ブックレビュー「武器より一冊の本をください 少女マララ・ユスフザイの祈り」

「わたしが勉強したいという思いを、銃で撃つことはできない。」

2013年に国連演説をしたパキスタンの少女マララの言葉だ。

父親の知り合いのジャーナリストからの依頼で、イスラム武装勢力タリバンの恐怖下で生きる日々を匿名ブログで発信。医者になる夢に向け勤勉な彼女は、タリバンによる女子学校の破壊・閉鎖を批判し女子教育の必要性と平和を訴え、注目を浴びる。これに黙っていられないタリバンは、通学途中の当時15歳の彼女を狙い銃撃した。

故郷の自然や友人・家族との日常を通し自らの考えを綴るマララの記録からは、国への愛と正しいことを正しいと主張する勇気を感じとれる。「一冊の本、一本のペンが世界を変えられるのです。」

銃撃から奇跡的に一命を取り留めた彼女は、タリバンの意に反しさらに強く主張した。ある者にとっては脅威、ある者にとっては生きる術となる『教育』の重要性を改めて考えさせられる一冊だ。

ヴィヴィアナ・マッツァ 著、 横山千里 訳,
金の星社 (2013/12/5)



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