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3年かけて全312話の海外ドラマを観た

2024/5/31、私が大好きな海外ドラマ、『オスマン帝国外伝』を、ついに観終わりました。
その思い出と感想をシーズンごとにざっくり語ります。覚えてないところもあるけど。

分かる人しか分かんない話展開します。ごめんなさい。


きっかけ

アマプラでシーズン1だけ配信されていたので、好奇心からぽちっとした。
オスマン帝国といえば、ハーレムである。男一人女複数人でいえーい。ハーレム系の元ネタ。
私は変態なので、えっちな設定のある作品はやぶさかではない。興味があるった(好みが激しいけど)。そして見慣れない海外の風景は見ていて飽きなかった。

これが沼の始まりだった。
このドラマの虜になり、2021年9月~2024年5月の間、時折休みながら、全312話を楽しんだ。
シーズン2以降はHuluなどにあるので契約せざるをえなかった。満足。
ちなみに濡れ場はなく、ガチの意味でのエロいことはなかった。(当然

こちらです。

どんなドラマ?

16世紀のトルコの王様、スレイマン1世の人生を即位後から崩御まで、史実を元に脚色を加えた大河ドラマ。
恋愛や家族関係、政争など、いろ~んなことを濃密に描いてくれるそれはそれは楽しいドラマである。(個人感想
詳しい話は別記事で書いた。↓

各シーズンごとの感想

昔のシーズンほど忘れがちなのであるが、思い出して語ってみる。

①シーズン1 ヒュッレムが奴隷としてやってきてオキニになるまで

メインヒロインは奴隷船に乗ってやってくる
第一話で、村を焼かれ、奴隷船に乗せられたヒュッレムが「もう死にたい」と泣き叫んでいる姿が記憶に残ってます。エロ漫画でもあるよね、敗北したヒロインのバッドエンドが・・・(
彼女はこれから好きでもない王様に奉仕しなくてはならない。人生真っ暗・・?いいえ!

ヒュッレムは皇帝にガチ恋をし、最強のお妃さまになるのだ。
ヒュッレム、これからどうなるの?すごく注目を惹かれた。

幸せな3人家族。しかし・・
一方で当時の皇帝のお気に入り:マヒデヴランが息子と一緒に宮廷にやってくる。皇帝といちゃいちゃする。ふつうに仲良さそうなファミリーでやってくのかと思った。しかしこのあと大崩壊するなんて・・

推しの女性キャラがいたんですよ
後宮で働く女官、ニギャールが私の推しでした。通称ニギャールカルファ。「ここで皇帝の子を産めばお妃になれるよ」と、後宮初日にヒュッレムにドリームを吹き込んだ人。
彼女、シゴデキで善良な人で私好きなんですよね。この後、政争に巻き込まれてやばいことさせられるのだが・・・

あとハティジェ皇女さま(スレイマン妹)大好き。顔がダントツでいい。栗色の髪に、白磁のような肌の、内気な女性で、お姫様のなかのお姫様なのよ。

ハティジェ皇女さまとイブラヒムのウジウジあつあつ恋愛
皇帝の妹のハティジェと、小姓やってたイブラヒムで恋愛をしていました。 イスラム教だし、立場の問題があって、デートとかできないので、人目を忍んでラブレターやプレゼントで気持ちを確かめてウジウジして進める・・ってことをやってた。もどかしかった。明らかに両想いなのに、結婚にとりつけない限りなにもできない。ウジウジすぎる。
結局2人はめでたく結ばれた。よかったねおめでとう。

最高の友達マリア
ヒュッレムと同郷で親友のマリア。彼女とてもいい友達なんですよね。頑固で頭を下げないヒュッレムが「悪いことしてごめんね」と謝るくらいにはいい子で。
シーズン1の最後に事件に遭って引退しちゃったんですよ。悲しい。
ぜひシーズン4までずーっと一緒にいれたらよかったのにな。

