帰る場所があること

今日、ふと姉から「大丈夫?」との連絡がきた。

・・・ん?急に何?

大学入学から一人暮らしをしているから、もう11年、家族の元を離れ、新しい家族を作る事もなく生活している。慣れた、というよりも、この生活が僕にとっての日常。誰もいない家に帰ってきて、電気をつける。この家での音は、テレビやスピーカーから流れる音か、たまにテンションが上がってつい歌ってしまっている自分の声。これが日常だから別に寂しくも、悲しくもない。新型コロナウイルスの影響で、多少いつもとは違った日常が流れてはいるけれども、運がいいことに僕にとってはあまり気にならないほどの変化に留まってくれている。

姉からの連絡の一つの原因はそれのようだった。最近の東京は感染者が増えてきているし。

ただそれだけではなく、もう一つ原因があった。最近あった自殺のニュース。端から見ると思い悩む素振りのない人も、突然自ら命を断つことが起きうると、衝撃とショックを受けたらしい。特に心配していたのは、姉というより母親らしいのだが、それを見ていた姉が連絡してきた、ということだった。

それを聞いた時、最初は少し笑った。そんな心配しなくても大丈夫で、僕はあまり思い悩むタイプではないし、実際いまは大きな悩みも特にない。基本的には常に低血圧みたいなイメージで、テンションの上がり下がりがないのか、テンション低めでキープしているとか、そんなタイプだ。

ただ、もし気持ちが落ちてしまった時に、離れて暮らす家族に相談するかな?と考えて、しないかもと思った。これまで相談なんてしたことなかったし、選択肢として一番最初にこないだろうと、そうなると話さないかなと。でも今日、こんな連絡がきたことによって、今後は変わるかも知れない。何かあったら相談しなさい、とか。一人で頑張りすぎないように、とか。そんな話をしたこと、それが頭にあるだけで、僕の選択肢は変わる気がする。

そして、「なんかあったら別に帰ってくればいい。」

今日、一番刺さった言葉だった。まだまだ東京で頑張れる気がした。


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