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平凡な30歳、マーケ未経験。ある日ベンチャー企業でマーケ部署を立ち上げることになった。

初めまして。
ゆう.かやま と申します(名前の由来は大好きな加山雄三さん)。
僕は現在31歳で、ベンチャー企業でWebマーケティングを担当して2年目になりました。

今日は、当時マーケティング未経験だった僕の、マーケ部署立ち上げから現在までの1年間(2019~2020年)を振り返りたいと思います。

立ち上げとはいっても、周りの人の大きな大きな支えがあっての話なので、僕が何かすごいことをしたわけでも、特別な才能を持っていたわけでもありません。

アラサーのマーケ未経験者が壁にぶつかってもがいてきた経験談をお伝えすることで、僕の経験がちょっとでも役に立てば、とてもうれしいです。

(前提)会社のこと、これまでのこと

本題に入る前に、前提情報としてマーケ部署立ち上げ前(2019年)における会社のことと僕のこれまでのことを簡単に振り返ります。

◆会社のこと
当時、創業6期目のベンチャー企業。
ざっくりいうとD2Cに近い形態で化粧品/食品/日用雑貨の企画・販売をしている会社。複数ブランドの展開をしています。
ECオンリーで販売してましたが、最近は店舗での展開も加速中。
ビジネスモデルがちょっと特殊(内容は公開できず…ごめんなさい。)

◆これまでのこと
会社には2017年に中途入社。
商品企画・開発として、化粧品ブランドを担当&食品ブランドを立ち上げ。
ちなみに前職は法人営業をしてまして、2019年時点では
・法人営業:6年半
・商品企画、開発:2年 ほどやってきました、といった感じ。

0.マーケ部署の活動開始まで

当時の僕は30歳。商品企画・開発に携わってもうすぐ3年目に突入!というある日のこと。
弊社代表から告げられた一言。

「マーケ部署を新設するから、立ち上げをお願いしたいんだよね」

その一言で、僕のマーケター人生は幕を開けました。

うーん。

「マーケティングって言葉の意味は一応わかるけど、マーケ業務って幅広そうだなー。人それぞれ解釈も違うし、そもそも自社におけるマーケティングって何だろ?」
ってのが最初に感じたこと。

そして、社内にマーケ業務の経験者はゼロ。専門的な話を聞ける人も社内にはいない。

まあ、でも何とかなるだろ!ってことで活動がスタート。
新しいことに挑戦するのは好きだし、部署の立ち上げなんて貴重な経験だと思ったので、当時は不安よりも期待が上回ってました。

実務担当は、私と後輩(新卒1年目)の2人。
相談役として超絶仕事のデキる取締役が1名(この人のおかげで何とか立ち上げを進めることができた)。同じく超絶仕事のデキる代表にも適宜サポートしてもらいました。
加えて社外からはコンサル1名が参画していただくことになりました。


1.立ち上げ開始~半年(2019年7月-12月)

最初の半年間は「準備・助走期間」で、部署としての土台作りを行いました。
具体的に行ったことは以下の通りです。
(後述しますが11〜12月は仕事をおやすみしたので、実際には7月−10月までの4ヶ月間で行ったことです)

・自社にとってのマーケティングの定義・目的・今期〜来期計画の策定
・ワークフロー分析
・カスタマージャーニー分析 → ユーザーフロー分析FW作成
・重回帰分析
・SEO勉強会
・ブランド別分析(インサイト、ユーザーフロー内の課題抽出、施策立案)
・施策実施時の優先順位判定FW作成
・CRMツール導入
・SNS分析ツール導入
・アクセス解析ツールの整備
・サイトアクセス/売上の定量観察フォーマット作成

要点をまとめると、
(1-1)部署としての目的、やることを明確化・共有
(1-2)現状把握のためのツール導入とフォーマット整備
(1-3)ブランド別のユーザーフローを視覚化、強み/課題を明確化
 といったところでしょうか。
このフェーズで個人的に意識していたキーワードは「情報の整理、言語化、現状把握、認識の統一」です。

