かつての失敗と経済不況

数年前のある日のこと。
一緒に起業していた友人と久しぶりに連絡をとり、話していました。

起業していた会社をたたみ、
友人はそのまま別会社を起業、
私は会社員としてまた働き始め、
数年が経った頃のことです。

「新しい商品を開発したので、シェアを取りたいと思ってる。
 営業して取ってきてくれない?」

そんな話が来ました。

私自身、友人と起業する前は、
大手広告企業の営業をしていたので、
そのときのことを知っている友人から、
代理店として営業してくれないかという連絡でした。

そのときは会社の仕事がそこそこ忙しく、
休みの日や空き時間を使うしかなかったため、
どうするべきか躊躇しましたが、
新しいことをやるのが好きな私は興味が先行し、
やるという話にまとまりました。

「いいね、それ1件とったらどのくらいマージン入ってくるの?」

などと、楽しく話をしながら盛り上がったわけです。

そこまでは良かったのですが、
恥ずかしながら、その頃の自分は、
大学でもマーケティングを専攻し、
営業職も経験していたにも関わらず、
マーケティングについて分かっていなかったのです。

マーケティングとセールスの違いも分からず、
かつて学んだ知識は机上の空論。
勢いで営業していた私はやがて現実を知ることになります。

売れない・・・
いや、それ以前に話を聞いてもらえない・・・

代理店販売と言っても、一会社員ですから、
友人の会社の名前を使いますが、
実績も何もない状態です。

その中でいきなり売り込みに入るわけですから、
いきなり「私と一緒に暮らしませんか?」と
初対面の人に言っているようなものであるわけで、
厳しい現実を突きつけられました。

もちろん景気の良い状態であれば、
それでも反応は違うこともあります。

売り込まれる側も余裕があるからです。

しかし、長引くデフレ不況の状態では、
そんなことは起きるはずもなく。

その後、私はメンターを探し、
マーケティングを教えていただくために
コンサルを受けたわけですが、
そのときに自分の愚行がよく分かりました。

もっと言えば、
そのとき初めて、
本当の意味でのマーケティングを知ったわけです。

そして、
知らないということ
知っているつもりになること
は本当に怖いことだなと思いしらされたわけです。

さて、話は戻り、
その友人の商品の代理店営業を合間でしていた際、
最も実感したのは、
通常の営業で行うようなファーストアプローチは、
無名の商品やサービスでは通用しないということ、です。

今ならそのときの自分の愚行はよく分かりますが、
自分が広告営業時代に行っていたようなアプローチは、
無名の企業や商品・サービスでは難しいということ。

そのために、マーケティングというものが存在するということです。

そして今年、
大きな経済不況が訪れようとしています。

この状況では、
通常であれば売れるものも売れなくなってくる。

昨日まで売れていたものが、
急にパタっと売れなくなることがありえるわけです。

そのときに大切になってくるのがマーケティングをしているかどうか。
とはいえ、巷の本に書かれている横文字ばかりの内容のことではありません。

今はもう、急いで対策をしなければならない段階に来ているのではないかと思います。


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