血まみれで殴り合う女たち
ハーレムって最高だと思うよね。男性視点だと。だけど楽じゃない。影では女たちが殴り合っています文字通り血まみれで。人間関係がくそめんどくさい。表向きは「平和に」だが、裏は血の雨が降っている。
廊下で血まみれでファイトしてる彼女たちが私は忘れられない。

口では誰もが「私がお妃になって誰もが平和な後宮を成し遂げたいわ」と言うけど、無理です。がちで。

肉食女子が結局勝つ
マヒデブランは受け身の女性。スレイマンに愛を媚びたりはしない。ただ美しくして、微笑んで、夜を待つだけの古典美女である。

しかしヒュッレムは違う。スレイマンが戦争に行けば、熱烈なラブレターを書いてよこし、関心をあの手この手でキープしようとする。頻繁に部屋に出入りして好きを言いに行く。「スレイマン」と耳元で囁いてうっとりさせる。いつでも愛してる。攻めていく。

この違い。結果は明らか。待ってるだけじゃだめなんだね分かった。

あんまりだぁの衝撃のラスト。元カレを自らの手で
シーズン1のラストは忘れられない。どうみても、きれいに終わらせることを想定していないラストだった。
スキャンダルを発掘されたヒュッレム。宮廷に偶然元カレが転職してきたので、連絡を取って忍んで再会を喜ぶ。しかし、当人たちに気持ちはなくても、傍から見れば会うだけで不倫である。イスラム教厳しいから。
彼女は、元カレのレオを殺すか、公表されて自分と子供が死ぬかの二択を迫られ、泣き崩れる。

彼女は元カレを手づから殺すことを選んだ。子供のために。ものすごい心にキた。悲しいよな。人一倍、元カレには幸せになってほしかったのに、世界は残酷を突きつける。私はヒュッレムの良心はこのエピソードで死んだと考察している。

②シーズン2 母親になっても戦いは終わらないんだよ

子供産んでお妃になっても安泰とかない
最初に言われたドリーム「お気に入りになって子供産めば将来安泰」を叶えたヒュッレムだが、それで終わりではなかった。何もしないでいると殺される。ガチで。
姑や周りの女たち、官僚たちがこぞってつぶそうとしてくる。あいつなにでしゃばってんだと。あーしら、俺たちの陛下をとるなと。
ヒュッレムは毎日闘う。何言われても言い返すし、常に考えて行動する。やられる前に攻撃をしかける。こんなに大変なのか、と結婚安泰神話を信じてた私の価値観を破壊した。

とんでもない片想い悲恋に刺される
ヨーロッパから来たスパイ:サドゥカに、宮廷歴史家のマトラークチュ(善良なおっさん)は恋をする。ホの字パワーによって、何も知らずにスパイ行為を助け、手紙を渡し情報を漏らしてしまう。
サドゥカはマトラークチュに興味はない。対してマトラークチュは結婚に向けていそいそとアプローチをする。「あの足で踏まれたい」とか言ってた。

結局スパイはバレ、2人とも罰せられることに。マトラークチュは、涙ぐみながら、小舟の上で袋詰めにした彼女を抱き上げて、海に沈めるのだった。
これまじで~~~悲しすぎて全私が泣いた。私も恋愛弱者だから失恋しまくってるからすごいよくわかる。ものすごい心臓にきた。ああああってなる。

マトラークチュは善良なキャラでさ、どこまでもイイ人なんだよね。好きだからといって、サドゥカに決して乱暴はしなかった。ほんとうに悲しい。

スペインの王女:イザベラ、世界一美しいと思った。
オリキャラ:イザベラ王女が海難事故でオスマン帝国にやってきて、ヒュッレムのライバルとして君臨する。
若くで小柄で、艶やかな黒髪に白い肌、形のいい赤い唇・・白雪姫みたいなものすごい美人だと思った。狭い私の世界の中では一番の美はこの人だと。

スレイマンとは、JKと校長先生みたいな、イイ感じの歳の差恋愛を展開したが、彼女政争で敗れて散ってしまった。生き残って追放されたのか、亡くなったのか分からない。生きていて欲しいなあ。
後宮で生き残るには、後ろ盾が必要なのよ。プリンセスだからって誰も特別扱いしない。彼女そこを理解してなかった。

