会話に必要なひみつ道具
子どものころ、
特に幼稚園とか小学校のころって、
「〇〇君に嫌いって言われた。悲」
とか
「〇〇君にブスって言われた。怒」
とか
「〇〇ちゃんにムカつくって言われた。泣」
ってこと、
ありましたよね。
私は色白で顔が丸かったので、
男子に「かしわもち!」と言われて
からかわれていました。
いつもそれが嫌で
先生に言いつけたりしてたなぁ。
今となっては、
それは好きってことだな、
構ってほしいんだな、
うらやましいんだろうな、
という風に、
発言する言葉と裏腹な本心が
あるんだろうと想像できます。
特に子どもの言葉はわかりやすい。
でも結局、これって大人だって同じだなって
思うのです。
むしろ、大人の方が厄介。
*
「いいよいいよ気にしないで~」
と言いながら
本当はめっちゃ怒っていたり、
「大丈夫だよ!安心して!」
と言いながら
本当は不安でいっぱいだったり、
「私がやっておくね♪」
と言いながら
本当はめんどくさいと思っていたりする。
子どもより大人の方が
処世術らしきものを身につけた風に
巧妙な言葉遣いをするもんだから
本当に厄介。
でも。
本心を置き去りにしたツケは
必ず回ってくるものなのです。
その場はなんとかなっても
心の奥でずっと
「なんで私が我慢しなきゃいけないの」
「私ばっかり、そんな役回り!」
「あの人だけ得して、腹が立つ!」
というようなモヤモヤや苛立ちが
残るものだからです。
そしてそれは、
同じような場面で繰り返したり、
関係の無い別の場面にも
悪影響を及ぼしたりもします。
だから、放置するのは
あんまり良くないと思う。
*
誰かと会話する時、
例えば「かわいいね」と言われたら
そんなのは本心かどうかではなく
「ありがとう♪」と受け取ってしまえばいい。
でも、ちょっとでも相手の発言に
「ん?」
と感じるような違和感を感じたなら、
「翻訳コンニャク~!」
を、食べた方がいい。
(もちろん、イメージの中で。)
だれだって、悪気はなくとも
生きていく中で無意識に
身についてしまった変な処世術で
本心をねじ曲げて言葉にしていることがある。
だから、相手の言葉に
モヤッとか、イラッとか感じたら、
できるだけ自分なりに
相手の本心を想像して、
翻訳して受け止めたいと思うのです。
「ハッキリ言わないあの人が悪い!」
なんて言わないで、
自分なりに想像するんです。
変な処世術のせいで、本人ですら
本心がもう分からなくなっていることが大半で、
むしろ外から聞いた方が
その人の本心が見えることもあると思うから。
相手の言葉をストレートに真に受けて
イラッとするのではなく、
翻訳して相手の本心を想像してみる。
そうしたら、
相手に優しい気持ちが湧いてきたり、
円滑なコミュニケーションにも
自然につながっていったりする。
お互いが本心につながるところまで会話が向かえば
最高です。
*
私も、めんどくさいことが嫌いなので
本心は言わずに受け流したり、
なんだかんだ言われるくらいなら
自分でさっさと終わらせておいたりすることは
よくあります。
だから逆も然りで、
「あ、なんか今わたし、
嫌な感じの言い方したな…」
って思うことがあったら、
自分のためにも
翻訳コンニャクを食べたい。
そうしたら、
自分の傷ついたり泣いている本心に
気づけることがあるから。
気づくだけで、
なんだか救われた気分になるものです。
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