(1-1)部署としての目的、やることを明確化・共有
活動開始してすぐにぶち当たった壁は、マーケティングってビッグワードでして、各個人や部署によって捉え方が違うということ。
自社にとっての「マーケティング」を予め定義し、部署としての目的や、やることを明確化しておくことで、関係部署や新たに加わったメンバーとも認識を統一しやすかったです。
どの仕事にもいえることですが、「何のために、誰のためにやるのか?」という目的や前提を定義し、すり合わせることはとても重要だと思います。

(1-2)現状把握のためのツール導入とフォーマット整備
活動開始当初は「すぐに結果(=売上)を出さなければ」とついつい具体的なマーケ施策に意識が向いてしまっていたのですが、まず最初にやるべきことは土台を作ることです。
現状の認識を統一するためにも、定量・定性的に現状把握するためのツール導入やフォーマットの整備を進めることを優先しました。

(1-3)ブランド別のユーザーフローを視覚化、強み/課題を明確化
現状把握の次のステップとして、ブランド別のユーザーフローを視覚化しました。
具体的な手順としては、ブランド毎にカスタマージャーニー分析を行い、定量・定性的に計測および効果測定を行えるよう会社独自のユーザーフロー分析FW(フレームワーク)を作成しました。

そして、ユーザーフロー分析FWを活用して、ブランド毎に
・このブランドの強みは何なのか?(何が集客・CVに寄与しているか?)
・何が弱み/課題なのか?(離脱の要因、エンゲージメントを強められていない弱点)
を抽出し、具体的な施策立案に繋げていきました。

施策立案を行ったあと、適切に優先順位付けをするための新たなFWを作成し、施策立案後は優先順位決めFWに従い、施策実施の優先順位を決めて、実行に移していくことになります。

〜仕事を2ヶ月間、休むことに〜
マーケ部署の活動開始から4ヶ月ほど経った10月末、会社に申し出て11〜12月の2ヶ月間ほど会社をお休みすることになりました。
詳細は省きますが、簡単にいうと社内外の人たちの板挟みで疲弊してしまい、人間関係に疲れたのが理由です。大事な期間に2ヶ月も休むことになって会社には本当に申し訳ないなと思いますが、今になって振り返ると自分の心に素直に向き合ってブレーキをかけた事で、この後の期間に全力投球するパワーを蓄えることができたと思います。
休んだから分かったこともたくさんあるし、伝えられることもある。
復帰しようが環境を変えようが、自分の人生に活かせれば結果オーライ。
休職をネガティブに捉える必要はないと僕は思っています。


◆1〜6ヶ月目の、きもち
最初は、「まっさらな”ゼロ”の状態に新たな部署を作って、会社の中で役割を担って、会社のビジョンの実現に参画できる」ってことにワクワクしてました。
しかしすぐに、求められているレベルの高さ・自分の知識不足を痛感し、ワクワクよりも焦りが心の中を占めていきました。
「何とか食らいつこう」と必死に勉強し、とにかく行動することで知識を自分のものにしていくよう努めました。色々な方がおっしゃるように、行動は大事だと身にしみて感じました。
後半の2ヶ月間は前述の通り会社をお休みしました。
色んな迷いや葛藤に大いに悩みましたが、「今までの人生で最も自分と向き合えた期間」になりました。
ありのままの自分を大事にできるようになって、休むことで成長できた部分も結構あるなーと今は思います。


2.活動開始 半年~1年後(2020年1月-6月)

活動開始半年〜1年後までの間は、具体的な施策のトライを中心に進めました。
具体的に行ったことは以下の通りです。

・BIツールの導入、運用
・RFM分析
・プレスリリース
・Webイベント企画(ユーザー参加型)
・メルマガ配信
・リスティング広告
・TVメディア出演
・YouTubeチャンネル開設、動画編集補助
・ブランドSNS開設、運用開始

