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【致知 Review】2024年8月号「さらに参ぜよ三十年」

月刊誌『致知』を購読し始め、4年半。
きっかけは、工房の代表を引き継ぐという話が具体化し始めた頃から。
小さいながらも組織の代表として、また師である田内が築いてきたストレングス工房のノウハウや仕事、縁などを継承する身として、学び続ける姿勢を持ち続けるためにと、2020年の年頭に購読を申し込んだ。

これまでは、読みっぱなしになっていたが、このnoteへの投稿も習慣化してきたことから、アウトプットの場として致知のReviewを記していきたい。

今回は、先のWBCで日本を優勝に導いた栗山英樹氏(現•北海道日本ハムファイターズ チーフ•ベースボール•オフィサー)と、臨済宗円覚寺派管長の横田南嶺氏の対談『さらに参ぜよ三十年』より。

「WBCで優勝して、たくさんの人に好評価をもらって感じたのは、“ああ、こうやって人はダメになるんだな”という思いでした。それは痛いほど感じました。」

p13 3段目/栗山氏の著書「信じ切る力」より抜粋

でもある時、先代管長が「拍手が人をダメにする」と言ったんですね。
〜中略〜
明治時代の作家•斎藤緑雨という人の言葉に、「拍手喝采は人を愚かにする道なり」とあるんです。決して自惚れずに、自分を律することはとても大事ですよね。

p14 1段目/横田氏のエピソードより

平家物語の「驕れる者は久しからず」の通り、何かを成し遂げたり、人の上に立つような地位を得た時ほど、戒めなければならず、心に刻んでおきたい。

「夢は正夢 歴史の華」
夢は現実にしなければ意味がない。
やはり「なりたい」と「なる」は違います。
本気で「なる」と決めれば、自分で決めたことをやり切っていく。

夢が正夢になった時に、一人ひとりの人生が輝き始める。
そうすると歴史に名前は残らなくとも、誰かがその姿を見て頑張ろうと思ったり、周囲にプラスの影響を与えることができる。

p17 4段目/栗山氏の言葉

夢と目標の違いで、よく言われることとして、
目標は期日を設定し達成していくもの、また達成可能な事柄を思い描くもの。
一方で夢は期日は設けずとも将来実現したいと思い、目指す事柄。
ただ、やはり栗山氏の言葉の通り、いつか「なりたい」では、なれない。
だからといって、簡単に達成できるものは夢ではない。
大きな夢を思い描き、そこに向けたプロセスを逆算し一つ一つ目標に細分化していきながら、近づき達成していかなければならない。
「夢を目標に変えろ」という言葉があるように、「なりたい」を「なる」に変え、達成させるためには何段階かの目標を設定することが必須であり、「なる」と決めている人はそのようなプロセスを須く踏んでいる人なのだと思う。

「さらに参ぜよ、三十年」
禅の言葉で、三十年というのは禅では一生のことを指す。つまり、一生涯、参禅し続けろ、つまり、一生求道、死ぬまで修行という意味。

p23 1段目/横田氏の言葉

冒頭に引用した言葉にも通ずるものだが、世の中で一定以上の地位や名声を得たり、業績や実績を残している人ほど、物腰が低く、謙虚な方が多い(と聞く)が、驕ることなく一生涯学び続ける姿勢があるからこそなのだろう。

また、横田氏のエピソードの中で、上記の言葉を先代管長に色紙にしたためて欲しいとお願いした際、他の言葉は幾度と書いてもらったことがあったものの、この言葉は書けないと突っぱねられたという。
それは、つまり書いたものを見て意識し戒めにするのではなく、常に心に刻んでおけ、という意味だったのだろうとのこと。

これらは、スポーツに限らず、どの世界にも言えることであり、特にスポーツは勝ち負けなどがハッキリ分かる世界であり、そこに携わる監督をはじめとした指導者にスポットが当てられることがある。
しかし、栗山氏が語るように、勝つ時というのは選手が凄いのであって、指導者で負けることはあっても指導者で勝つことはないと言う。

非技術系であるトレーニングコーチ,トレーナーも一応は指導者の端くれであり、勝ち負けで言えば、できることなら勝ちに絡みたいし、それが実績と見られることもある。
ただ、それでもし仮に賛辞を受けたとしても、それは選手が凄いのであって、自惚れてはいけない。
これで良いというものがないスポーツの世界、一生学び続けることを肝に銘じたい。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

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