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【物語】ひと夜の煌めきでも

ひと晩しか輝けない星があった。

生まれた星は、ひと晩、全力で輝いた。
誰かにうとまれても、誰にも見つけてもらえなくても、全力で輝いた。

ひとりの天文学者が、その星を見ていた。

昨日の晩には、なかった星。その星が放つ光に魅せられた。

学問の道は、険しく儚い。情熱を持って追い求めても、人の役に立たなければ、必要ないとみなされる。

いつの日にか情熱は消え、与えられた作業をこなす日々。

なんのために生きているのか。
自問自答する。

その日も夜空を見上げ、自分にいていた。

そこに、昨日までなかった星が現れた。自分の存在を示すように、まばゆくきらめいている。

あれは、なんだろうか。
そう思うのと同時に、身体中を好奇心が駆け巡った。

天文学者は、思った。
あぁ、私は空が好きなのだ。
子どもの頃から、ずっと空が好きなのだ。

天文学者は、その星に『希望』と名付け、世界一の天文学者になることを決めた。

たったひと晩しか輝けない星があるのなら、その星を、私が世界に知らせよう。そう決めた。

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