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幸福の正体は「良質な人間関係」仕事もプライベートもカギは人間関係

◆75年間の研究の結果、幸せの正体がわかった

幸せって何だと思いますか?

「【幸せ】なんて人それぞれでしょ」
と言ってしまえば、
そこで思考は止まってしまいます。

思考をやめず今も継続している研究が、
ハーバード大学にあります。
それは「幸福な人生」に関する研究です。

1938年から75年間、
742名の人生を追跡調査し、
2013年時点で60名が存命。
被験者の家族も含めると、
さらに2,000名が関わっている研究。

この長期に渡る研究によって、
「幸福な人生を送るための共通項」
が見つかったそうです。

・お金持ちになること
・大統領になること
・友人が多いこと
・結婚すること
などの成功イメージは、
幸せに繋がるかどうかは人それぞれ。

上記の条件下では、
幸せな人も不幸せな人もいました。
誰しもに共通の条件ではないようです。

幸せな人の共通項は、
「良質な人間関係」だそうです。

誰とでも仲良くということではなく、
良質なものだけにする。

「孤独は人を殺す」
孤独だと寿命が短いという事がわかり、
「否定や喧嘩は有害」
ネガティブな関係性は健康を害する事がわかり、
「受容や肯定、信頼」
という良質な関係性が、
脳(心)と体を健康にし、
幸福な人生に関係性する事がわかったようです。

人生を幸せにするには、
有害な人間関係を断ち切り、
良質な人間関係を構築する事が必要です。

◆ホーソン実験で製造業のキモがわかった

仕事でも良質な人間関係は有効なのでしょうか?

それを考えるに有効な実験結果の一つが、
ホーソン実験です。

ホーソン効果、
ホーソン研究とも呼ばれます。

ホーソン実験は、
1924年から1932年の約8年間、
米国シカゴにあるウェスタン・エレクトリック社(GE社)のホーソン工場にて、全米学術協会の主導で始まりました。

途中からハーバード大学の精神科医エルトン・メイヨー氏などが加わり、最終的に人間の作業効率に関する大規模な実験となりました。

実験の契機は、
工場内の照明が明るければ作業員の効率が向上することを証明するためでした。
当時電気部品の生産を担っていたホーソン工場で
「照明実験」
「リレー組み立て実験」
「バンク配線作業実験」
などの実験・研究が行われました。

そこでわかったことは、
「作業員同士の人間関係が生産性を上げる」
という想定外の結果です。


照明実験では、
照明を明るくしても暗くしても効率はアップしました。
リレー組み立て実験では、
温度を上げても下げても効率はアップ
休憩を定期にしても不定期にしても効率はアップ

予想に反して、
仕事環境を良くしても悪くしても、
作業効率には影響を及ぼさなかったのですが、
実験中に面接でヒアリングするうちに、
人間関係が関係しそうだという傾向が見えてきて、
バンク配線作業実験でそれが証明されます。

作業員一人あたりの生産性に影響するのは、
能力よりも仕事に対する意識
特に上司と良い人間関係を築けていれば、
ミスが少なくなることが明らかになりました。

効率を上げるには意識を高める。
意識を高めるには人間関係を良質に。

製造業において、
仕事の効率も「良質な人間関係」が共通項であることがわかったわけです。

◆プロジェクト・アリストテレスでIT業のキモがわかった

「それは特定の業界だからでは?」
と疑問がわく人もいるのではないでしょうか。

違う業界でも、
「良質な人間関係」が大事だと証明されたのが、
米Googleで2012年〜2015年に行われた、
何百万ドルも投じた労働改革のプロジェクト、
プロジェクトアリストテレスです。

プロジェクトアリストテレスでは、
・チームメイトは、社外でも親しいか
・どれくらいの頻度で一緒に食事をしているか
・学歴に共通性はあるか
・外向的な社員を集めてチームにするのがいいのか、それとも内向的な社員同士の方がいいのか
・彼らは同じ趣味を持っているか
など、多岐に渡る観察を行い、
パターンがないかを分析していくものでした。

この分析の前提に出る疑問として、
「パターンがあったとしても、それは働き方の問題ではなくて、単にメンバーの能力の違いによるのではないか。要するに、優秀なメンバーが集まったチームは常に成功している。それだけの話ではないか」
という疑問もわきますが、
実態としてGoogleのチーム編成は固定化していません。
一人の社員が異なる業務目的で、同時並行的に複数のチームに所属しています。
中には、メンバーの大多数が重複する2つのチームでも、片方のチームの生産性は高く、もう片方は低いこともあるので、「優秀なメンバーが集まっているだけ」ではないことは証明されています。

プロジェクトアリストテレスでの分析は難航し、
なかなかパターンを掴めないでいましたが、
ヒアリングやインタビューの中で、
「他者への心遣いや同情、配慮や共感」
といったメンタルな要素が重要である事が見えてきました。
成功するグループ(チーム)では、これらの点が非常に上手くいっていたようです。

「こんなことを言ったらチームメイトから馬鹿にされないだろうか」
「リーダーから叱られないだろうか」

といった不安をチームのメンバーから払拭できれば、最高のパフォーマンスが引き出され、チームの仕事は成功する事がわかりました。

心理学の専門用語では、
「心理的安全性」
と呼ばれる安らかな雰囲気をチーム内に育めるかどうかが、成功の鍵だということが導き出されたそうです。

プロジェクトアリストテレスの結果から浮かび上がってきた新たな問題は、個々の人間が仕事とプライベートの顔を使い分けることの是非です。

公私混同という意味ではなく、
同じ一人の人間が会社では「本来の自分」を押し殺して、「仕事用の別の人格」を作り出すことの是非です。

本音と建前を使い分けなければいけない環境では、パフォーマンスは発揮されません

信頼できる仲間達と、
本音を言っても大丈夫な環境。

良質な人間関係とは、
そういった人間関係を指すようです。


ホーソン実験とプロジェクトアリストテレスで、
仕事でも良質な人間関係は効果を表すことが導き出されました。

3つの研究や実験により、
人生を豊かにするのも、
仕事を豊かにするのも、
「良質な人間関係」
が共通のカギだという結論に着地しました。


次回からは、
良質な人間関係を構築するための方法、
コミュニケーション方法や考え方について触れていきます。

◆優優コミュニケーションからのお願い

コミュニケーションや人間関係で悩み、
人生を楽しく無さそうにしている人がいたら、
「優優コミュニケーションって知ってる?」
と声をかけてあげて欲しいです。

息苦しい日本を優しく優れた日本に変えたい。
著者からのお願いでした。

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