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新しい生活様式ならぬ、洗濯様式

はじめまして、新しい洗濯様式。(生活様式、の間違いではない)

太平洋側で育ったわたしが人生ではじめて日本海側に移住し、文化の違いに苦しんだことのひとつが「洗濯」。
晴れた日に、柔軟剤の香りの洗濯ものをパンッと伸ばして干すのが好きだ。
取り込む時のお日様の匂いもまたいい。
面倒だけれど、洗濯は嫌いではない家事のひとつだった。

新しく住み始めた家は、洗面所がやたらと広い。
3畳はあるのではないか。頑張れば住める。節約派のわたしだが、浴槽と洗濯機が遠すぎて風呂の残り湯で洗濯ができない。さらに、エアコンまでついている。
そして、天井から釣り下がる物干しざお二本・・・

湿気が多く、天気が変わりやすく、海沿いの強風と潮風、また極寒で乾かない冬、などいくつもの条件が重なった結果、こちら(日本海側)の人はあまり洗濯物を外には干さないらしい。
なんてこった。
意地でも外に干してやると思っていたが、梅雨時期に移住したわたし。移住後二週間、天気を見て、諦めた。天気予報、変わりすぎ。雨、突然降りすぎ。しかも、土砂降りすぎ。

慣れない部屋干しで頑張るも、IKEAで買ったお気に入りの給水マットはいくら干しても乾かず、部屋干し洗剤を使っても生乾き臭がひどく、3度連続で洗濯をした結果諦めてゴミ箱行きとなった。とても悲しかった。

そんな風に、新しい気候と洗濯様式と格闘するわたしに、先日珍事件が起きた。

わたしのことをよく知っている人は、「知ってる知ってる。」と思うのだろうが、自慢じゃないがわたしは自他共に認めるかなりの機械音痴である。ちなみに、極度の方向音痴でもある。

そんなわたしが新しく住み始めた一軒家にあったのは、備え付けのドラム式洗濯機。

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まだ小さかった頃、関西の田舎のおばあちゃんの家にはまだかろうじて二層式洗濯機があった。
カナダに短期留学して学生寮に住んでいた一か月は、「strong」で回そうもんなら服が引きちぎれるような、乾燥機付きの海外製洗濯機で洗濯していた。
オーストラリアでホームステイしていた時は、第二の母Lynda所有の洗濯機(もちろん海外製)を使わせていただいていた。
実家も、二度の一人暮らしも、どちらも通常タイプの洗濯機を使っていた。

人生初の、ドラム式洗濯機デビュー。
備え付けだったため、説明書がなく、さっそく使い方がわからない。

「洗剤はどこに入れるの・・・?」

にらめっこした結果、入口を発見。でも・・・
「入口狭くない!?粉洗剤ぜったいこぼれるやん。柔軟剤と分けられないし・・・」
だが、どれだけ探せど入口はひとつしかなく、仕方なく粉洗剤は洗濯槽に直接入れ、柔軟剤を見つけた間口の狭く入れにくい入口にがんばって注ぎ込むことに。

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だが。洗濯すれど、柔軟剤のいい香りがしない。更には、洗濯物がふわふわじゃない!
ただでさえ外干しできないのに。これでは気持ちよく洗濯ができない。
この洗濯洗剤入口は正しく機能していないのではないか。
3度ほど洗濯してそう確信したわたしは、柔軟剤も適当なタイミングで一時停止をして洗濯槽に入れるようになった。

ある日母と電話していた際にそんなことを口にすると、
「柔軟剤はすすぎのタイミングで入れるものだ。絶対にちゃんと入口があるはず!」
と言われた。いやいや、ないんだって。めっちゃ探したもん。
そんな風に答えてそのまま洗濯を続けていたが、ふと思い立って「パナソニック ドラム式洗濯機 洗剤 入口」でGoogle検索。この情報社会に生きていて、なぜもっと早くこうしなかったのか。
だが結果は、「洗濯機の上部に入口があることが多いです」。いや、ないから。何度見てもないから。そう思いながら念のため検索を続けると・・・

「引き出すタイプ・・・?」

おそるおそる、今まで柔軟剤を注ぎ込んでいたフタを押し開け、手前に引いてみる。

なんと。

そこにはしっかりと、洗剤と柔軟剤の投入口があった。

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あろうことかわたしは約2か月もの間、洗剤の入口を引き出すための取っ手部分に柔軟剤を注ぎ込んでいたのだ。道理で、ベタベタする。
どれだけあほなのだろうと思った。

洗濯機を使い初めて約2か月、初めて正しく洗濯ができ、洗濯物はとてもいい匂いでふわふわだった。わたしは今まで一体何をして、どれだけの柔軟剤を無駄に垂れ流していたのだろう。

新しい生活様式が謳われる今、そんな行き当たりばったり、トライ&エラーな日々は今日も続く。
次はどんな珍事件が起きるのだろう。いや、平和に生きていたいと切実に願う。

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