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2022年1月に読んだ本まとめ

まとめます。


絵画の見方を勉強してから美術館に行くと面白いのではないかと思い、この本で勉強することにしました。
絵の主役(フォーカルポイント)を見つけ、視線誘導(リーディングライン)がどうなっているかを把握する。バランスや色が絵の中でどう効いているのか意識してみる。それだけで美術鑑賞出来てる感が一気に増して、とても為になりました。
実際に荻須高徳展に行ってみた際も、この本に書いてあった構図の作り方やバランサー、原色と補色の知識、輪郭線の有無などのお陰で作品と向き合いやすくなりました。絵画って見方を知れば面白かったんや…。


話題作。要約すると、「SDGs」レベルの対策じゃ環境破壊が止まらなくてヤバいので晩年のマルクスを参考にしよう、という本。
私は脱成長論者には懐疑的なんですが、この本はそれなりに論理が通っているし、来るであろう反論もある程度想定して書かれているので好感を持ちました。
しかし、FACTFULNESSに書かれているように、資本主義によりテクノロジーが進歩し世界がよくなっているのも事実。資本主義にブレーキを掛けるといっても、将来の人類にとってどの産業は成長「すべき」でどの産業は成長「すべきでない」のかが今の人間には分からない以上、過度な規制を求めるのは印象論が先行しているようにも思えてしまいます。”70億人が対立なく先進国の水準で生活しようとするならば、新しい技術が必要”という論理の方が、まだ妥当性があるのではないかと思うのです。
とはいえ、無駄なモノを買わないミニマリストの私としては筆者の思想に共感できる部分もあり、単純に反対とも言い切れないのが難しいところ。考え方の根幹には賛成出来なくても、大量消費社会に対する問題意識は共有できているので、筆者とは「部分的共闘」なら出来そうだなーと思いました。


朝井リョウさんの本は、いつ悲しいことが起きるのか不安になりながら、でも続きが気になって読んでしまう。この本もそういう種類の本です。
テーマについて。人気作家が「社会的に認められない」「マイノリティ」を真正面から描いているのはすごく踏み込んでいるなと思いました。しかしだからこそ、更に踏み込めたであろうある人物(この本を読めば一発で分かると思います)に対して意図的に描写を避けているようにも感じ、ちょっとモヤっとしました。朝井リョウ氏でもそれが描けないなら、このテーマで小説として大傑作にするのは不可能なんじゃないかと思ったり…。
社会の不都合な側面にゴリゴリ踏み込んでいくのなら、小説よりも評論が適しているのかなと、御田寺圭氏のコラムを読みながら思いました。

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