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システム見積の妥当性を知りたい時に読んで欲しい記事

◆記事概要
 ・前段なので飛ばしてOK 
 ・メール中身公開
 <見積に関する確認事項>
  ・システム範囲の確認
    →問題の大半はここが原因。事前に対策を。
  ・各機能の具体的な根拠
    →それっぽいことちゃんと考えているか。
 
 <システム会社に関する確認事項>
  ・得意分野とリソースの確認
   →苦手なことなんだろう。
  ・これまでの実績と内容
   →正直に話してくれる人なのか。
  ・現在のメイン業務
   →倒産するような会社かどうか。
 
 <自分たちが決めておくこと>
 ・とりあえずは、パッケージではじめてみよう。
 ・スモールスタート必須。
  予算と期間がどんどん伸びるだけ。

会社や事業を起こすときに、いつかは出会うかもしれない「社内システム導入」という大きなイベント。ひょんなことから、友人に依頼されたのを思いだしました。

「社内システム構築を検討していますが、システム会社から届いた見積の妥当性を判断してほしい」

はい。かなりぶっ飛んだ依頼をされました。なぜなら、当時の私の身分としては、完全に部外者であり、プロジェクト自体何を目的としているのかもわかりませんでした。*しかし、これをきっかけに事業参画することになりました。

当時のメールを下記に記載します。一度相手とは、電話でざっくりとやりたいことを話し受けてます。

〇〇さんお疲れ様です。見積資料確認しました。さすがWeb制作会社とあってデザイン案かっこいいですね!また現在までの経緯のメールをざっくりとですが確認しました。まずスケジュールの9ヶ月は妥当です(むしろ早いくらい・・)金額はすみません想定範囲がまだわからないので妥当かどうかが判断が難しいです。プログラマーの時間単価は、まぁまぁそれなりの価格ですね。中小企業でこの単価は、安いとは言えません。メールですと、予算を先に伝えているようなので、それに合わせて作ってきたのかな?というところです。あとは少し細かいですが検収タイミングは、着手時と完了時で2回とありますが、もう少し分割することで、何か問題が発生した場合でも、色々とリスク低減できそうです。

 <見積に関する確認事項>
・システム範囲の確認
→ほとんどの問題はここの認識のズレから起きます。徹底的にどこまでシステムが対応する範囲なのかを確認してください。範囲外が発生した場合に対する対応も先に協議する必要があります。
・各機能の具体的な根拠
→根拠を元に見積作成をしているかどうか。工数が多くかかっている理由、少ない理由などを確認することできちんとリスクマネジメントできている会社かどうかわかります。曖昧の回答の場合は要注意です。

 <システム会社に関する確認事項>
・得意分野とリソース(人員)の確認
→苦手な領域を確認でき、どの程度のSE&PGを抱えているのかで対応できる幅がわかります。
・これまでの実績と内容(システム利用者数、導入前と導入後の話も)
→どの程度の規模のシステム構築をやってきたか、
大手企業の名前を出しますが実態は小規模開発の場合もよくあります。システム稼働後の保守対応が持続できているかどうかを前と後での話で確認できると思います。
・現在のメイン業務
→何の業務で自分たちがご飯を食べているか、その比率。1社大手保守サポートが大半を占めている場合は、健康的な経営状態とはいえないため継続的な保守サポートを受けれない可能性があります。

【自社のスタンス】

上記は、Web制作会社そのものをチェックするための確認事項をお伝えしました。下記、どちらかというと自社の立ち位置についてお伝えできればと思います。既にお電話でお伝えした内容とも被ってしまうところもありますが、大きく分けて2つポイントがあります。

①スクラッチ or パッケージ
②スモールスタート


 こちらの2点について、現時点での論点ではなく、
これから決断していく内容かと思いますが、
私の率直な意見です。

①スクラッチ or パッケージ

結論からすると、パッケージ導入をオススメします。既に〇〇さんには業務イメージがついているかと思いますが、ゼロから作り上げるシステムにおいて、対応機能範囲を漏れなく実装するのは、非常に難しいです。想定していた追加の拡張機能も場合によっては、対応不可や、仮に追加機能を強引に実装された場合、不具合の原因になりかねません。
パッケージシステムの完成度&拡張性は非常に優れており、全く別事業の展開は別として、ある程度はカバー可能です。もし、かなり特殊な業務が発生し、パッケージ範囲外になることが既に想定されているようでしたら、上記はあてはまりませんので、除外させてください。

②スモールスタート

今回、見積にあげられた全ての機能を、創業当初から実装する必要はないと考えています。何故なら、今回の事業の最大の特徴は、「特殊な販路」にあり、必ずしもシステム導入が、運営上マストではないからと考えるからです

業務システム導入でのポイント(要因)は2点あります。
一つは、お金の管理、もう一つは、作業効率化です。

この2点をカバーできてないシステムは、本当の意味でシステム活用できているとは言えません。お金に関しては、既にご存知だと思いますので、特に言及することはありません。作業効率化については、イメージ付くかとは思いますが、人員増加(人件費)ことによって、カバーされていた複数作業をシステム導入により、一度に解決される(理想は3人分以上のコスト > システム費用)
※システムは少なくとも3年~5年は利用することになります。残念ながら、世間一般の企業では、上記を考慮せず導入し、フル活用できてないのが8割以上です。残り2割は、削減コストとシステム導入費用を見合わせ導入しています。これは、必ずしも正解とはなりませんが、システム導入の妥当コストとして算出する方法の一つです。

現在は、8割に限りなく近い可能性があります。スモールスタートとして、パッケージシステム選定を行い、必要最低限の機能実装を行うことで、コストも将来性も優れたシステム導入が可能となります。その上で、パッケージでは対応不可である特殊業務が発生した場合は、スクラッチ開発を行えば良いだけの話です。

今回の実務者会議に向けたテーマとは少しズレてしまうところではありますが上記も踏まえた上で、打ち合わせ頂けると幸いです。長文そして、多々失礼な意見を押し付けるような形になり申し訳ございません。引き続き宜しくおねがいします。

といったような形です。
結果として、このメールのあと、プロジェクト参画を依頼され、システム会社とのテレビ会議参加することになりました。

「フルスクラッチのお見積り有難う御座います。
 ちなみに、なぜパッケージ提案をしなかったのですか?」

と空気の読めない質問して、その会議や導入検討自体を終了させてしまいました(笑)

YT&H


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