マルコチョールとかいうアラブのイケメン
目の覚めるようなイケメンがでてきました。マルコチョールです。このドラマの主要男性枠、スレイマンとスンビュル(おねえ宦官)とイブラヒムしかいないんですよ。ここでイイ感じのイケメンがでてきたのは嬉しかった。

そして街で偶然出会った商人の娘と恋愛を展開する。これが少女漫画チックですごくよかった~~~ナンパして壁ドンして誘拐もあったドキドキした。

ちっちゃいおっさん宦官のギュル
ヒュッレムのお気に入りでギュルっていう宦官がいた。宮殿の庭にへそくりを埋め、隠し場所がばれていた。
個人的にはちっちゃくて面白いおじさんで好きだった。彼、引退して宮殿を去るんだけど、その後幸せに生きててほしいなあ。

新婚夫婦の生活トラブルを現代風に解釈して楽しかった
旦那の趣味が嫌いな嫁のエピソードとかあった。
家の庭に裸体の彫像を設置するイブラヒム。嫁のハティジェ皇女さまは、イスラム的な価値観でそれが嫌いで、我慢して生活してる。現代風に例えると、旦那がオタクで玄関先に破廉恥なフィギュア置いてるみたいな感じかな。

旦那に不倫疑惑があり、尾行させてみたら、その先は飲み屋だった。
「探偵に尾行させたら飲み屋だったのよ。ありえん!」と皇女さま憤慨してた。イブラヒムが、仕事終わりに赤ちょうちんの店でいえーいしてる図を漫画風に思い浮かべると楽しいです。日本人と変わらんじゃん。
実際不倫はしてたんですけどね。

腹心の部下がまさかの裏切り
母后さま(姑)付きのお局女官の、ダイエ。彼女はどこまでも、主人たる姑の味方だと思っていました。しかし、ヒュッレムの見事な交渉術で寝返ります。完全に裏切ってないけど、ヒュッレムに協力するようになったのだ。
まじでここびっくりした。日本の作品じゃ絶対ありえんと思った。固定された人間関係がひっくり返るなんてこと、滅多にないよ。見たことない。
または、お互いのお気に入りの部下が入れ替わったりしてね。

ここがオスマン帝国外伝の最高におもしれーところなんですよね。

②シーズン3 果たしてガチ恋はどこまで勝ち続けられるか


母となり、子供を何人も産んで、新しい女が来ても、それでも私を選んでくれますか。いや、そうしてみせる。
ヒュッレムは子供を5人産む。でも旦那は世界皇帝だから、いつ、誰と恋愛しようが許される環境にいる。若くて美人で魅力的な女性が絶え間なくやってくるのだ。でもヒュッレムは、女としていつまでも一番でいたい。そうでなければ、すべての意味で終わってしまうから、あらゆる手を尽くして妨害する。地味に大胆に、1人ずつ闇に葬っていく。今から考えると地道な戦いだったな・・・

ヒュッレムによる旦那の洗脳。勝利のDキス。
シーズン2からかもしれないけど、ヒュッレムはじわじわとスレイマンを洗脳し、自分の有利な思想になるように導く活動をする。
ヒュッレムはただの嫁の1人ではなく、自分の絶対的な味方で、理解してくれる特別な女であると思い込ませる。とても生まれが一般的な村娘だったとは思えない。どこでそういうの覚えてきたんだ。

その活動は成果を出し、たとえ、ヒュッレムの悪事が明るみにでようとも、スレイマンは「え、俺の嫁がそんなことするわけないよ」と目を丸くする始末。
ある夜、悪事がばれて、ヒュッレムを叱らないといけなくなり、向き合ってとっちめスタートしようとしたその時、スレイマンは突然チューをしだして、結局許しちゃう❤ って展開があり笑った。
ヒュッレム、チューしながらピースしてたろ。そういうところ好きだわ。

