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内面と外面がつながった真の美をつくる株式会社ベルリーナの代表取締役、中島美貴子さん

中島美貴子さん(後敬称略)ご自身の辛い肌トラブルを克服しするために、ご夫婦で自然派化粧品を研究開発し、外面だけでなく内面とつながった精神美を磨いていく経緯やエピソードをお伺いしました。

中島美貴子(なかじまみきこ)さん
株式会社ベルリーナ代表取締役社長
女性のトータル美(内面・外面・精神美)を提案、啓蒙する女性経営者。
アレルギー肌で長年悩み、輸入化粧品による皮膚トラブルで2~3年通院した苦悩の日々を送り、夫の中島幸夫(農学博士・㈱ベルリーナ代表取締役会長)と共に肌にいい化粧品をつくるため、研究を重ね、天然素材を主成分にした化粧品を開発。1977年に㈱ベルリーナを設立。
資格;メイクアップアーティスト、カラーアナリスト、エステティシャン、TA心理学トレーナー

記者 いつも笑顔で素敵な中島さんは化粧品会社のイメージがぴったりですが、化粧品の会社をしようと思ったきっかけを教えてください。

中島 化粧品の会社をしようと思っていたわけではなかったんですが、もともとアトピーで顔にニキビがすごくあったんです。どうにかニキビを治したいと思って、高校の頃からおこずかいを貯めては、化粧品を買っていました。でも、どんどんひどくなってニキビ跡や吹き出物、顔は傷だらけで皮膚がデコボコになっていったんです。ある日、友人の紹介で、40年前当時の価格で5000円もするアメリカ製の高価なクリームを買ってみたんですが、その日の夜から腫れてきて、かゆくなって、目も開けられなくなってしまったんです。それを見た主人が皮膚科の病院に連れて行ってくれました。でもどうしようもないくらいかゆくて、寝てる間に掻いてしまい血が出て、跡が残って、地図みたいなシミが残ってしまったんです。

その頃、昭和45、6年に「またまた化粧品公害で自殺」って記事がよく新聞に出ていました。その原因は色を白くする水銀と女性ホルモンだったんです。化粧品の中にたくさん入っていたんですね。アトピーの私にとってそれが人の何倍もきつかったんです。そのうち外に出るのも億劫になってしまって。農学博士でもある主人が「熊本の田舎の母がへちま水、ぬか袋とか自然のものを使っていて、肌が綺麗なのに、6つも7つも化粧品を使っていて何で良くならないんだろう?」って、化粧品の製造会社を30年余りやっている知人の協力を得て、紫根の根、ホップとか、合成化学ではなく天然由来の植物エキスを組み合わせて、研究、試作を繰り返して、2年後にやっと私が使える化粧品が誕生しました。それまでは病院の軟膏しか使えなかったから、化粧品が使えることがすごく嬉しかったです。皮膚科の病院で化粧品の肌トラブルで悩んでいる人たちがたくさんいたのを見ていたので、その人たちにまず教えてあげたいと思いました。それが化粧品の仕事しようと思ったきっかけです。

記者 ご主人と一緒に作られた化粧品なんですね!完成までにすごい試行錯誤があったと思います。合成化学でない天然由来の自然派化粧品は珍しかったでしょうね!どのように販売されたんですか?

中島 最初は、化粧品のサンプルを作って、名前、住所、電話番号を書いた紙を入れて、地元のダイエーの前で、今から思うととても失礼なんですが、シミ、ニキビの人を見かけたら「この化粧品使ってみませんか?」って声をかけていました。それからしばらくして団地への訪問販売を4年間やりました。朝から晩までドアノック。1日、30~40人くらいの名前が手帳に書けたんです。まぁ色んな方がいて、「化粧品やったら、あんたが先使い。それからおいで」って言われることもありました。その時はくやしくて仕事する気がなくなって落ち込んで仕事に行けなくなってしまったんです。でもこのままじゃダメだと思ってトークを考えて、自分の肌を話題にして化粧品の話ができるようになったんです。お客様から「一回使おうか」って言ってもらえるようになりました。それから落ち込むことがなくなって、営業がどんどん面白くなっていきました。

