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インスタント・グラデーション

高校生になって友達と一緒にはじめてインスタント麺を作ったとき「意外と面倒くさいな……」と思ったのをよく覚えている。
小さい袋が何個も入っていて、ものによって入れる順番も違うし、待ち時間やお湯を捨てるか捨てないか、それぞれきちんと手順を踏まないと美味しく食べることができない厳密さに、なんだか騙されたような気持ちになったのだ。

1人暮らしをはじめて自炊を続けていると、少しづつ献立や調理の手順が簡略化されていく。そうするうちに、いちおう料理だけどこれはもうインスタント麺と同じくらいの手軽さで食べれるぞ、というものがいくつかできてきた。
最近よく食べてるうどんが特にそう。冷凍うどんをレンジで解凍して、その間に麺つゆとお湯でつゆを作っておく。うどんとつゆを合わて、その時あった適当なおかずと揚げ玉なんかを乗せれば立派に一食になる。
インスタント麺で感じた面倒くささが、料理のそれとグラデーションで繋がっていくのを感じて、食っておもしろいなとしみじみ思う。

ちなみに実家では見ることのなかった冷凍食品、おそるおそる試した中でいちばん感動したのは餃子! 今まで餃子を食べたいときは、作るかお惣菜を買って家で温めるかの二択だったけど、冷凍餃子はただ焼くだけで皮がちゃんとパリッとして出来立てって感じがするし、何より火を使って料理してる感が出るのがなんとなく心にも良い気がしている。

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