1人ずつ敵を倒していくヒュッレム。
敵が懐かしいから一人ずつ語る。

①フィルーゼ
海の向こうからやってきた細身のイラン系美女。スレイマンは細身の女性が好み。かなり気に入られてて、子供を産んでお妃になることを狙ってた。ヒュッレムは彼女にはかなり苦しめられた。幸い弱点が分かって、追放することに成功。最後、後宮を出ていくフィルーゼ、涙を流し、床に膝をつきながら少しずつ進んでくシーンは忘れられない。

②シャー皇女さま
スレイマンの妹。気が強く、頭がいい皇女さま。かなりいい線まで戦っていたがひょんなことから足元が崩れた。お供のメルヴァン、高身長でかっこよかったな。あの二人良かった。

②ハティジェ皇女さま
ハティジェ皇女さま、シーズン1ではそこそこヒュッレムと仲が良かったのに、シーズン3では色々あってかなり恨まれてしまっていた。残念。でも仕方がない。ラスト付近の彼女の陰謀はかなり効いていた方だと思う。ヒュッレムの中の人の入れ替わりがあったからね・・

④イブラヒム
スレイマンの部屋の前の廊下で、ニタニタしながら口喧嘩する風景おもしろかったな。彼、ヒュッレムが洗脳しなくても自滅してしまった。

最強の乳母とかいうパワーワード
アフィフェっていうお婆さん女官が堂々登場する。スレイマンの乳母をしていた、厳しい系の女官で、あんまり職場復帰してほしくない人として扱われていた。いい人なんだけどね。
「アフィフェって誰?」→「最強の乳母だよ(戻ってきてほしくない)」この字幕忘れない。最強の乳母ってなに。

頭がお花畑の彼が私に似ていた
ヒュッレムの長男、メフメト皇子。彼は天然痘を意図的にうつされて、星になってしまった。従者の裏切りにあって。
彼、善良なのだが生き残るスキルが低かったんですよね。周りの人を信用しすぎていた。宮廷の出来事は、人の意図や悪意でできてるのに、そういうことをまるで気にしてない。妹のミフリマーフはそういうの分かってるのに。温室のバラなんだよね。周りがいかに騒いでも、キャッチしていない。世間知らず。
彼を見ていて、私に似てるなーと思ってしまった。私も世間知らず時代はそういうところがあった。世界は善良で美しいと信じている。違うそうじゃない。自分に似た人を見つけられた発見が嬉しかった。

ムスタファ皇子さまと森で出会って恋に落ちる
ムスタファ皇子と、一般人の女の子が森で出会って恋に落ちる、という恋愛エピソードがあった。ディズニーじゃん!って思った笑
王子さまとはやっぱり森で出会えるんだな!森に行こうぜ!
なぜ森に皇子がいるかって?それは、鹿狩りにきたからだよ。

夢小説のヒロインみたいな、ボーイッシュ女子でてきた
オリキャラで、クリミア=ハン国のアイビゲ王女というお姉さんが登場する。彼女、刃も馬も扱い、男装もするボーイッシュ女子である。案の定型破りのヒュッレムと仲良くなっていた。
夢小説に出てきそうなステータスと性格だな好感持てる・・と思いながら見てた。ムスタファとの婚約がダマで立ち消えになったあれは何なん。

ヒュッレムの奴隷解放と結婚
けっこうあっさりと成し遂げられてた。あ、奴隷解放?結婚?いんじゃね、しちゃおうよ!ってスレイマンとイチャイチャの延長で成してた。

ちなみに、オスマン帝国では王様は独身をしている。正式な結婚なんかしない。子供や嫁(側室)が何人いても。びっくりだよね。でもスレイマンはしてあげた。

たとえ世界のお姫さまであっても、好きな人は手に入らない
ヒュッレムの娘:ミフリマーフは、イケメンのマルコチョールが大好き。結婚を望んでいた。身分的には問題ないと思います。
めちゃめちゃ大好きで、生活の合間に話しかけに行ってはウキウキしていました。でも、マルコチョールはミフのことは眼中にない。お姫様なのに。好みのタイプじゃないとのこと。
では、両想いじゃなくても政略結婚でどうかしよ!となりますが、それも叶いません。周りの人の応援が得られなかった。
官僚のリュステムと結婚するのが、将来のために有利に働くのだと、母親に言いつけられてしまいました。好きでもない、年上のおっさんと結婚。つらすぎる。でも彼女は受け入れた。生きるために仕方ない。

