物件のオーナーが福祉施設としての物件活用を嫌う理由と物件活用のメリット
障害福祉業界を明るくしたい行政書士の篠原です。
当事務所にご相談に見られるクライアントの1・2を争うくらい多い悩み、それは「物件が決まらない」です。
当事務所がいつもお願いしている不動産管理会社でもオーナーから嫌がられるケースが多いと耳にしています。
ですが、空き家が増えている現状もありますよね。
この空き家がどんどん増えていくと建物が劣化していき、倒壊の恐れがあったり、維持にお金がかかるケースが多いので、国としては空き家を福祉施設として活用を勧めている現状もあります。
さてこのように物件の福祉施設としての活用を国は勧めているのにどうしてオーナーは物件を福祉施設として活用することを嫌うのでしょうか?
今回はそんなオーナー目線に立った理由をご紹介します。
嫌う理由①契約まで時間がかかる
福祉施設は行政の許可が必要です(「指定」と呼びます)。
この許可を得るために従業員を必要数雇わなければならない、部屋の広さが足りずにリフォームが必要になるといった行政の要件を満たさなければならず、契約がすぐに決まらないという理由もあります。
リフォームにもお金と時間をかけたのに、許可が出ずにオープンが遅れることでさらに契約が伸びることもあります。
オーナー仲間で以前福祉施設として物件を活用した時の苦労を聞いていたりするとさらに二の足が出ない状況も有り得るでしょう。
オーナーが嫌う理由の1つが「時間がかかる」です。
嫌う理由②住民・近隣からの苦情の危惧
オーナーが嫌う理由の2つ目が「苦情が面倒くさい」というものです。
ノーマライゼーションやソーシャルインクルージョンという言葉が広く知られるようにはなってきましたが、まだまだ障害者や認知症の高齢者を受け入れ切れないように思います。
近隣から「声がうるさい」「ぶつかった」「車の出入りが多い」等の苦情が出てくることを危惧しているオーナーもいらっしゃいます。
オーナーの福祉に対するイメージが先行することで福祉施設としての活用を嫌がるケースもあるようです。
では反対に福祉施設として活用するメリットはどうでしょうか?
福祉施設として活用するメリット①:長く借りて頂ける
こちらの契約したら長く借りて頂けるは許可に時間がかかる分、許可が出れば長く契約して頂けるというメリットがあります。
始めの初期投資のところでは物件のリフォームだったり、なかなか契約が決まらないというところで時間やお金がかかりやすいのですが、契約が決まると事業者が廃業しない限りはずっと利用者に使用して頂けることになります。
この視点から行くと物件のオーナーは賃借人に対して福祉への思いと経営のセンスを求めていくでしょう。
福祉施設として活用するメリット②:物件の内部の管理を委託できる
物件の外部の管理は不動産管理会社の仕事になってきますが、実際に物件をどのように活用していくかという内部の管理については賃借人次第になります。
実際に物件を借りて頂くことで修繕箇所を早期に発見できる可能性もあるので、結果として物件が長持ちするきっかけにも成り得ます。
障害福祉サービス事業を始めたい方が指定申請に向けた準備をする際に役立つ情報をこちらにまとめております。お役立てください。
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