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走れないことは不幸ではない。

昨年12月に病気をしてから、いつものように走れなくなった。
短い距離を軽めに走り込むことならできるまでに回復したものの、やはり病気による筋力低下の影響が大きく、思うように走れない。走ることへのモチベーションも少し下がり、いつも一緒に走ってる仲間からも遠退いていく気がした。

そんな中、3月の始めとは思えないくらい冷えて、雨が降る日に、仲間が当選した東京マラソンの応援に行ってきた。
マラソンの応援だけに参加するというのは初めてのことだった。

走れないけど、今、自分にできることはないか。
腐ってる暇なんてないのではないか。

そう思って、応援に行ってみた。
スタートである都庁から移動して、市ヶ谷、両国、三田と3箇所をまわる計画を立てた。

雨は少し強くなり、市ヶ谷付近のコンビニで手袋とレインコート、ホッカイロを買って寒い雨の中の応援に備える。
そして、前日の夜にダンボールとA3用紙で作ったオリジナルプラカードを掲げて沿道に立った。

市ヶ谷(5km付近)、両国(17km, 24km付近)では、仲間が気づいてくれること、仲間を応援しながら移動することが楽しかった。
ただ、33km、38km地点の三田ポイントに着いたとき、殆どのランナーの表情に余裕が消えていた。

僕は自然と声を張り上げていた。ランナーひとりひとりに届くように。
声援にポーズで応えてくれるランナーもいたし、表情だけで返してくれるランナーもいた。嬉しかった。応援することでパワーをもらった。
手作り感満載の応援プラカードは雨に濡れてボロボロになってた。

自分が走る側の立場だと、どういった言葉が励みになるかずっと考えてた。
「ここからが勝負」とか、「頑張れ」とかいろいろあるけど、本人は勿論頑張ってるし、常に勝負してるし、勝負するタイミングも本人次第。
最終的に、「NICE RUN!」と「己に勝て🔥」の2つにした。外国のランナーも多いし、寒くて雨というメンタルが弱るコンディションだったので、これで良かったと思っている。

仲間の完走を見届けて、僕の東京マラソン応援は終わった。
そして、応援する側になって気付いた。

走れなくても、仲間が走ってくれる。
自分が走れなくても応援はできる。
僕はひとりじゃない。

応援することで、走ることと同じくらいの感動を得ることができる。
走れないことは辛いけど、決して不幸ではない。
そう心から思えた、東京マラソンだった。

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