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2021年7月後半に読んだ本まとめ

寝る前に本を読まないと落ち着かないくらい、読書が生活の一部になっています。


ホリエモンの本の中で最も高評価されていたのでチョイス。
興味深く読めたのは前半部分。刑務所で味わった孤独、親と微妙な距離感だった幼少期、人生を変えたパソコンとの出会い…等、堀江氏があまり語ってこなかった意外な一面を知ることができます。
後半はいつもの堀江節かと思いきや、過激になり過ぎない程度に前向きな主張が書かれていて、ホリエモンがあまり好きでは無い人でも読めるくらいの内容になっています。

最近、「嫌われる勇気」と「イーロン・マスク」を読んだこともあり、堀江氏の主張はアドラーやマスクと重なる部分が結構あるな~と思いながら読んでました。


犯人は分かった、しかし動機が分からない…という作品。(ホワイダニット)
二転三転するストーリーは完璧に整合性が取れていて、恐ろしいくらい良くできた推理小説です。結末はなるほどと思わせる深みがありますが、人によっては好みが分かれると思います。それでも、物語の構成の上手さが説得力となって、このラストを「アリ」と判断する読者が多いんじゃないかと思いました。
東野圭吾はやっぱりすごい。


映画批評家の前田有一氏が「面白さだけなら最強の小説」「貴志祐介の最高傑作」と絶賛している作品。
設定はサバイバル要素強めのデスゲーム。1999年発売の本でこの設定なので今読むと若干チープな感じもしますが、単純に面白いので気になりません。読みやすく、中弛みしないので、何も考えずに楽しめる良質なエンタメ小説だと思います。


世界的ベストセラー「サピエンス全史」。難しそうだけど人類(サピエンス)への知見を得られそうなので頑張って読みました。
サピエンスは、他の人類種を滅ぼして繁栄した種族である――というショッキングな事実が序章で示され、もともとはサバンナの負け犬だったサピエンスが「虚構」によって世界を支配していく、そのプロセスが書かれています。

第3章では狩猟採集民がいかに豊かな暮らしをしていたかが書かれているのですが、この辺りは「最高の体調」で予習が出来ていたので読みやすかったです。人って本当に狩猟採集の時代から進化していないんですね…。
そこから第2部の「農業革命」に入り、サピエンスという「種」は繁栄したけど幸せにはなってないよね? という疑問が投げかけられます。この辺りは「種の繁栄か個の幸福か」というテーマを頭に置いて読むと面白いです。
以降は神話、階級、貨幣といった「虚構」への考察が書かれていて、正直、興味を持っていない分野だったので読みにくかったです。話も脱線が多いですし…。

興味深いなと思ったのは、「男女間の格差はなぜ生まれたか」という考察。多角的な考察を並べた上で「わからない」という結論に至っているので、肩透かしを食らった気分になりましたが、そういうものかもしれないなーとも思いました。
きっと筆者は、知れば知るほど複合的要因、偶然的要因が見えてきて、答えを安易に出す訳にはいかない、という結論に至ったのでしょう。(おそらく、本全体を通して回りくどい表現が多いのもそのため。)それを分かりにくさと捉えるか、誠実さと捉えるかは好みが分かれそうですが、私は後者と捉えたいなと思いました。

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