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2020年 STUDIOが検証すべきこと

スタートアップはすべてが実験

僕はスタートアップはすべてが実験で、1つ1つの新サービス、新機能を出しては市場に受け入れられるかどうかの検証だと考えている。スタートアップには大きく分けると「マーケットイン型」と「プロダクトアウト型」がある。(最近この用語あんまり全然聞かないけど。)

マーケットイン型」は、市場調査をして、既にニーズが浮き彫りになっている課題に対して、サービスを提供していくこと。比較的初期の段階でも売上げが上がりやすいが、サービスにそこまで特徴がないので競合も多くなりがち。ブランドも構築しづらい。

プロダクトアウト型」は自分たちがいいと思ったものや、極端に言うと自分たちが作りたいものをプロダクトとして構築し、リリースすること。このタイプはとても厄介で、極端に伸びて大成するか、作ったけどニーズが全くなかったりして失敗するかの2択になりがち。割合でいうと失敗する確率が格段に高い。
STUDIOは、完全にこっちのタイプだから厄介だ。

STUDIOは創業者で現CPOのKeimaが3年前に始めたプロジェクト(当時の名前はOHAKO Studio)最初はKeimaが1人で作ってたんだけど、とあるイベントで出会い、そこで当時のプロトタイプを見せてもらって意気投合してジョインした。(Keimaが作り始めてから約半年後ぐらいだったと思う)

プロトタイプはまだまだだいぶ粗かったけど、「デザインと開発を1つにする」というコンセプトが伝わってきてとてもいいなと思った。だけど、そのKeimaには市場のニーズを汲み取ることや、売れることには全くといって興味がなさそうだった。そう、完全にプロダクトアウト型で「自分が作りたいものを作ってる」そのものだった。だから売上計画表なんかないし、「正しいものを作れば流行るに決まってる」が口癖。(「正しい」ってなんだよ!っていまでもよくケンカしてる)

だけど、僕はそれが素晴らしいなと思った。

ただの思いつきで作っているのではなくて、いままでアプリやウェブの開発&デザインを1人で数多くこなしてきた原体験があるからこそのプロダクトだった。

僕も過去に、デザイナー兼エンジニアとしてWebの制作会社を立ち上げたり、スタートアップを創業してWebサービスを作ってきたりした。その経験があるからこそ、STUDIOのプロトタイプを触った瞬間に、とても素晴らしいプロダクトだと感じたし、未来のスタンダードになれる可能性があるなと思った。

だけど会社として運営していくには、プロダクトを作ることも大事だが、それを多くの方に使ってもらって、将来的には売上も立てる必要がある。だから、僕自身も比較的プロダクトアウト型で「創ることが大好き人間」なんだけど、STUDIOではブランディングだったり、コミュニティ形成、ビジネスサイドの仕事など、主に「外に魅せる」ことを担当してる。

STUDIOは正式リリースしてから、まだ1年半ちょっとのプロダクトだが、ありがたいことに最近では多くの方に活用していただいている。

STUDIOが完全プロダクトアウト型なのに、しっかりユーザーにも支持していただいているのは、僕たちが下記3点のことに注意してサービス運営を出来ているからだと思っている。

1. ユーザーのニーズを、自分たちの作りたいものとして昇華させていく
2. 本質的な答えを追い求める。
3. こだわりを捨てない

1. ユーザーのニーズを、自分たちの作りたいものとして昇華させていく
プロダクトアウト型と聞くと、オフィスに籠もって自分よがりにサービスを開発してそうだけど、僕たちはそうではない。確かにプロジェクト立ち上げ当初はそんな部分は多かったが、今では多くのユーザーの意見を聞いてサービスの開発に反映している。なぜなら
自分たちが作ったものが、誰かに使われるのはとっても嬉しいから。」
プロダクトを立ち上げる際、最初は楽しくて勢いがあるから、どんなに他人に否定されても士気を維持できるが、正直それだけだと長くは続かない。だから僕は、初期の頃からユーザーに直接会って話を聞いたり、ニーズを共有してもらって開発を進めてきた。またSTUDIOを実際に活用してサイトを運営しているユーザーの方には、ニーズやフィードバックを聞くだけでなく、感謝の想いも伝えたかったので、僕が直接会ってインタビューして記事にしたりもした。それを「STUDIO Story」というカタチでまとめているのだけど、そのインタビューをきっかけに、よりSTUDIOのファンになってくれる人がいたりして、そうゆうのがとっても嬉しい。そんなファンの方は、STUDIOコミュニティでも、ソーシャルでも、なにか新しい機能を出すとすごく喜んでくれるので、もはやそんなファンのために開発してるといっても過言ではない。

2. 本質的な答えを追い求める。
しかし、そんな風にユーザーから多くの要望をいただくのだけど、僕たちは単にそれをそのまま実装することは少ない。なぜなら、「その要望に対し、本質的な解決策はなんだろう?」と一度立ち止まり、課題を1から考え直し、自分たちなりの答えを出してから実装に取り掛かるからだ。また短期的には解決できそうだが、長期的に見るとプロダクトの負債になりそうなこともやらないようにしている。その分、要望を1つ1つしっかり理解して、みんなが予想している答えよりも、何十倍も、何百倍も良い答えを出せるように努力している。

