発達障害男子の恋愛~結局、恋愛にリソースを割きたくないってこと?

正直、恋愛って、こんなに難しくて、しんどいものだと思わなかったです。
私が、恋愛に取り組み、考えたことを、記します。

・導入 マッチングアプリを始めてみる

前提として、私はASD > ADHDで、二次障害(不眠、易疲労、うつ病歴)を持っている、31歳男性です。

ずっと恋愛すること自体、頭にない状態で、過ごしていました。

そんな中、2019年10月ごろ、知人がマッチングアプリを使って、恋人ができたという話を聞き、私もやってみようと思いました。
今の職場で一年がたち、少し気持ちにゆとりが出てきたというのもあります。

ということで、マッチングアプリをインストールをしました。
プロフィール文作成に苦労しましたが、どうにかスタートできることになりました。

・多動性、脳疲労、うつ再燃との戦い

マッチングするまでの間は、
「検索する」、「プロフィールを見る」、「いいねを押すかどうかを判断する」
ということを行います。
これを瞬時に頭を切り替えながら行うので、結構頭を使います。

ま恋愛自体考えたことがなかったので、何を軸に女性を選んだらいいか分からず、混乱状態に陥りました。

また、スマホアプリというものは恐ろしいものです。
気軽にアクセスできるから、今まで脳を休めることに使っていた通勤中や休憩中も、操作をしていました。
結果、脳が休まらず、体調を壊すことがありました。
そこで、スマホからアプリをアンインストールし、PCのブラウザからのみ見ることにしました。
ブラウザのメリットとして、タブを複数使えるので、「検索する」、「プロフィールを見る」、「いいねを押すかどうかを判断する」を、分けることにでき、脳の負荷が下がりました。
また、アクセスできる時間を制限することになり、脳を休めることができました。

しかしながら、いいねを送ってもマッチングがしませんし、マッチングしてもメッセージが途絶えます。
恋愛市場における私の立場を痛感しました。どうやら、男性の比率が圧倒的に多いというもの理由の一つのようでありますが。
そのたびに、落ち込み、自己肯定感が下がり、うつ寸前にまでなってしまいました。
そこで、以前読んだことのある「アドラー心理学」の本を再読しました。
「これは私の問題ではない、他人の問題なのだ。」と、自分と他人を切り離して考える手法を取り入れることにしました。
そのおかげで、少し気持ちがラクになりました。


・会話が続かない、言葉が出てこない

マッチングしたらしたで大変です。
「会話が続かない」「言葉が出てこない」という問題が出てきたのです。

どんなに考えても出てこないのです。
どうにかひねり出したとしても会話が途絶えるのです。

リアルタイムでの会話を振り返ります。
私はクセのある人間だとは自覚しています。
独特なコミュニケーションを取りがちです。
それがキャラクターだと認められているコミュニティなら良いです。
それが恋愛市場だとマイナスに働くのでしょう。

また、「雑談力」「聞く力」などのスキルが必要だと痛感しました。
訓練でどうにかなるのか、元来無理なものなのかまでは、分析できてはいません。
いずれにしても短期間で身につくものではないので、直近のやり取りでは活かせないです。

ここで、
「相手が何を考えているかを、相手の気持ちに立って考える」
という視点が必要なんだと思います。

ただ、どんなに考えても、何も浮かばないのです。
考えることに力を注ぎすぎて、ぎこちない言葉になってしまいます。

もう、頭が完全にショートしてしまいました。

・二次障害(不眠、易疲労)との戦い

私の中での最優先事項は「毎日、健康に、仕事をする」ということです。

ここで、私の生活についてお話をします。
朝の通勤時間や昼休みは、なるべく仮眠を取るようにし、仕事に備えています。
そのため、帰りの通勤時間や帰宅後の時間が、マッチングや返信をする時間です。
慣れてくれば、朝チラッとメッセージをチェックをし、断片的に返信を考えるようにはなりましたが、きちんと考えるには夜の時間が中心になります。
これも、通院や凝った料理を作るときや突発的なトラブルが出てきたら、その時間が無くなります。
また、不眠ゆえ早く寝ないのといけません。寝る一時間前には、スマホやPCなどのデジタル機器から絶ち、睡眠に備えています。
また、易疲労ゆえ、ちょっとしたことで、体調不良になることが多く、体調の回復のため、休むことを優先し、何もできなくなります。

そんなわけで、恋愛に割ける時間が圧倒的に少ないわけです。

・恋愛はタスクなのか。そして退会へ

こうして振り返ってみると、恋愛が、事務的といいいますか、タスクの一種のようにしか思えなくなってきたのです。
生身の人間と向き合っているはずなのに、その相手に誠意を持てなくなってきているように感じました。
そんな自分が嫌になってきました。

そうこうしているうちに、2020年4月に、追加で課金をして続けるかどうかを判断する期限が迫ってきました。
このまま続けても、しんどくなると思い、退会することにしました。

結果は、何件かマッチングはしたけど、会うまでは至らなかったです。


ここからは思っていることを書いていきます。

・仕事に障害者枠はあっても、恋愛にはない

まさにそうです。(別にそれを望んでいるわけではないです。)

理解のある会社で障害者枠で働いている場合、
優先順位を決めてくれたり、仕事の細分化ができて、
今、何をするべきかがある程度理解することができます。

でも、恋愛だとどうでしょう。
それらを自分でしないといけないのです。
相手があってのことなので、自分でコントロールできない要因が多すぎます。
高いコミュニケーション力と臨機応変さを求められます。
これらに対して、自分で対応しないといけないわけです。
相当難易度の高いものです。

・結局、恋愛にリソースを割きたくないってこと?

「発達障害の恋愛」の知られざる男女格差…モテるのは女性ばかり?
こちらの記事の中に

「日常生活と仕事をまともに行うのに精一杯で、恋愛まで手が回らない」


とあります。
すごく分かります。

私の持論として以下のことがあります。
「恋愛をしなくても生きてはいける。でも仕事をしないと生きていけない。」

繰り返しになりますが、
私の中での最優先事項は「毎日、健康に、仕事をする」ということです。

そしたら、どうやっても恋愛への優先度を下げざるを得ません。

それは、結局、恋愛にリソースを割きたくないということかもしれません。
その欲求を突き詰めると、
「自分の都合のいいときだけ恋人のように振舞ってほしい」
だけなのかもしれないです。
分かってます。それはもう恋愛とは言わないです。
恋愛はギブアンドテイクであり、相互的なコミュニケーションであるので、「自分の都合のいいときだけ」なんて通用しないってことは。
「楽して金儲けしたい」と言ってることが変わらないです。

そう思うと、私は恋愛をしたいのかどうか分からなくなりました。

・2021年8月現在、思うこと

2020年4月にマッチングアプリを退会してから、恋愛らしい行動はしていません。
少しホッとしているというか、安堵の気持ちでいっぱいです。
焦っていたのかもしれません。
冒頭にも書いた通り、この気持ちでいっぱいです。
「正直、恋愛って、こんなに難しくて、しんどいものだと思わなかったです。」
まだ恋愛らしい行動をする気は起きません。
「今」ではないのでしょう。

たまに、「そのうちいい人できるよ」と言ってくる人がいるのですが、その言葉は信じません。
その言葉にどれだけ騙されてきたことか。
なので、「できるかもしれないし、一生できないかもしれない。どう転んでも幸せであろう。」と思うことにします。

自分が楽しいと思えることに対して、優先度をもって取り組んで、満足感を高めていくほうが、幸せになりそうと考えるようになりました。
そうすると、恋愛への優先度はますます下がるばかりだけど、それでもいいかな。


おわり

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