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珈琲といえば深煎りブレンド専門だった私が浅煎りスペシャルティコーヒーにはまった話
学生時代から、秋冬だけコーヒーに凝りだす人生を送っています。寒い時期は特にコーヒーが美味しい。
そしてつい先々月までは、カフェでも家用に豆を選ぶときも「コク、苦み多め、酸味極力少なめ」が基準でした。当然「深煎り系ブレンド」がメイン。産地も意識せず、コーヒーの精製方法すら知りませんでした。
なのになぜ、今、酸味の強い浅煎り系スペシャルティコーヒーを愛飲するようになったのか?
自分でも面白い経験だったので、つらつら書いてみようと思います。
味覚が変わったわけじゃない
今でも昔ながらのカフェも好きです(タバコ臭い喫茶店は敬遠するけど)。
味覚が変わったというより、違うタイプのコーヒーに出会って好きになった、という流れだと思う。
今まで知っていた珈琲の世界とは違う、パラレルに広がる別のコーヒーワールドがあった!という発見。実はそれ、沼、だったわけですが。
そもそも「スペシャルティコーヒー」って?
コーヒー好きな人には良く知られている言葉のようですが、ついぞこの間までまったく馴染みがありませんでした。
ちゃんと定義があるけど、雑にまとめると
どこの国の何々地域の、だれだれ農家さん(達)が、どこでどんなふうに作って、どこでどんなふうに精製したか?っていう情報が全部透明になっている産直野菜的な高品質コーヒーのこと。
つまり、昔飲んで嫌いになった「ブルーマウンテンなんちゃらブレンド」のような、メインの豆の国名だけしかわからない、いつ焙煎されたかわからないすっぱいコーヒーとは違うってこと。(ちなみにそんなコーヒーも、淹れ方次第で断然美味しく出来ることを後で知るのだけど、それはまた別の話)
「スペシャルティコーヒー」になるには
って、いきなりコーヒー豆目線ですが。
厳格な国際資格をもったコーヒーの専門家が、ブラインドでコーヒーを飲んで「これはスペシャルティコーヒーですね」という認定を複数人に受けることで、その豆が「スペシャルティコーヒー」となるそうです。
認定された豆は、グレードが高い豆として値段が上がり、生産者に還元される仕組みらしい。これって下手なフェアトレードより、ずっとサスティナブルな気がする。
スペシャルティコーヒーは、ワインのようにその土地ならではの個性・風味を損なわないように作られているから、ほかの豆と混ぜることはあまりしないし、焙煎も出来るだけその豆の風味を引き出そうとして酸味強めの浅煎りの焙煎、が主流になっているそうです。
スイーツ、むしろ要らない
たしかにスペシャルティコーヒーを飲むと「コーヒーって元は果実だったんだ!(←追記:正確には果実の種)」と実感するぐらい果物やドライフルーツのような甘みや酸味をとても感じることが多い。そして飲んだ後、少したってからも甘い余韻があって、飲んだ後まで美味しい。以前は、甘いお茶請けとともに珈琲を飲むことが多かったけど、スペシャルティコーヒーを飲むようになってからコーヒーの液体自体に甘味を感じるのでブラックで全然大丈夫、というかむしろ甘いもの要らないかも、と思うようになってしまった。
以前は、お菓子を美味しく食べるために珈琲を飲んでいた、といっても過言ではなかったのに・・・!
そもそものきっかけ
直接的なきっかけは、単純に、自分の好みに合ったスペシャルティコーヒーにカフェで偶然出会ったのが直接のきっかけ。でも、そこに至るまでに外せないステップがいくつかあって、ざっくり時系列に並べるとこんな感じ。(ちなみに細かい話はもっとあったけど省略)
自分専用のアトリエを持った
アトリエでコーヒーをちゃんと淹れたいと妄想した
コーヒーの道具が欲しくなった(もともと自分、道具マニア)
Youtubeに、情報がわんさか出てきた(ちゃんと沼だった)
道具だけじゃなく、豆にもちょっと詳しくなった(スペシャルティコーヒーとかね)
道具を買った(TIMEMORE C3、ハリオのV60ドリッパーなど)
新しい道具を試すためにいつもと違うコーヒー豆を買おうとした
お店が臨時休業してた
偶然入ったカフェが浅炒りスペシャルティコーヒーの店だった
コスタリカのゲイシャ種を飲んだ
ハマった
いろんな国の豆・焙煎のスペシャルティコーヒーを飲み始めた←今ココ
やっぱりねー、道具マニアだからかもしれないけど、やっぱり道具の力って大きいと思う。道具を新調しなければ、新しい種類の豆を買うこともなくいつもの豆を買っていただろうし、もっといえば、アトリエを作らなければコーヒー道具を新調する必要なんてなかったわけで。
あと、偶然入ったカフェがスペシャルティコーヒー専門店じゃなかったり、その時お店に出していた豆がエチオピアのナチュラル、とかだったら、ここまではまらなかったかもしれない。(追記:今では好きです。エチオピアナチュラル)スペシャルティコーヒー店って、季節やタイミングによって違う国の豆のコーヒーを出すことも多いから、大いにありうる話なんです。
しかも、自分、スペシャルティコーヒーは初めてではなく、以前に何度も飲んだことがあるのです。今回たまたま「好みのスペシャルティコーヒーの味」に出会えたのはラッキーだったんだと思う。たぶん。まあたぶん。(←この後、めっちゃコーヒー豆に散財することになるので、もろ手を挙げてラッキーとは言えなかったりもする。)
どれも同じコーヒー。されど一期一会
いろんなコーヒーを飲み始めて実感したのは、「一言でコーヒーって括るのが怖いくらい様々な種類と味がある」ってこと。とくに純喫茶的な場所で淹れられる深煎りのネルドリップコーヒーと、サードウェーブ以降のお店のスペシャルティコーヒーの違いたるや!同じ「コーヒー」という名前がついていることが不思議なくらいです。いや、どれも同じコーヒーなんだけどさ。
もっと言うと、スペシャルティコーヒーの中でも、産地とか精製方法とかでだいぶ違う。いや、どれも同じコーヒーなんだけどさ。(2回目)
ちなみに今特に好きなのはルワンダやコスタリカのブルボン種・ウォッシュド。柑橘系。
さらに言うと、同じ農地の同じ精製所の豆でも、焙煎士によってまた味わいが変わる(ロットとかも影響がありそう)。本でいうと、原作同じでも翻訳者によって違う文章になる感じに近い。どれも同じコーヒーなんだけどさ(あー3回目。もうやめます)。
真面目な話、農作物全般そうなんだけど、コーヒーも、気候変動の影響で、同じような品質の豆が毎年出来るとも限らないこともわかってきました。今から生産者達も業界も、いろんな製法を試みている模様。そう思うと目の前のコーヒ―一杯も一期一会ですねー。
とりとめもない文章を読んでくださって、ありがとう!またなにかあったら、なんか書きます。
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