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曲がりくねっても道

 無職になって半年が過ぎた。まさか半年も無職するとは思わず、このまま1年を無職のまま終わらせてしまいそうでもある。
 メンタルを壊して逃げるように仕事を辞め、薬を飲みながら転職活動をすぐに開始した。3月までに2社内定をいただいたが、働く気持ちに全くなれず辞退した。なにか状況を変えたくて、4月5月は友人のバーで働かせてもらった。お酒を作るのは楽しかったし、何よりいろんな大人に会えるのが面白かった。会社ではちゃんとしてるのだろう人もお酒を飲めばグデグデになっている姿を見て、「大人」であり続けるのは何歳になっても大変だし、だからこうやってお酒や人や場所などに逃げる必要があって、そうやってみんなやり過ごしてるのだと思うと勝手に安心した。
 バイトとはいえ働いていると、1人じゃないことや、役割があることが、私のメンタルを安定させてくれた。けれどそこは私にとっての逃げ場所で、いつまでもそこにいるわけにもいかなかった。バーのアルバイトだけでは生活はできない。6月から、バイトを辞めてまた転職活動を再開した。それから1ヶ月が経とうとしている。
 面接以外で人との交流が減ったからかメンタルがまた落ち込み気味である。薬が体に慣れてしまったのか、あまり効いている感じがしない。家にいると、ずっと動画かsnsを観てしまって、それがまたメンタルを悪くするので外へ出ることにした。
 今日は美術館へ行った。100年前くらいに描かれた植物の絵の展示だった。どの絵も精緻に描かれていて、どれもポストカードにしたら映えそうだなとぼんやり観ていた。正直に言えばあまり集中できなかった。ずっとモヤモヤしていて、それがなんなのか、絵を観ながらうっすら理解した。
 モヤモヤの原因は文章を書いていないことにある。文章を書かなくちゃいけないとずっとこの半年、いや、もう何年も思っている。思っていてちんたら書いたり書かなかったりしていることにモヤモヤしているのだ。私はコツコツやる、ということが苦手でとにかく書くことから逃げていた。でももうそれじゃいつまで経ってもモヤモヤが消えない。だからこうして文章を書いている。絵を観ながらこの絵を描いた人たちもずっとコツコツやってきたから、こうやって今の自分がこの絵に出会えているわけで、とにかくコツコツやるしかないのだと悟った。半年も無職していたのだからたくさん文章が書けたはずなのにこうやって時間を無駄に浪費してるあたりが自分らしいと思う。でもそれでもいいや、と開き直ることにした。とりあえず思いついたことを文章にして公開する。誰にも見せない日記のようなことも書いていこうと思う。もう書かないと、この死にたい気持ちがなくならないし、モヤモヤが消えない。人にみせる必要はない気もするが、見せるつもりで書かないと文章も上手くならないので公開する。
 この文章はマクドで書いている。なんかの記念でドリンクが50円だった。
 無職でいるのももう疲れたので、今は最終面接を受けたところから内定が出るのをじっと待っている。

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