幼児もAIも学習とは出力と入力の循環である
9歳と6歳の甥っ子たちは今ではよく話すが、当然、もっと小さい頃は全然話せなかった。子どもが初めて言葉を話す過程は、脳に情報が入る「入力」と声帯の筋肉を動かす「出力」の循環である。
①声帯を震わせて「アー、ウー」等の声を発する(=出力)
②耳を通して①で発した自分の声の情報が脳に入る(=入力)
③②の情報を元に再び声を発する(=出力)
つまり、出力を通して得た入力が出力を生むわけだ。
大人が物事を学ぶ過程も同じだ。
①手を動かしたり、話したり、複雑な一連の行動(仕事や人付き合い等)を行ったりする(=出力)
②①により情報を得たり、間違いに気づいたり、周辺の環境が変わったりする(=入力)
③②の情報を元に修正した①をする(=出力)
人から話を聞くだけ、本で読むだけ、ネットで情報を漁るだけでは学べない。わかったつもりはわかっていないことが殆どだ。
自分で話し、書き、考え、手を動かし、触れてみて、試し、生じた変化を観察し、それらを繰り返すことでしか、物事は身につかない。
やりっぱなしもいけないが、やってみないのはもっと悪い。
つらつらと書いたが、要は物事を学ぶのは自分でやってみるに尽きる。
生成系AIも学習方法は似ている。
ChatGPTはユーザーの入力テキストによってテキストを出力し、ユーザーからGoodかBadの評価を受けたり、出力したテキストに反応してユーザーが別の入力テキストを入れる繰り返しが生まれる。
DALL・E2という画像生成AIはユーザーの入力テキストから画像を複数作るが、生成された画像の中でどの画像がダウンロードされるのか、別バリエーション生成が求められるのかによって、どのような画像が好まれるを学習していると思われる(私ならそうする)。
というか、出力と入力の循環による学習は放っておいても動くので効率的であり、個体の適切な学習方法を求めるとそうなる、というだけの気がする。我々は一神教の神様でないので、自ら学び取っていくしかないのだ。
ChatGPTにAIの定義を5文字以内で聞いたら、"Machine intelligence that mimics human."(=人間を模倣する機械知能)と返ってきた。AIが人間と類似の方法で学習するのは当然かも知れない。
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