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必要な石

馴染みのない人にはトンデモ話に聞こえるかもしれませんが、私がいつも石を買うお店のバイヤーさんは、石と話ができる人です。彼女は一年のうち半分近くを海外で過ごしていて、世界各地で行われるミネラルショー(鉱物の祭典)で買い付けをしたり、インドのジュエリー工場でリングやペンダントをデザインしたり……、まさにクリスタルと共に生きています。うらやましい!!
 
彼女は、石についていつもこんなふうに話します。

「例えば、ここにいくつかのローズクォーツがあったとしますよね。どれも同じように見えるかもしれませんが、一つ一つエネルギーが異なるんです。性格も違うんですよ」

この「性格」っていう表現が私は好きで、彼女は石を一つの生命体、あるいは魂の宿る存在として見ているんですよね。すごく素敵です。石に限らず、植物でも動物でも同じ目線で接すると、何か通じ合えるものがありますがmそれと似たものなのかもしれません。「繋がる」ということ。

私は小さい頃から石が好きで、大人になった今も気に入ったものをぼちぼち買い集めています。いや、ぼちぼちってレベルじゃないな。はっきり言ってガッツリ買っています。個数は少ないんだけど、単価は結構行きます。そのために仕事をしていると言っても過言ではないほどです……!!そして、買った石を眺めたり触れたりしてニヤニヤしています。至福の瞬間です。
 
 
上の写真は、みんな「ローズクォーツ」と呼ばれる石です。ピンク色の水晶ですね。産地は様々で、ブラジル、マダガスカル、アフガニスタン、アメリカ、日本……世界各地で採掘されます。はっきり言ってありふれた石です。

ありふれた石と言っても、このピンク色の正体はいまだにはっきりとは分かっていないそうです。チタンや鉄、マンガンによるものという説が有力ですが、やっぱりアルミニウムなんじゃないかという話もあったりして、明確ではありません。
 
ローズクォーツは基本的にはピンク色ですが、色合いはかなりバラエティに富んでいます。上の写真にもありますが、茶色がかっているもの、パープルに近いもの、乳白色に近いもの、鮮やかなピンク色、本当にそれぞれ個性があります。

ローズクォーツのエネルギーは、「安定」です。よく、女性らしい石だとか、美容によさそうな石だとか色々言われていますが、もっと根源的な役割は「安定」。つまり「ハートに集中する」ことではないかと感じます。
 
ローズクォーツを手にしていると、敏感な人は胸が楽になる感覚を覚えるかもしれません。この感覚はとても大切。ローズクォーツに限らず、人に対しても場所に対してもモノに対しても、「胸が楽になる、ほっとする」という感覚は、大体にして「OK」というサインです。逆に、胸が萎縮したり、きつい感覚になってしまった場合は、少し注意した方がいいかもしれません。いずれも非常に微かな感覚なので、はじめは意識して感じることが大切です。
 
私にとってローズクォーツは、「必要な石」。自分を見失いそうになるとき、不安なとき、忙しいとき、つまり自分の中心が定まらないときになんとなく握ってみると、すとんとエネルギーが落ち着いて、自分を元に戻してくれる感覚があります。
 
基本的に、石に限らず植物でもそうなんだけど、自然のものって自分を本来の状態に戻してくれますね。ローズクォーツは特に、その働きが分かりやすいんじゃないかな。

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