【#7】 ウイスキーの熟成に欠かせない樽について
概要
今回は熟成工程に欠かせない”樽”の素材について主に説明していこうと思う。また、マリッジやカスクフィニッシュなどの製法についても説明しようと思う。
ウイスキー作りに用いる樽について
前回、ウイスキーの製造工程の中でも終盤に位置する”熟成”について紹介した。
熟成は樽に入れることで進行するわけであるが樽一つとっても素材・大きさなど幅広く種類が存在し、風味や味わいに大きな影響を与える。
今回は、素材について説明したいと思う。
樽の素材に関して、オーク樽・シェリー樽・ワイン樽・バーボン樽などが存在する。
シェリー樽・ワイン樽に関しては、それぞれシェリー・ワインを熟成させた樽を再利用という形でウイスキーの熟成用に用いる。
バーボン樽に関しては、バーボンウイスキー(アメリカンウイスキー)を熟成させた樽のことである。
背景として、バーボンウイスキーは新樽(新品の樽)を用いるという決まりがあり、スコッチウイスキー・ジャパニーズウイスキーなどはバーボン樽を用いることが多い。
まとめるとこれらの樽の名称は、今回熟成に使用しようとしている樽が、以前に何を熟成していたかに由来する。
一方、オーク樽は、その名の通りオーク (ブナ科 コナラ属 の植物の総称) を用いて形作られた樽のことであり、オーク樽の中でも、北米産のホワイトオーク・ヨーロッパ産のスパニッシュオーク・日本産のミズナラなどが存在する。また、ホワイトオークはバーボン樽に、スパニッシュオークはシェリー樽・ワイン樽に使用することが多い。
次に、使用する樽を例にあげて架空のウイスキーを作成してみる。
xxxウイスキー(スコッチウイスキー)は、ホワイトオークのバーボン樽と、スパニッシュオークのシェリー樽をブレンドして作る。
xxxウイスキー (バーボンウイスキー)は、ホワイトオークの新樽を用いて作る。
マリッジやカスクフィニッシュについて
マリッジ (後熟) は、熟成したモルト原酒とグレーン原酒をブレンド後、再度樽詰めし、貯蔵することをいう。再貯蔵することで個性の違う原酒が馴染み一体化する効果が期待できる。(ブレンデッドウイスキーに使用される)
ニッカのフロム・ザ・バレルはマリッジ製法が用いられていることでも有名な銘柄である。
カスクフィニッシュは、一度熟成させた樽から別の樽に移して再度熟成を行う製法である。例えば、x年a樽で熟成させた後に、y年b樽で熟成を行うウイスキーが、カスクフィニッシュを行ったことに該当する。(シングルモルトウイスキーに使用される)
ウイスキーの銘柄を確認すると、樽に関する表記が書いてあることもあるため、確認してみるのも面白いと思う。
最後に
この記事は「wednesday whisky weblog」というマガジンに含まれます。このマガジンの他記事も見ていただければ幸いです。
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