要点をまとめると、
(2-1)とにもかくにも施策のトライ
(2-2)施策の振り返りは”超”大事
(2-3)チームとして成果を最大化させる
 の3点です。
このフェーズで個人的に意識していたことは「目的がブレないように、お客さまのためになることか、水平展開」です。

(2-1)とにもかくにも施策のトライ
仕事復帰した2020年1月からは、とにかく施策のトライに注力。
色んな種類の施策を、色んなブランドで、色んなアプローチで小さくトライしていきました。
ブランドや商品、ターゲット層によって適した施策は異なります。
小さくも数多くのトライから、それぞれの成功パターンを探り当てて、ノウハウを積み上げていきました。

補足すると、単発で大成功!なんて施策は無いと僕は思っています。
日頃のユーザーさんとのコミュニケーション、細やかな施策の積み重ねがあるからこそ、ユーザーさんの信頼を得続けることが出来るのだと思います。

(2-2)施策の振り返りは”超”大事
施策を行うことは言うまでもなく重要なのですが、僕が経験から学んだこととして声を大にして言いたいのは、『振り返りはものすごく大事!!!』ってことです。

成功には原因もあるけどラッキーもあって。
でも失敗には必ず原因しかないと思うんですよ。

せっかく時間と労力を割いて施策を実施したのなら、丁寧にその結果を振り返って、自分のチカラに変えて、研ぎ澄ましていきたいなと思います。
僕は、行動だけでなく振り返りからも本当に多くのことを学びました。

(2-3)チームとして成果を最大化させる
2020年5月(11ヶ月目)からは、新たなメンバーも次々と加わってくれました。施策実施のスピード感も上がり、売上もメディアからの問い合わせも増え、良い流れが加速していきました。

個々の持ち味を活かして、チームとして成果を最大化させるために、日々の情報共有や振り返りを丁寧に行いました。それぞれの目的や意味、自分が感じたこともシェアして、皆の目線を合わせることを意識して。その結果、良い流れが醸成されていったのかなと思います。

◆7〜12ヶ月目の、きもち
仕事復帰した当初は、正直いって不安になることも多かったですが、
施策を行うことでユーザーさんの反応や売上UPなど「具体的な動き」が見え始めたことが楽しく、ワクワクする気持ちが上回っていきました。
自分なりには全力で取り組めましたし、関わる人たちに喜んでもらえたのは何より嬉しかったです。
他部署からの相談も増え、少しずつ認めてもらえるようになったと感じましたし、新メンバーもどんどん増えて「会社からの期待」も強く感じました。
今まで取り組んできたことが間違ってなかった、無駄ではなかったと思えました。
仕事に取り組むにあたり、「何のために仕事をしているのか?」常にここがブレないように気をつけていました。


3.まとめ

最後にまとめとして、仕事をする上で僕がいま一番大事だなと思うことは、「想像力と洞察力」です。
・ユーザーさんの目線で自社、ブランド、商品を客観的に評価する
・ユーザーさんが求めるモノやコト、インサイトを的確に捉える
・仕事で関わるすべてのパートナーさんと、お互いにとって良い関係を築く
・タスクを予定通りに進めるために準備、交渉を抜かりなく行う
仕事の勘所で効いてくるのが、「想像力と洞察力」ではないかと思います。

1年間を振り返って、平凡な僕でもここまで何とかやってこれたのは、マーケティングという仕事にワクワクしていて、会社のビジョンを実現したいと本気で思っているから。そして何よりも周りの人たちに支えてもらっているから。そう思っています。

2年目に突入した現在、新たな取り組みもたくさん増え、そして部署の統合を進めるという新たな展開(これもまた大きな壁)にもぶち当たっているのですが…これはまた別の機会に。

僕の経験談と、その時に得た学びや感じた思いを書かせていただきました。
読みづらい点もあったかもしれませんが、何とぞご容赦ください。
長文になってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。

あなたにとって、僕の経験がちょっとでも役に立てば、とてもうれしいです。

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