よしひと

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「1、2、3、ドン」

 エイサーを始めて十数年がたった。その間、地元の老人ホームの慰問や「博多どんたく港まつり」「長崎ランタンフェスティバル」などの九州各地のイベント、エイサーに携わる者の憧れの舞台である「沖縄全島エイサー祭り」に参加するなど、多くの貴重な経験をしてきた。エイサー太鼓の打ち手は、体躯のいい若い男性というイメージがあるが、僕は上背こそ180cmあるものの、重さが5キロある太鼓を持って踊れば、すぐに倒れてしまいそうなほどやせていて、エイサーのイメージからはほど遠い。それが不思議なことに

    • セロイにはなれない

         今年になって、職場で流れているコミュニティーFMから聞きなれないリフォーム業者のコマーシャルが流れるようになった。そのロングハウジング(仮称)いう会社は、悪質な業者だった。「火災保険の保険金で自己負担なしで修繕・修理ができる」という謳い文句で高額な工事をして、荒稼ぎをしていた。台風の被害を装って保険金の請求をさせているらしい。中には十分な保険金が支払われずに泣き寝入りするしかない顧客がいるという話が、僕のところにも話が伝わってきた。ラジオでCMを流したのは、実績のない

      • つながりに苦しむ

         2013年の日本ダービー。キズナという馬が3歳サラブレットの頂点に立った。キズナという名は、東日本大震災の後、盛んに使われた「絆」という言葉に由来としている。スランプに喘いでいた鞍上武豊の久々のダービー制覇と相まって、被災地の人々に希望を与える明るい話題であった。しかし、私は、キズナのダービー制覇と武豊の復活を素直に喜べなかった。それは「絆」という言葉を聞いて、大学時代の寮生活の苦い経験を思い出したからだった。  私の通っていた国立大学の男子寮では、学部生のほか、院生や5年

      「1、2、3、ドン」