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「10000時間の法則」を実現する3要素

先日のトップアスリートとのディスカッションに影響されて、自分もどうにか現役の時のようなメンタリティを復活させられないかと考え、夜中にもかかわらず現役時代の競技の記録を見返したり、自宅用の練習器具を引っ張り出したり、悶々と悩んだりで結構な時間になってしまいました…
現役時代のことは意外と覚えているようでいて、離れてから十数年の時が経っていると、当時の考えや感覚などを思い出すのに時間がかかるものですね。こういう時は身体に直接聞くのが一番。徐々に思い出してきたので、忘れないうちにメモをしておきたいと思います。

「プロになるには10000時間が必要(諸説あり)」とよく言われますが、やはりそれなりの時間をかけて競技に携わっていることが、メンタリティ形成の大事なポイントに思えます。そこで、どのような条件があれば、10000時間(1日5時間を週6日で6年半くらい)というかなりの時間を競技につぎ込むことができるのかについて考えてみました。私なりの回答として、以下の3つを挙げさせていただきます。

■「真理」への探求心があること
先日、トップアスリートと話している時に彼の口からも出ていましたが、その競技における「解」を探し求めることに強い執着を持つというのは一つ重要なポイントです。
競技・スポーツというのは、以下の3つのワークフローで成り立っていると考えられます。
①自分が身体を動かすというインプット
☞②何らかのメカニズム(=競技の真理)
☞③アウトプットとしてのパフォーマンス(結果)

つまり「競技を極める」というのは、「自分の体の動かし方」と「結果」を結びつける「何らかのメカニズム」を、インプットとアウトプットの因果関係を明らかにしていくことで解き明かしていくことであると言い換えることができるのではないでしょうか。
この「謎を解き明かす」という行為自体に面白みを感じるかどうかが、根本的には競技を続けるモチベーション、競技への愛情に直結していきます。単にアウトプットの良し悪しだけに目が行っていると、パフォーマンスが上がらなくなった時点で競技への興味が失われていきます。

■ 結果を見せたい誰かがいること
次に考えられるのが、自身のパフォーマンスを見せたい「誰か」が存在するか、という点を挙げたいと思います。相手は人によってさまざまだと思います。私であれば自分を変えてくれた尊敬する先輩や、自分のことを慕ってくれている後輩などがそれにあたります。
これは何も「仲間・応援してくれる人がいるから頑張れる」といったポジティブな側面だけを言っているのではありません。10000時間の練習を積んでいくとしたら、それはやはり険しい道のりです。その時に折れずに取り組んでいくためには「外圧」と「内圧」が必要になります。この2つのうち、「外圧」にあたるものが『周囲の目』です。
期待されている、自分のことを見てくれている人がいると、その人たちのことを『裏切れない』という感情が自然と湧いてきます。そうすれば、かっこ悪いところは見せれないですし、多少苦しくても期待に応えるべく歯を食いしばっていく必要が出てきます。これを前向きな力に変えて、苦しい時の起爆剤としていくことが、競技を長く続けていくためには欠かせません。

■ 強い『達成指向』を持っていること
最後は先ほどの「外圧」と「内圧」のうち、「内圧」に当たる部分です。すなわち、自身の軸をどれだけブレずに貫けるか、ということです。
多くのトップアスリートたちがインタビューで答えている性格は、『昔から負けず嫌いだった』、という内容が多いように思います。私がコーチとして接してきた中でも、トッププレーヤーはこの要素をほぼ必ず持っています。
その本質は「いかなる手段をもってしても目標を達成する」という強い『達成指向』です。これを持っている事による効果は2つです。
①手段の目的化が起こりづらい
☞目的と手段の主従関係が本人の中ではっきりしているため、手段そのものを行うことへの満足感よりも、「目的が達成できているか」を重要視します。結果、「やりたいこと(want)」よりも「やるべきこと(must)」に意識が向き、日々の行動に一貫性が出やすくなります。
②結果・成果が出ない時に「次の一手」に考えが向きやすい
☞仮に結果・成果が出なかった時でも、達成指向を持つ人は上手くいかないという事実に悩むよりも、『このやり方のどこがダメなのか?結果を出すために他の良い方法は無いか?』という改善・変更の方向に意識が向かいます。

個人的な現状の振り返りをすると、特に『結果を見せたい誰か』の存在の不在が今の自分には大きいように思います。一緒に試合に出る仲間を作るのがメンタリティ復活のための第一歩かも?

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