウラにアクセントが来るパターン

note譜面-1のコピー

右手のストロークはアップストローク→ダウンストロークの順となります。

このビート、やってる事はシンプルだが実はめちゃくちゃ難しい。

ポイントは左手を上げるタイミングで、右手のダウンストロークと同時に左手を上げ、右手のアップストロークと同時に左手がダウンストロークになります。

先程のハイハットがオモテのアクセントの時は右手のアップと同時に左手も上げる形でしたが今回は右左で相反する動きをしなければならないのです。

右手のダウンストロークと同時に左手のスティックを上げると右手のダウンを低い位置で止められず、スティックが上がってしまいがちになりが、左手を手首だけで上げるようにしてスティック同士がぶつからない様にし、右手はしっかりと低い位置で止められる様にしましょう。

また、スネアのヒットと同時にハイハットのアップストロークが入るので勢いよくスティックを上げすぎてハイハットの音が大きくなりがちですが、あくまでアップストロークの音は小さく叩けるように気をつけましょう。

Lesson5.上記2パターンに足も入れてみよう

手のみで叩ける様になったら今度は足を入れましょう。

1小節目はオモテ、2小節目はウラにハイハットのアクセントが付いてます。

2小節続けて叩く場合はLesson3でやった事を思い出し、小節最後の音符のストロークの変化に注意しましょう。

定番なのはこちらの6パターン。

8ビート-2のコピー

4分音符をキープするパターン。

8ビート-2のコピー2

8分ウラをキープするパターン

8ビート-3

お馴染みなドンパンドドパンのパターン。

8ビート-3のコピー

スネアのすぐ後の8分ウラにキックが入るパターン

8ビート-3のコピー2

2&4拍のスネアを繋ぐ様にバスドラムが8分ウラに入るパターン

8ビート-3のコピー3

3発キックが入って来るパターン

上記のパターンをゆっくりなテンポで良いので全てやってみてください。

どのパターンでも必ず上半身のストロークに乱れが出ない様にし、ダウンストローク、アップストローク、タップストローク全てを明確にはっきりと叩ける様にしましょう。左手を上げるタイミングも注意!

そして全てのパターンを叩けたら今度はクリックを8分ウラで聴きながら、そして自分で1en2en3en4enとカウントを言いながら叩ける様にしてみよう。

より強固な8分音符の感覚が体に入る良い練習になります。

Lesson6.最後に

ここまで8分音符と8ビートについてのレッスンをやってきたが如何でしたでしょうか?

今回の8分音符と8ビートの練習は初心者のみならず是非それなりに経験を積んだドラマーにもやってもらいたいです。

正直やってる事は超簡単ですが、これらの事をクリックを8分ウラで聴き、自身でカウントを言いながら4つのストロークを意識して叩くのは容易な事ではありません。

ただそれらの事を意識して取り組み、自分の血肉にしていく事でドラムの音、ビートの説得力、間の取り方などが確実に変わっていきます。

「この人のドラムは何かが違う」と感じさせる要因はこのようなシンプルな事を形だけで何となく出来たレベルで投げ出さず、しっかりと深く突き詰めていった結果だと思います。

当たり前に出来ていると思っている事を時には疑い、見直してみることも大事です。

今回のレッスンがそんな事のきっかけになったら嬉しいです。自分も日々基礎を見直し、より説得力のあるドラマーを目指していきます!

ではまた次のレッスンで!


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