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迷った日の跡のささくれ

つい最近、アマプラで映画「糸」を見ました。


私は映画の感想とかなかなか語彙力が乏しくて言葉にできないタイプなのですが、やっぱりどんな形でも記録に残しておくことって大事だと思うので、特訓がてら短い感想を綴ってみたいと思います。


私は、この20年間、ほぼ恋愛に無縁といっていいくらいに、恋愛のお話には共感できるような人間ではないのです。なのでこの映画を見る時も、(いや~自分には刺さらないかもな)と思っていました。

しかし、これはただの恋愛映画ではありませんでした。



平成元年に生まれた葵と漣。幼い頃からお互い惹かれあっていた二人でしたが、葵の親の都合で二人は離れ離れになってしまいます。

そして、8年後に友人の結婚式で二人は再会するのですが、葵も、漣も、あの頃二人でそれぞれ語り合っていた将来の自分とは想像もしなかった生活を送っていました。

映画の構成的には、それから葵サイドのこれまでの人生と、漣サイドのこれまでの人生が描かれます。


どちらの人生もすごく濃くて。二人が再会するまでの間、いや、再会してからも、それぞれは全くもって違う世界で生きていて、でも共通しているところが1つありました。

それは、「今」をひたすらがむしゃらに生きていたところです。


子供の頃に描いていた大人には、

そう簡単にはなれないかもしれないけれど、

簡単に報われてしまう努力なんてものはないのかもしれないけれど、

とりあえず、「今」を必死に生きる。

何故生きていくのかを
迷った日の跡のささくれ
夢追いかけ走って
転んだ日の跡のささくれ
こんな糸が何になるの
心許なくて震えてた風の中

2人を繋ぐ「糸」。
私という自分を繋ぎとめる、心の「糸」。


どんな風に当てはめても、「何になるの」と思う時があったとしても、信じ続ければきっとその糸は切れることはないと思います。


立場や、人との関係、何にだって、突然終わりが来ることだってあります。

でも、そんなことをずっと考えながら過ごしていたら、何も挑戦出来ません。

なんやかんや、人生は諦めなければなるようになるんだと、軽薄かもしれませんが私は思います。この映画を見てそう思わされました。



葵も漣も、出会うべくして出会って、恋に落ちて、1度は引き離されたとしても、互いを思いながら諦めずにがむしゃらに生き抜いたからこそ、また出会うべくして2人は再会出来たのでしょう。

縦の糸はあなた
横の糸は私
逢うべき糸に出逢えることを
人は仕合わせと呼びます


平成という激動の時代を生き抜いた彼らをリアルに目の当たりにしたようで、自分もこれから「頑張ろう」と、映画を見終えた時にはそんな勇気を貰いました。


それと、改めて中島みゆきさんの「糸」は名曲だと感じました。
今日は3月1日。公立高校の卒業式の日ですね。
私も2年前のこの日に高校を卒業して、その時にこの曲を歌いました。
卒業式になんで糸を歌うんだろうとか当時はちょっと思ってたりもしたんですけど、卒業式だからこそ、この気が選ばれたんだなと今になってはちゃんと理解できました。笑
恋の歌だけでは片付けられない、人と人との強い繋がりや、「生きる」ことの尊さを、易しい、優しい言葉で教えてくれます。


結局なんやかんやで長くなってしまいましたが、(笑)
この位で終わりにしたいと思います。


今日卒業の高校生、おめでとうございます。変わらないものを大切に、人と人との「糸」を大切にして生きて欲しいなと、偉そうですがちょっとだけ年上の先輩はそう思いました。


私も、色々諦めてしまいがちな人生から卒業しよう。




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