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2020/5/10 日記、読書記録
村田沙耶香『丸の内魔法少女ミラクリーナ』に収録されている作品は4篇で、最後の『変容』だけ受ける印象が全然違った。良い意味で。
『変容』は、怒りの感情や、セックス (エクスタシー)という行いが古いとされ、「魂のステージを上げる」ことを目標として生きる人達を描く、近未来的小説。
この作品だけ書かれたのが他の3篇より5年ぐらい後と知る。その空白期間に作者の興味の先が、ジェンダーやフェミニズムから、人間のもっと根っこの部分にシフトしていったのかもしれない。既存の価値観を描くのではなく、自らが新しい価値観を読者に提示してみる。より、実験的な方向に向かってる気がする。
ちょうど読み終わりかけ時になって、注文していた本が届いた。出版社クオンの新しい韓国の文学シリーズ3冊。少しずつ集めていたけれど、自粛としての引きこもりが後押ししたのもあって、まとめて買ってしまった。クオンと同じ会社が経営している韓国の書店、CHECCORIにて注文したので、クオンのブックカタログもいれてくれてる。とても嬉しい。
シン・ギョンニムの『ラクダに乗って』は、作者の全著作の中から選りすぐりの作品を選んだ詩選集だ。
私の本棚に、詩集はない。この本も、シリーズのコレクションを目的としなければ、手に取ることはなかっただろう。
結論から言うと、とても素晴らしかった。すべての詩作品に、韓国での暮らしのリアルがダイレクトに脳味噌に響いてくるみたいで。
詩というものの楽しみ方を、私はよくわかってないけれど、家にいながらにして、遠くへ、それこそ韓国の人達が暮らす街のど真ん中へ連れてってもらえたように感じた。
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