2. こだわりを捨てない
そして、本質的な答えを見つけてもそれを実装するのはなかなか大変だったりする。だから多くのサービスは、より簡単で、より短期的に解決しやすい課題に取り掛かりがちだが、僕たちは理想を実現するためのこだわりを捨てない。
STUDIOチームはなかなか曲者が多い。そしてみんなスキルレベルが高くて、超頑固。だから理想の答えを実装しようにも、みんな各々のこだわりがあるので、いっつもケンカになる。(特にKeimaとMiyaokaさんなんかいっつもケンカしてる笑)
だけど、そんなこだわりを捨てない姿勢は、結果として本当に良いものを生み出すことが多い。(去年の1月にリリースしたSTUDIO 2.0の新しいDrag&Dropの部分は、miyaokaさんがこだわり抜いて実装していて、圧倒的に使いやすくなったし、結果サービスのKPIも倍増した)
だから今後もこだわりを捨てずに、本質的に良いものを作り出せるようにしていきたい。
正直、こだわりなんか持たずに、ただ言われたことを実装してたほうが楽なことも多い気がする。だからこそ、1つ1つのことに対し、しっかりと本質的な答えで、良いものを作ろうとする姿勢のSTUDIOメンバーは本当に尊敬している。

STUDIOが2020年にやっていくこと

そんなSTUDIOが2020年にやっていくことは、シンプルだ。
待望のCMS機能をリリースし、Wordpressに変わる次世代のサービスとして、多くのサイトが作成されるようになること
それが、STUDIOの2020年の目標だ。
こう書くとシンプル過ぎて、そんなに難しそうに感じないんだけど、僕たちは上記の通り、CMSというものを1から見直し、どんなCMSがSTUDIOにとって正解なのか?CMSの本質的な価値とは?などを、何度も議論してデザインを繰り返してきた。だから、いままでのCMSとはまったく違うUIになるだろうし、一度STUDIO CMSを使うと、もう従来の開発フローには戻れなくなると思う。そのくらい圧倒的に便利で、感動するサービスを創っている。

実はCMS機能はコアとなる部分はもう出来てきていて、早ければ1月にはβ版として、一部ユーザーに使ってもらえるかもしれないので、皆様お楽しみに!!



また、CMSだけではなく、STUDIOを使ってくれているクリエイターの方たちが、より多彩な表現をできるようにするための新機能もリリース予定だ。


補足:昨年まででSTUDIOが検証出来たこと

サービスのリリース前は、運営資金を得るために投資家などと多く話す機会があった。そんなときによく聞かれた質問に対し、リリースから1年半で検証、証明出来てきたかなーと思うのでいくつか紹介する。

1. デザインのみでサイトが作れると、
従来の開発フローには戻れないくらい楽で効率的

もうこれは圧倒的に間違いない。
一度STUDIOを使うと、従来の開発フローがバカバカしくなるようなそんな感覚になる。僕もSTUDIOを使う前は、デザインをして、自分でコーディングを何度もしていたから、コーディングは早いほうだったと思う。だがSTUDIOはそんなもんじゃないくらいに、簡単で、効率的で、素晴らしい。
しっかり計測はしてないが、コーディングだと3日かかってたものが、STUDIOでは3時間で終わらすことが出来る。しかも、デザインをするのと変わらない感覚で出来るので、脳のスイッチングコストがない。
これはどんなフレームワークを使うより、どんなコーディングが早いエンジニアに頼むよりも圧倒的に効率的だと思っている。

現在はまだ静的なサイトしか作成ができないので、シンプルなLPなどに最適なのだが、上記の通り今年にはCMSを搭載した動的なサイトもデザインだけで作成出来るようにしていくので、ぜひ試してみてほしい!!

2. デザインのカスタマイズ性は大きな武器になる。

「テンプレート型ではなく、オリジナルのサイトは多くの人が作りたいと思ってる」と僕たちは何度も投資家に説明してきた。
だが、WixやSquarespaceが現状大きな売上を上げているので、テンプレでも十分なんじゃないか?と考えている方が結構いた。
しかし、最近のSTUDIOの盛り上がり具合、ユーザーの熱狂度を見たら「デザインは大きな武器になる」ことは間違いないだろう。
そしてデータで見てもそれは明らかで、現状世界にあるWebサイトのうちWixやSquarespaceなどテンプレート型のサイトビルダーで作成されたサイトはわずか3%。その他はコード、つまり完全オリジナルで作成されている。簡単なテンプレート型よりも、苦労してでもオリジナルのサイトを作りたいという人が多いということだろう。
だからSTUDIOは、将来的にはテンプレート型のサイトビルダーよりも圧倒的に大きなシェアを取れると考えている。

3. カスタマイズ性に加え、直感的な操作性、ツールの使いやすさは非常に大きな武器になる。これがSTUDIOのコアバリューとして世界で戦える。

UIの良さや使いやすさなどの説明は、言葉だけではとても苦労した。一度使えば分かってもらえるのだが、それまでに納得させることはなかなか困難だった。STUDIOの競合には、Webflowという海外のサービスがあるのだが、「Design and develop together」とコンセプトは非常にSTUDIOと似ている。ただ僕たちはWebflowは使い勝手、つまりUIがあまり良くないと感じていた。だから「競合との違いは?」と聞かれたときは「STUDIOのが圧倒的に使いやすいです!」と答えていたのだが、それだけだと全然納得されなかった・・
だが、この間サンフランシスコに出張し、ユーザーヒアリングをしているときに「昔はWebflowを使っていたけど、使いづらいからSTUDIOに乗り換えたよ!正直まだまだSTUDIOでは出来ることが少ないけど、UIが素晴らしいから応援したい」と、現地のユーザーに言ってもらうことができた。素晴らしいUIは言語の壁も越えて、世界に通じるのだなと改めて感じることが出来て嬉しかった。

よく考えればAppleは革命的なUIで、いくつもの世界的なプロダクトを創出してきている。そして一度それを使うと、離れられなくなるような体験を提供出来ている。我々STUDIOもWebにおいて革命的なUIを開発し、一度使ったら離れられなくなるような体験を提供していきたいなと考えている。

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