例え世界一のお姫様であっても、好きな人には振り向いてもらえない。地位やお金、美貌があっても、相手が拒否すれば終わり。両想いをGETする確実な方法なんてない。
現実的な話でよかったなと思いました。

シーズン3ラストが本当に「愛」だった
シーズン3のラストで、数年間失踪してたヒュッレムと、スレイマンが再会して抱き合うシーン、あれよかった。ヒュッレムのキャストの人変わってかつての美女からだいぶ様変わりしてたけど、それでも関係ない。抱き合う2人で締めた。

②シーズン4 君は誰推し?!皇子の跡目争い

息子たちは成長するが、椅子はひとつ
ヒュッレムの息子たちが成長してイケメンになって仕事するようになる。周りの人は推し皇子さまを作って存分に推し、皇帝になってくれないかなと計画を巡らせる。
ダントツでムスタファが好感度1位、セリムはアル中、バヤジドは脳筋、ジハンキルは心の癒し。結果は歴史がネタバレしている。

やることが今までと違いすぎて困惑
今まではヒュッレムとスレイマンの恋と生活の物語だった。しかし、もう違う。ヒュッレムには孫が何人もできたし、スレイマンは痛風になってしまい恋愛どころではない。皇子たちは次期皇帝になることで頭がいっぱい。

恋愛が主要テーマじゃなくなり、政治や戦争のことばっかりになる。しんどい。いや、面白いのは変わらんけど。シーズン1~3までは楽しかったなぁ・・と中盤以降から思った。ヒュッレムによる、真実の愛をメイクするバチバチ恋愛が楽しかった。もうそれは過ぎ去った物語。

シゴデキ彼女ちゃんヌルバーヌと、だめんずセリムのカップル
セリム皇子と、ヌルバーヌっていうイタリア出身の奴隷の恋愛よかった。
セリムは有能な皇子ではなくて、自信のなさとストレスからお酒に頼ってしまう人である。そんな彼の闇にヌルバーヌが忍び込み、寵愛を得つつ支配する・・という関係になってた。ヌルバーヌは頭が良い仕事のできる女。

セリムはアル中だけど皇子さまだから、ステータスといい暮らしを提供して、ヌルは彼に生き残るアドバイスを捧げる。お互いメリットがある上で、がっつり恋をして結ばれた。イイ感じに成り立ってました。

ヌルバーヌ、普段は偉そうでいけ好かない女なのだが、困った時や一所懸命になってるシーンもあり、それに好感もてたので中盤までは好きだった。あととても楽しそうに笑うシーンもあってね、高慢な人でもこんな風に笑うんだって感動しました。終盤らへんは、人生上手くいきすぎててつまらないなーと思ったし、胸糞な行いも多々あったからキライ。

セリム意外と皇帝向いてる
セリムは確かに無能だけど、その分周りの人に仕事を任せてくれる。素直に進言は聞きその通りにして、結果チームでうまい方向に行くことができる。周りとうまくやれる力が彼にはある。ワンマンだけが皇帝じゃない。

彼はたしかにクズだ。性格は悪いかもしれない。でも、周りの状況を察知する感受性はあるんだよね。オモテでは虚勢を張るが、それが愚かだって気が付いている。「俺はクズで、みんなから認められてない・・俺は分かる」ってケンカした後呟いてうなだれる。それを後悔する良心はバッチリ備えている。そこが彼の魅力で弱さである。倫理観がない人もこのドラマではたくさんいるからね。彼の優しさがここで分かる。
こ、これ私に似てる・・私も感受性だけはあるから、言動で失敗したとき、本当はこうだよね~自分いけてないよな・・と自覚することはよくある。
セリム私に似てるな。あんまり責められない。
クズクズでアル中とかいってるけど、彼も例にもれず顔はいい。やっぱり王子様だよね。

