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価値ある財務経理パーソンとは

本記事をもとにした動画も公開中です。

財務経理のイメージ

周りの人から言われてきたことや、財務経理に携わる前に抱いていた自分の「財務経理パーソン」のイメージは以下の通り。

•        まじめ、おとなしい
•        細かい
•        いつも同じ仕事をしている
•        リモートワークできずにかわいそう
•        いつも(無駄に)忙しそう
•        会議資料が多い
•        やたらと紙の原本にこだわる

財務経理の大事なこと、やり甲斐 (あるアンケート結果)

大事なこと、気をつけていること

  • 時間はかかるけど常に100点(正確さ)を目指す

  • 間違いがないようにチェックをしっかりする

  • 経費、特に交際費に常に目を光らせている

  • 銀行担当者とよく飲みに行って関係性を構築している

やり甲斐

  • 金額がぴったりあったときの快感

  • コツコツ地道にやっていくのが性に合う

  • 月次報告資料を完成させた喜び

経営者はそれを望んでいるのか?

伝票入力をきっちりやってくれたらそれでいい、というレベルをメンバーならともかく、マネージャークラスやリーダーレベルのひとたちにその程度しか求めていないのだろうか。

数字に一番近い部署だからこそできることがあるはずだ。

「価値ある財務経理パーソン」

メンバー、責任者として財務経理を経験し、経営陣としての経験もある私が考える「価値ある財務経理パーソン」とは以下のとおりである。

  1.  いかに「楽をするか」に頭を使う

  2.  スピード最優先

  3.  経営判断に必要な資料を簡潔にまとめる

  4.  他部署や経営陣に提案ができるメンタリティ

  5.  いい意味での鈍感力

  6.  資料や会話で銀行からの信用を得る

1. いかに「楽をするか」に頭を使う
2. スピード最優先

数字を合わせる、正確である、期限を守る
これはビジネスパーソンであれば財務経理にかかわらず普通のことである。
そして時間をかけて結果を出すのは当然である。時間かかった上にミスがあったり、クオリティが低い資料作成するのは論外。
どれだけ楽にスピード優先で業務を行えるか、そのために知恵を使うべき。そのためにソフトウェアやツールを駆使して時間短縮したり、他部署と協力して共通フォーマットをつくったり。
楽をすることは効率を追求するということであり、生産性をあげることである。

3. 経営判断に必要な資料を簡潔にまとめる

報告レベルで細かいことにこだわらない。経営判断にはスピードが大事。
レポートを出す前に悪戦苦闘しているその数字や情報は、本当に経営判断に必要なのか?数千円、数万円の差異が経営判断に影響するのか?
細かい数字を合わせるのはあとでもいい。概略を完結に、スピーディにまとめるほうが優先されるべきである。

4. 他部署や経営陣に提案ができるメンタリティ
5. いい意味での鈍感力

伝票処理と支払の部署だというイメージを壊し、存在感を示すべき。経理のくせに、だとか痛い指摘をしてくるな、と嫌がられることもあるかもしれない。だが、財務経理としてこう考えるという発信は必要であるし、数字から得られる情報を正しく共有するほうが結果的にはそれが会社を良い方向に導くはず。
嫌われるのは誰でも避けたいのは当然であるし、「仲良く」やっていきたいものである。しかし、財務経理としてのコメントは常にするべき。
それを取り入れるかどうかは経営陣判断ではあるし、会社として財務経理を軽視しない風土であることも望まれる。

財務経理は一番数字に近く、一番会社を知っている。ストロングポイント、ウィークポイントを理解している。また、そうあるべき。
よって、数字をもとに分析と改善提案できるし、営業や開発とは違った視点での意見も出せる。嫌われてでも、財務経理の意見はいつも的確であるので聞いてみよう、と思ってもらえることを目指す。

金額を一致させたり、たくさんの伝票入力を終えて達成感を得るのはせいぜい1年目。もっとデキることがたくさんある。

6. 資料や会話で銀行からの信用を得る

銀行に求められてからの資料作成や面談ではなく、積極的にコンタクトをとることもやっておきたい。

  • 決算発表会の実施

  • 半期、決算数値を簡単にまとめて取引銀行に報告

  • 担当者が何を知りたいか、をヒアリングする

  • ネガティブな情報もポジティブに言い換えて伝える

  • 企業紹介(販売先、仕入先など)を依頼 など

中小企業が上場企業レベルの開示をする必要はないが、借入のときだけコンタクトを取るよりも、会社の状況を適宜報告するような関係を構築しておくと、有事の際にサポートをもらえるかもしれない。
接待費を使って飲みに行って「関係性を構築した」という考えは二流。

経営者に求められる財務経理パーソンになる

細かいことにこだわらず、フレキシブルに
効率とスピードを最優先しよう
必要とされる情報を確実に提供
伝票入力がメイン業務ではない、数字をもとに提案
銀行には会社全体の動きが説明できるよう常にアンテナを張る

バックオフィス=ディフェンス という考えは古い。
バックオフィスだからこそデキるオフェンスはある。
各企業ごとに財務経理パーソンが置かれる状況は多少の違いはあれど、財務経理を生業としてきた私としては伝票入力、支払、決算だけと思われたくない。アクティブな財務経理パーソンが増えていくことを願う。

株式会社Progress|清水裕矢


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