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【詩】眠ったままの海

海の水を全部抜いてしまったら
底には何があるのだろう

どれくらいの船が 沈んでいるのだろう
どれくらいの手紙が 隠されているのだろう
どれくらいの指輪が 待っているのだろう

消えないのに 消そうとして
見つからないように 隠そうとして
それで 忘れようとする

暗くて冷たい水の中には

どれくらいの記憶が 眠っているのだろう
どれくらいの後悔が 漂っているのだろう
どれくらいの涙が 混ざっているのだろう

水面みなもに光を閉じ込めて
見えないように反射させている

あの美しい水面は
隠すための優しさなんだね


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