SEX PISTOLSと私

今さら自分が言う事でも無いがSEX PISTOLSがあらゆる方面に与えた影響は凄い。
音楽、ファッションは勿論やけど音楽に繋がる全ての文化に何かしら影響を与えていると思う。推測やが飲食業界にも影響を与えているのではと思っている。(SEX PISTOLSマニアの大将が営む蕎麦屋「SUBMISSION」なんてのがあったらそれは食べに行ってみたい)

自分がピストルズと最初に出会ったのは音楽では無くポスターでした。幼少期から自分が両親に連れて行ってもらうのは遊園地や動物園では無くミナミ。難波とアメ村なのでした。(親の教育方針か趣味か、とにかく感謝である)
待ち合わせ場所だけ決められて一人でウロウロ。そんな中で自分なりに面白そうなお店を見つけたら入ってました。まだ子供なのでとにかく当時多かった雑貨屋やアメトイのお店をメインに見に行ってましたが、その時にどこのお店かで壁に貼られたピストルズのポスターが目に飛び込んできました。
「なんか分からんけど、この人らカッコええな」バンドとも分からんかったけどポスター見てカッコええと思ったのは何となく記憶に残っている幼少期の思い出。

確かこんなポスターだったはず


時は流れて中学生。意外な形と方向でピストルズの、いやメンバーの事を知る事に。それはWOWOWで放送された前田日明の引退試合のエンディングでした。そのエンディングは過去の前田さんの試合の名シーンの映像を組み合わせた物だったのですがそのBGMがシド・ヴィシャスが歌うマイウェイだったのです。
バンドの方じゃないのかい、いきなりシドの方かいって話ですが当時プロレスにハマり始めた頃で、昔の前田さんの映像も簡単に観れなかった時に過去の名勝負の映像と共にバックで流れるマイウェイはあまりにも衝撃的で後にタイトルを知った時に「前田日明の映像にマイウェイ、なるほどなぁ」なんて一人で感心してました。

カッコええですね、前田日明


その後にプロレスと並行してロックを聴き始めたと同時に服にも興味を持つようになりました。
その頃、アメ村にはパンクな服屋がまだ沢山あった頃だったのですが自分の初めてのパンクショップは中学3年の春休みにたまたま入ったSICK BOYでした。ここでバンドの事も全く知らないけど刺激的なデザインのパンクファッションに目覚め(初めて本物の鋲ジャンを見たのもここでした)パンクを聴くようになりました。初めてSICK BOY行った帰りにやっとピストルズを買ったんです。「バンドTシャツ着たりバッジ付けるなら曲を聴いてから」みたいな考えが当時から未だに続いています。一緒にCHAOS U.K.のバッジをデザインだけで購入したけど音源を聴くまでは付けてませんでした(笑)
この時、既にたまたまラジオで聴いてたスターリンの記憶もあったので初めてちゃんと聴いたピストルズは刺激的というより普通のロックだなぁと感じたのを覚えてます。
「もっと激しいと思ってたけど、嫌いじゃない」この位の印象だったのです。

当時購入したCHAOS U.K.のバッジ


SICK BOYをきっかけにパンクを聴くようになったある日、「ピストルズの映画が公開される」という話が耳に入ってきました。
それがあの「no future」だったのです。
動くピストルズが映画館で観れるなんて!と、僕はSICK BOYで購入したシド・ヴィシャスがプリントされたパーカーとタイガーのジップパンツ(当時あまり見かけなかった紫のチェック)にコンバースを合わせて意気揚々と映画館へ向かいました。場所は今は無きソニータワーの地下。
ドキドキしながら席に着き、上映時間を待っていたらモヒカンにボロボロの軍シャツ、ボロボロのジップパンツにボロボロのマーチン手にはワインの瓶という映画館では絶対見かけないであろうパンクスが俺の後ろの席に。何故だ、めちゃくちゃ空いてるのに何故真後ろに座ったんだと映画とは違う謎のドキドキに襲われる状態。
しかも何故かパンクスから「飲む?」と瓶のワインを勧められる。年齢的にも体調的にも飲めなかった俺は「あっ、お酒飲めないんですよー」と丁重にお断りした所で映画スタート。

横向きのシドバージョンのポスターもあった

画面に映るピストルズはそれはもう刺激と衝撃の連続でした。
ずっと聴いてた曲の本当のカッコ良さをこの時やっと知れたと思いました。パンクの服をずっと着てたいと思った決定的な瞬間はこの映画を観た時な気がします。
しかもシドがマイウェイ歌うシーンでは人生の伏線回収されてる状態。
「動くセックスピストルズ」は高校1年生のナカヨシをいとも簡単にパンクに洗脳したのでありました。

前田日明の引退試合のあれは俺が歌ってたやつやでー


あれから約20年、当時より色々バンドも知り悲しいかな年齢を積み重ね太ってしまったけどピストルズを聴くとやっぱり
「no future」
って言葉にドキドキするし刺激を貰えますね。

因みに当時は「GOD SAVE THE QUEEN」が好きでしたがここ数年は「Pretty Vacant」がお気に入りになりました。

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