バヤジド皇子は反抗期して滅する
バヤジド皇子、勇敢な正義漢で、陰謀とかコソコソした不正行為は絶対しないタイプ、誠実な男です。しかし、頑張っても報われない。良かれと思ってやったことが父親との溝を深めていく。反抗的だと捉えられる。

バヤジドは親から愛されてないと思っている。父親はそんな息子に愛を説くけれど、こじらせてるバヤジドは信用しない。結果、父親なんかもう知らん、信用されてないし・・と挙兵からの敵国イラン亡命までしてしまい、「反逆者の皇子」として処刑された。かわいそうすぎる。

確かに彼、大きな欠点はある。気性が荒く、自分が正しいと思うことをやりたいタイプなので、周りの人の適切なアドバイスを聞かないんですよね。周りの人と協力してうまくやっていく・・ということが苦手。できない。サラリーマンとか向いてない。だから、彼の周りにはイエスマンしか残らなくて、いまいち頭脳派がいない組織になってしまい、バッドエンドに繋がったような気がする。オスマン帝国で生き残るには、陰謀力とデキル嫁が必要なんだよ。バヤジドは嫁を頼らず、一人で戦っていた。

親や兄弟と反りが合わないのも仕方がない。これが普通の家庭の物語なら、家出して終わりだったかもしれないけど、彼は皇子様なので、やることのスケールがでかくなってしまい、逃げ場もない。来世は幸せに。

皇子によって愛され戦略が違うのが面白かった
皇帝で父親のスレイマンから信用してもらえれば、次期皇帝になれる。だからみんな頑張る。
彼らの頑張りの姿勢を一言で表してみると面白かった。

ムスタファ:私は父を愛している。だから命を預ける。たとえ殺されても構いません。

セリム:愛されるために自分を殺し、あなたの言いなりになります。

バヤジド:愛してくれないのなら泣き叫び噛みつく。

生き様って人それぞれでおもしろい。

愛のない政略結婚のなれの果てを見た
リュステムとミフリマーフは政略結婚した。リュステムは年下妻のミフが好きだけど、ミフは嫌々結婚した。それでも愛は育てられるのか・・?
その答えがシーズン4にあった。うまくいかなかった。

リュステムって、自分のことしか守れない。家が暴徒に取り囲まれてピンチになった時も、身を挺して妻子を守らない。部下<妻子<自分になっている。その態度にミフもイライラして、お互い口論になる始末。
愛がないから、お互い求心力がなくて崩壊する。恋愛感情がなくても誠実さとか人間力を発揮し、相手を大切に扱ってうまくやる方法もあるけど、それも2人はできない。リュステムにとって妻はトロフィーワイフだし、ミフは生きるために仕方なく結婚してやってると思っている。(お姫様だからウエメセ)
とりあえずリュステムのせいです。彼は政治家として有能かもしれんけど、妻も実弟も大切にできない男であった。ミフの方が旦那のニート期間支えたりして努力してたと思う。

やっぱり結婚って、愛がないと、お互い強い力で必要としていないと、うまくいかないよね・・と思った。
リュステムって嫌われキャラで、ほぼ全員から「あいつ嫌い」と言われている。そんなリュステムと結婚させられた皇女様って・・・?宇宙猫になる。

でもなんだかんだ、この夫妻、絵になるんですよね。ふしぎ。
最初のころは上手くいってたし、見てて微笑ましかったんだけどね。

家庭を破壊した者は、自分の家庭を破壊される
ヒュッレムは、のし上がるまでに旦那の家庭を破壊した。姑と旦那の姉妹たち、全員とその縁者に対し、犯罪めいたことをして闇に葬ってきた。破壊者である。
しかし時代が移り、今度はヒュッレムが姑になると、ヌルバーヌとかの新嫁に息子たちの生活や人生を破壊されてしまう。
因果応報が怖すぎる。シーズン3まではノーダメージだったのに、ここでじわじわきている。おそろしや。

