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プロジェクトあるある(48)

本日のプロジェクトあるある:

「プロマネ自身の考えるプロジェクト成功が、組織から見ると全く逆になることがある」


今回は、ちょっと長文になってます。ご了承ください。

もしもこう問われたら、あなたはどう答えますか。

プロマネにとって、プロジェクトはなにをもって成功と言えるのか

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この問いかけ、自分がどんな立ち位置に寄り添うのかによって「プロジェクトの成功」の定義が変わってくるのです。

プロジェクトが計画通り完璧に終わることだ、というプロマネもいれば、自分が所属する組織に利益をもたらすことという人もいるでしょう。あるいは、プロジェクトチームメンバーの成長を上げる人もいるかもしれません。

私が考えるプロジェクト成功の定義は、

「プロジェクトが終わった時点で、タカハマさんにプロジェクトをやってもらってよかった」

とお客様に思ってもらえることです。

 
こんな書き方すると、お前は自分大好き好き野郎かよ、と思われそうですね(笑)

この裏には、お客様がプロジェクト終了時点で成功だった、と思ってもらえることが大前提であることは言うまでもありません。

その上で、

「自分の会社にお金を払ってプロジェクトやって間違ってなかった。それにタカハマさんがプロジェクトを担当してくれたからね」

なんて言って思ってもらえたら、もう心からこのプロジェクトやって良かったとうれしくなります。

要はお客様が成功したと感じ、さらにその成功に自分が貢献できたということで初めて私はプロマネとして成功したと思えるんです。

なので、時には会社の意向に反するが、お客様のためにやった、という経験もあります。

昔、とある大手金融機関に、前職で取り扱っていたあるツールを導入するという話が進んでいました。

金融機関のご担当(Xさんとしましょう)はそのツールを、というか前職の会社のソリューションをいたくお気に入りで、とにもかくにも導入したいという感じでした。

ところが、お客様の要件をいろいろ掘り下げていくに従い問題がわかってきました。

このツールを使っていると、ある状況で致命的な動作をするのです。

これは、仕様上どうにもならないことで、改修もできないものでした。

このことをXさんにお話したのですが、Xさんはあえてその話は握りつぶして導入を推し進めようとしていました。

それを受け入れていれば、自分の会社としてはツールの導入によってそれなりの事例にもなりますし、売り上げも上がります。

しかし、わかっていながら導入し、問題が発生したときのインパクトは計り知れません。

そこで、顧客担当の営業チームと相談した上で、X社のある上席の方に相談しました。いろいろ考えていただいた結果、ある会議を開催してその場で問題を公表しようということになりました。

その甲斐もあってか、結局本番で使用されるツールは別のものとなりました。そして、わが社のツールは、本番用ツールに障害が発生したときのバックアップツールとして位置付けられました。

後日、なせかこの会議の資料がライバル会社に渡ってしまい、

「おたくの会社は自ら問題があるって認めてるじゃないか」

と反撃されるネタとしてつかわれることになってしまいました。

振り返ってみて、私はあのときこの問題を公にせず、導入を優先すべきだったのでしょうか。

私としては、お客様が後に困るとわかっているものを黙って導入させるわけにはいかない、という思いのほうが大きかったです。

なので、会社からどれだけいろいろ言われようと、この行動に対しての後悔はありませんでした。

このように、プロジェクトの成功は様々な定義の仕方があります。

なので、自分自身が何を成功と位置付けるのかをまず明確にする。

ここに答えはありません。

自分がこれと思うものを軸にすれば良いのです。

その定義に対してどれだけ誠実に向き合っていけるかが大切なのだろうと思います。


それではまた!

日々感謝 m(_ _)m



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