マガジンのカバー画像

ふぁぼ

27
お気に入りnote
運営しているクリエイター

#エッセイ

忘れていた昔のことを思い出した。また忘れようと思う。

以前買って美味しかったものを、再び買って食べる。ああ、美味しい、のか?
感覚は麻痺する。記憶は美化される。内側で血と一緒に巡って行くうちに薄れて行くのか。
あのとき確かに嬉しかったんですよ。美味しい、と思ったんですよ。

感覚は、ファイル名付けてそのときのまま保存できなくて難儀。

短い人生を恥ずかしく生きよう、と思う。それが間違いでも。大事な人に対して挑発し、試すような言葉を吐いて、私をまだ好きでいられる?とためしながら。
悪いわたしだ。悪い、私の好まない私自身と手をつないで生きるのよ。

本意じゃない本意と戯れる。こんな話がしたいんですけどこんな話がしたいんじゃないんですよ。
ふわふわふらふら。ららららら。

「ぼくはもう 学校にも月にも帰りたくないんだ。」
という銀色夏生の詩を、何故かずっと覚えている。初読はもう遠い遠い昔。
たったそれだけの短い文字の集合に、しんと静まり返る心を見る。
その頃には帰れない自分を懐かしく見る。