ヒュッレムの死の伏線回収
ヒュッレムが亡くなるシーン、廊下で倒れてスレイマンの部屋のベッドに抱えられて寝かされるのだが、これって初めての出会いと同じ状況だと気づいた。ヒュッレムがスレイマンの目の前で気絶して、抱えられて部屋に行く・・覚えてるぞ。出会いの巻き戻しだねっシーズン1見返さないとな。

ムスタファ退場から過去が夢のように思えてくる
ムスタファ皇子の死によって物語がガラッと変わる。今までバチバチはあれどなんだかんだ楽しくやってたのに、訃報が届いたら敵味方で全員泣いた。ヒュッレムが陰謀で殺したのに、首謀者の彼女も泣いてた。なにやってんだ長年の夢だろと呆れた。リュステムは泣いてない。
人の笑顔を奪うようなことをしたら全員が不幸になったじゃないかやめとけよ・・・ヒュッレムに言ってる。

ムスタファ退場からスレイマンもストレスで落ち込みがちになり、物語はいまいち勢いがゆるくなる。部屋に閉じこもって、数珠をくりくりするスレイマンの風景があるあるになってくる。以前の、生き生きとした彼はいない。
兄弟バトル、ヒュッレムの死、閉じこもる父親・・もやもやチクチクする展開が続いた。今までヒュッレムの勝ち上がり物語だったのに、今は下がっていくのを見守るターン。つらい。

そして物語は終わりへ。スレイマンは孤独になっていた。もう彼の妃や姉妹たちは全員追放されたか亡くなってしまい誰もいない。子供たちからは警戒されている。なぜならスレイマンは勅命で兄を2人処刑しており、父親として無邪気に接するには恐ろしい存在すぎた。
かつての宮廷での覇権争い、命を懸けた恋愛、子供ができたとか、戦争で勝ったとか。いいことも大変な事件も、もう起きない。昔が賑やかだっただけに寂しい。ヒュッレムという美しく恐ろしい人がいて、どこからから魅力的な女が現れることも、懐かしの兄弟と再会して抱き合う・・といったことももう二度とない。
観ているだけだったけど思う。あの時の生活は、おとぎ話のよう、夢のようだったなと。
最後に後宮の扉を閉めるスンビュルのシーンよかった・・誰もいない後宮で、過去の思い出がささやき声でこだまして、涙ぐむ・・気持ちわかる。あの時の大変な、懐かしい思い出はもう過ぎ去ってしまった。壮大な夢だった。

おわりに

3年かけて観たドラマでした。感想をトピック分けて書きなぐったけど、私けっこう覚えてるな!?話の引き出し・感動したポイントを覚えてるのびっくり。

本当に面白くて、楽しいがMAXの時は、1日4~5話見てた。そんくらいのめり込む。ピークが止んだらHulu解約してお休み・・とかしてた。

こちらの影響でトルコ行きたくて仕方がないんですよ。まだ勇気出せていけてないけど。東京ジャーミィやトルコ料理店に行って楽しみました。

推しはヒュッレムですね。ウチワ作るなら「命を捧げます❤」のメッセージを載せたい。日本でもっと知ってる人増えればいいのに・・流行ればいいのにと思うけれど、半面、ホットになりすぎたら、アンチが増えそうなのを懸念した。陰謀やいじめ展開がすさまじいので、そっち方面で炎上しそうなのはある。知ってる人だけが知ってる今がベスト。きっとね。

オスマン帝国外伝、知ってる人少なそうだけど好きなこと書いて生きようと決めたから、ここに感想をぶちこんだ。長くなった。1万字越えか。分かる人なら分かると思う。
オスマン帝国外伝に出てきた人物たちは、家族のように思っています。だって312話分の時間を過ごし、1日1回は顔を見てたら、もう友達以上でしょう。なかなかないよ。会話したことないけど友達感覚ある。

オスマン帝国外伝、最高のドラマだった。人生で大事なことをたくさん教わりました。オスマン帝国外伝を制作してくださったみなさん、演者の皆さんにお疲れ様とありがとうをいいたい。楽しかったドキドキしたし感情揺さぶられた。みなさんのご多幸をお祈りしてます。アーミン。

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