記者 今のお仕事が天職になったキッカケを教えてください。

中島 起業して10年くらいの頃、訪問販売で、お医者様の奥様と知り合ったんです。とても綺麗でかわいくて、肌もしっとりとしていて、髪にも艶があって、部屋にもバラの花が生けてあって、素敵な生活をされてらっしゃる奥様がいました。ある日、会社が忙しくて3ヶ月ぶりに訪問したら、ピンポンを押しても中に人の気配があるのに誰も出てこないんです。もう一回押したら、玄関横の窓から顔を出した奥様が見る影もないほどにやつれておられて、つい「どうしたの?」って思わず言ってしまいました。家の中に入ると、部屋の中が荒れ果てて、新聞、飲みかけのコップなどがひっくり返っていました。奥様は床にぺたんと座って、泣きはじめました。奥様のお話によると、ご主人の帰宅が遅くなり、外泊も多くなって、どうも仕事の出張ではない様子。子どもがかわいそうでしょうがない、ということでした。とてもかわいそうで、当時の私は何と言って慰めたらよいのかわかりませんでした。「家の中を片付けましょう、綺麗にお化粧しましょうよ」と言うのが精一杯でした。
奥様の顔には、しばらくお会いしていない間にシミやくすみ、小じわが出ていました。私は労りと励ましの気持ちを込めて、一生懸命お化粧をさせていただきました。すると私の背後から「ママきれい!」って小学校の息子さんが喜んで奥様に飛びついてきました。「私まだ綺麗かしら…」とたずねる奥様の笑顔から輝くような美しさがありました。昔に返ったようで奥様が「お茶を入れてくる」って立ちあがったとき、私はこの仕事が天職だと思いましたね。

記者 素晴らしいエピソードですね。化粧品を販売するだけでなく、まさに人助けでもあるんですね。ふだんから愛情に溢れてらっしゃる中島さんですが、理想とされる方、尊敬されている方がいましたら教えてください。

中島 私が一番尊敬するのは母ですが、母の深い愛を感じた出来事があります。私が起業して間もない頃、すぐにお金がなくなって100万どうしても必要になったとき、私は結婚式も挙げてないし、あまり親の世話になってないから、これくらいしてくれるだろうっていうのがあって実家に電話してみたんです。今から思うと甘えやね。そしたら母に「みき、簡単に電話1本でお金が用立ててもらえると思うお前やから(会社が)つぶれて当然や」って言われて電話を切られてしまったんです。私も負けん気が強かったので、腹が立って「もういいわ!」って主人と2人で駆けずり回って、なんとか主人が用立ててきてくれたんです。

それから1週間後、姉から電話がかかってきて「お金どうしたん?」って、私が「何とかなったわ、あんな薄情な親…」って言ったら、「お母さん心配して、即私にお金おろしておいでって。いつ取りに来てもいいようにしといたりやって言ってたんよ」っていうのを聞いて、私は目頭が熱くなりました。

今になって思うのは、お金の厳しさ、商売の厳しさを教えてくれたのは母だったと思います。厳しさって絶対に大事。よしよし取りにおいでって言われてたら、今頃会社はなかったかもしれません。母の有難さ、大きさ、厳しさの奥にある深い愛を感じましたね。

記者 いろんなものがAI化されていく時代ですが、これから必要とされるニーズは何だと思いますか?

中島 人との関係は不滅で意思疎通はなくならないと思います。人とのふれあいが大事だと思います。どんなにいい人でも人間関係ができない人はビジネスで成功しないですね。

記者 このサイトのタイトルにもなっていますが、これからどんな美しい時代をつくっていきたいと思いますか?

中島 内面、外面、精神美のバランスが取れた社会をつくりたいですね。そう思ったきっかけは、大阪にある豪華なビルのお披露目に呼ばれた時のことです。予定より早く着いて化粧直しをしようとコンソールミラーに近づいたとき、朝日がちょうど鏡に反射して、私はつい飛び退いてしまいました。心の中まで鏡に移る気がしたんです。誰も見ていないのに恥ずかしい気がして、堂々と立てなかったんです。その瞬間、「表だけ磨いてもあかん。中と外を磨かないと本当の美人にはなれない」と思いました。

このことがきっかけで、「あなたは鏡の中に何をみますか?ベルリーナはお肌を磨いて心を磨きます」っていうベルリーナのキャッチフレーズが浮かんだんです。これからも、もっと女性が明るくて元気で綺麗な世の中をつくっていきたいです。

記者 本日は素敵なお話をありがとうございました。とても感動的なお話ばかりで、中島さんご本人が内面と外面がつながった生き方を体現されているんだなと感じました。これからも多くの方が中島さんの笑顔と美しさの魅力に引き寄せられていきますね!これからも益々のご活躍を心よりお祈り致します。

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中島美貴子さんの情報はこちら↓↓

株式会社ベルリーナ http://belleleena.co.jp/

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≪編集後記≫

インタビュー担当の泊、塩見です。50代、60代、70代と年を取るにつれて、その人の人生の生き様が表ににじみ出てくるのを感じました。外面も大事ですが、中身も磨いていく大切さを感じました。本日は、体調が思わしくない中、ご協力いただき本当にありがとうございました。

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン”美しい時代を作る人達”にも掲載されています。